私たちの食卓にもよく登場する「オキアミ」。

釣りの餌などにも使われていますね。

 

しかし時折疑問に思うのが、「オキアミなどのプランクトンが~」という文言です。

え?オキアミってプランクトンなの?

 

プランクトンは目に見えない微生物というイメージしかなかったのですが、そもそもプランクトンの定義ってなんだ?

今回はそんな疑問にお答えするべく、オキアミについて詳しくまとめていきたいと思います。

そもそも、プランクトンって何?

「プランクトン」ってよく耳にしますし、何だかその正体を知っているような気になりますが…実はどういったものなのか、きちんと把握できている人は少ないと思います。

プランクトンとは、「水面や水中を漂う、遊泳能力を持たない(あるいは軽微な)生き物」の総称です。

 

つまりは、プランクトンの中には前述したような「目に見えない微生物」も含まれるし、普通に肉眼で確認できるような大きなものも含まれるということ。

広義の意味では、水中や水面を漂うクラゲなんかもプランクトンの一種です。

ということは、2m近くあるエチゼンクラゲだって、立派なプランクトン。

 

そう考えると、「オキアミがプランクトンだよ」というのも、何だか違和感が少なくなりますね。

あれ…でもオキアミってエビの仲間っぽいのに、泳げないの?という新たな疑問が湧いてきます。

 

エビって、けっこう動くし泳ぎますよね。

オキアミとはどんな生き物なのか、次で見ていきましょう。

オキアミってどんな生き物?

オキアミはエビにそっくりな(というかエビそのまんまな)見た目をしていますが、じつはエビではありません。

同じ甲殻類の仲間ではありますが、厳密には違う種の生き物なのです。

 

あんなにそっくりなのに別の種類だなんて、ややこしいし不思議。

「タラバガニはカニじゃなくてヤドカリの仲間」というのを聞いた時と同じ、なんとも言えない気持ちです…。

 

エビとの違いは、鋏脚が無いこと、鰓がむき出しになっていることなどで見分けることができます。

そしてここで本題に戻るのですが、オキアミがエビっぽいのに遊泳能力が無い理由は、ずばり「エビの仲間ではないから」。

 

エビの仲間の場合、プランクトンとして浮遊生活を送るのは、幼生の頃の一時期のみです。

しかしオキアミは、成体となっても生涯を浮遊生活で過ごす「終生プランクトン」。

つまりはオキアミはエビと違って、正真正銘紛うことなきプランクトン、ということですね。

オキアミに似ているけど違う生き物

オキアミとよく混同されるもので、「アキアミ」というものがいます。

アキアミはオキアミと名前が似ているだけではなく、姿もソックリ。

 

しかしこちらは、れっきとしたエビの仲間で、通称「アミエビ」とも呼ばれます。

もう名前も姿も、めちゃくちゃややこしい。

 

あれ、どっちがエビでどっちがプランクトン?と、絶対一回は混乱します。

また、世の中にはアミエビを使った加工食品なども多くありますが、その中には実はオキアミが使われているものも多く含まれているのです。

味も栄養もさほど違わないため、より安価なオキアミを使うという寸法。

 

桜エビの代替品としてもよく使われていますね。

まぁ、味も見た目もほぼ同じで値段が安く手に入るなら、消費者にとっても悪いことではないと…思います。

オキアミについてのまとめ

今回の記事を読んで、「プランクトン」というもののイメージがガラリと変わった人は多いのではないでしょうか。

エチゼンクラゲもプランクトンという事実は、なかなかに衝撃的です。

 

そのおかげか、「オキアミはプランクトンである」というのは、すんなりと受け入れられたので良しとしますが。

みなさんも今度かき揚げやエビ煎餅を食べる時には、それがオキアミなのかアキアミやサクラエビなのか、ちょっと観察してみてはどうでしょうか。

(ライター もんぷち)