ニホントカゲを知っていますか?
飼育した場合の餌や生態について詳しくお話しします。
ニホントカゲの特徴
ニホントカゲはトカゲ科トカゲ属に分類されるトカゲです。
本種西部から大隅諸島にかけての西日本に分布し、東日本やロシア極東には姉妹種のヒガシニホントカゲが、伊豆半島から伊豆諸島にかけては近縁のオカダトカゲが分布しています。
これら3種は相互に外見がそっくりです。
体長は15~27㎝、胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数は26。
幼体は体色が黒や暗褐色で5本の明色の縦縞が入ります。
尾は青く、オスの成体は褐色で、体側面に茶褐色の太い縦縞が入ります。
繁殖期のオスは側頭部から喉、腹部が赤みを帯び、メスは幼体の色彩を残したまま成熟することが多いです。
ニホントカゲの生態
草原や山地にある日当たりの良い斜面等に生息し、特に磯野多い場所や墓地や生け垣と言った石でできた陰になったところに好んで棲んでいて、冬になると日当たりの良い斜面の地中や生け垣等で冬眠します。
食性は動物食で、昆虫、クモ、甲殻類、ミミズなどを捕食するほか、それらの死骸や果実もしばしば接食します。
天敵はネコ、イタチ、ニホンアナグマ、ヘビ、モズなどの肉食動物で、天敵に襲われそうになった場合は尾を自切することがあります。
切り離された尾はしばらく動き回ることで外敵の注意をひく働きをします。
切断面は筋肉が収縮し、出血も抑えられます。
再生した尾は外観から見ても体色が異なっていたり、元の尾よりも長さが短くなることが多く、完全もとに戻るわけではありません。
また構造上も、再生尾には中に骨がなく、代わりに軟骨によって支えられています。
繁殖形態は卵生で、繁殖期になるとオスは互いの頭部を差し出して相手が噛みつくという儀式的な行為を互いに行います。この行為で相手の頭部を嚙み砕いたりすることはなく、相手の大きさや力を測っていると考えられています。
4~5月に交尾をし、5~6月に石や倒木などの下に掘った巣穴に1回5~16個の卵を産み、母親は卵が孵化するまで保護します。
オスは生後2年、メスは生後2~3年で性成熟します。
ニホントカゲの飼育
ニホントカゲを飼育するのには屋外がおすすめです。
衣装ケースや60㎝以上の水槽に厚めに黒土と腐葉土を敷き、バーベキューネットで蓋をして雨の入らないようにベランダに置きます。
餌はペットショップなどのエサ用のコオロギがベスト。
他にもミルワームやハニーワーム等が販売されていますので、これらの餌を組み合わせてバリエーション豊富に与える必要があります。
餌には必ずカルシウム剤などの栄養添加剤を添加しましょう。
昆虫などを捕まえてきて与えることも可能ですが、ニホントカゲは非常に大食いです。
餌を毎日調達するのはとても大変な作業なので、販売されているコオロギが一番。
ただし、慣れてくるとピンセットからエサを摂るようになり、アゴヒゲトカゲ用の配合飼料に餌付く可能性もあり、そうなると餌やりはかなり楽になります。
餌の間隔は幼体ならば2日に1回。成体ならば3日に1回程度で大丈夫。
ニホントカゲ飼育の注意点
ニホントカゲを飼育していると、どうしても手の上に乗せたい衝動にかられます。
そうやって戯れるのもペットとしてニホントカゲを飼うことの醍醐味なのですが、注意しないと人間の体温であっという間にニホントカゲを蒸し殺してしまうことにもなりかねません。
特に幼体の場合は、持ち方に注意しないと人間の体温は彼らにとって脅威的な温度なのです。
捕まえる時は親指と人差し指で彼らの前脚を掴んで保体し、できれば腕全体を掴んで動きを封じ込めます。
これならば、人間の体温が直に伝わることもなく、比較的長時間持っていても死んでしまうようなことはないようです。
興味のある方はぜひお試しください!
(ライター ナオ)