姿がよく似ている「バッタ」と「キリギリス」。

子供の頃「バッタつかまえたぞー!」「いや、それキリギリスじゃん!」なんてやり取りをした記憶がある人もいるのではないでしょうか。

 

私自身は全く見分けがついていませんでしたが、男の子たちにとってその違いは一目瞭然だったようです。

一体、バッタとキリギリスの違いは何なのでしょうか?

キリギリスはバッタの仲間?

じつはキリギリス、バッタと同じ「バッタ目」の仲間なのです。

(まぁ見た目はそっくりですし、これで「仲間じゃない」と言われたほうが驚きですが。)

バッタ目は「バッタ亜目」と「キリギリス亜目」に分かれており、キリギリス亜目はまたさらに「コオロギ科」「カマドウマ科」「キリギリス科」など細かく分かれています。

そう考えると、キリギリスもバッタの仲間というのは間違いではありませんが、じゃあコオロギ科のコオロギやスズムシもバッタの仲間か?と言われると、うーん…。

 

近縁種ではありますが、「バッタの一種」というのとはちょっと違うような気がしますね。

バッタ亜目とキリギリス亜目は、触角の長さや鳴き声の出し方によって分類されます。

その違いについては、次で詳しく見ていきましょう。

バッタとキリギリスの違い

パッと見た感じはとても似た印象がありますが、彼らを区別する上で明確な違いがいくつかあります。

それを知っていれば、瞬時に見分けることも可能になりますよ。

触角の長さ

触角の短いものはバッタ亜科、長いものはキリギリス亜科に分類されます。

目安としては、本体よりも長いかどうか。

(ケラだけは例外で、キリギリス亜科なのに触角が短いです。)

鳴き声の出し方

キリギリスと言えば秋に鳴く虫の代表格ですが、バッタの中にも音を出すものはいます。

しかし、音を出す仕組みは全く異なるもの。

 

キリギリスは左右の翅をこすりあわせて音を出しますが、バッタは後脚と翅をこすり合わせて音を出します。

より複雑で美しい音が出せるのは、キリギリスの方ですね。

食性の違い

バッタはほとんどの種が草食ですが、キリギリスは雑食もしくは肉食です。

キリギリスの中にはカマキリすらも捕食してしまう種類がいるほど。

 

そのため、人間でも噛まれたら結構痛いそうです…。

キリギリスには動物性たんぱく質が欠かせず、雑食の種でも植物性の餌ばかり与えていては長生きしないようです。

耳の位置

虫の耳も、顔(頭)についていると思ったら大間違い。

キリギリスの耳は前脚脛節の付け根、バッタは後胸部の側面に耳があります。

脚や胸から音が聞こえるというのは、何だか不思議な感覚ですね。

前脚の棘

肉食性の強いキリギリスは、捕らえた獲物を逃がさないために、前脚の棘が発達しています。

それに対して草食のバッタは、棘はあるもののそれほど発達はしていません。

 

肉食傾向が強い種ほど、棘は発達しているようです。

見た目で見分けるポイントとしては、触角の長さを見るのが一番ですね。

 

他にも産卵管の発達具合や後脚の長さなども見分けるポイントになりますが、種類によっては一概には言えません。

やはり触角の長さで判断するのが、一番確実で手っ取り早いのではないでしょうか。

バッタとキリギリスについてのまとめ

結局のところ、仲間なのかそうでないのかはあまりハッキリしませんでしたが…。

「バッタ目」という括りでは仲間、さらに分類すると違う種類、という感じでしょうか。

虫に興味がない人には、「どっちでもいい」と一蹴されてしまいそうですが…。

キリギリスの特徴

触角が長い、脚が長い、前脚に発達した棘、前脚脛節に耳

見た目にもこれだけの違いがあるので、これからは「あれはバッタじゃなくて、キリギリスだよ」と言えるようになるといいですね。

(ライター もんぷち)