夏休みなど奥深い山奥にキャンプや合宿にいくと、明かりにたくさんの蛾が集まってきているのを見て気持ち悪い思いしたことはないでしょうか。

なかには手のひらサイズの大きな蛾もいるのでギョッとしますよね。

 

住宅地でも街灯や玄関先の明かりの下に蛾が集まっているのを見かけるし、家のなかにも入り込んでいることがあります。

そんな蛾を退治するにはどうしたらいいかを探ります。

蛾とはどんな昆虫?

蛾とは、蝶と同じく「鱗翅目」の仲間です。日本には、蝶が250種ほどなのに対して、蛾はなんと4,500種が存在しています。

卵→幼虫→蛹→成虫という完全変態をし、幼虫はいわゆる「毛虫」、「芋虫」です。

蛾の成虫は、夜に明かりの周りを飛んでいたり、壁に張り付いていたりしているイメージが強いのですが、何を食べているのでしょうか。

蛾は蝶と同じく花の蜜や果汁を吸っているのですが、なかには成虫になると何も食べなくなるものもいます。幼虫のときに蓄えた養分で生きているためです。

 

一方、幼虫である毛虫や芋虫の食欲は旺盛です。基本的には植物食が多いのですが、さまざまな食性をもつものがいます。

虫や芋虫、蜂の巣、米などの穀物類、チョコレートなどのお菓子類、乾燥羽毛・獣毛を含む衣類などいろんなものを食べる種がいます。

蛾と蝶の違いとは?

ところで、蝶はきれいでかわいいけど、蛾はだいっきらいという人が多いですよね。

では、蛾と蝶の違いは何なのでしょうか?

 

蛾には、夜に飛ぶ夜行性、胴が長くて太い、羽の色が茶色っぽい、留まるときにベタッと羽を広げる、触角がとんがっているなどの特徴があるといわれています。

ただし、そのような特徴をもつものが多いというだけで、実際には蛾にも美しいものがいるし、必ずしも当てはまりません。

結局は蛾と蝶は分類学的には区別ができないということです。

部屋のなかにいる蛾の退治の仕方

蛾は見た目が気持ち悪いというだけでなく、毒があるのではないかと思われているところもあります。

確かにイラガやドクガなどの幼虫にはトゲトゲに毒をもつものもいますが、成虫に毒をもつものは一部のドクガだけです。

成虫が人に害を及ぼすことはほとんどないのですが、鱗粉を振りまいてバタバタ飛び回るのはいやですよね。退治の仕方をまとめてみました。

 

◆ハエたたきなどで叩く:身近にある新聞や雑誌を丸めて叩くというのがもっとも簡単な方法ですが、退治し終わったあとの死骸の処理が大変です。

 

◆明かりを利用して追い出す:明かりに集まる蛾の習性を利用して、室内を暗くし、外に電灯をおいてそちらに蛾をおびき出すという方法です。

 

◆殺虫剤を利用する:各種殺虫剤を利用する方法ですが、小さいお子さんやペットがいる場合には使い方に留意しましょう。

また、もがいてあばれ回って鱗粉をまきちらすこともあるので注意が必要です。

  • 蚊取り線香や蚊取りスプレー:蚊だけではなく、蛾にも有効です。
  • 一般の殺虫スプレー:ハエ用などでも有効です。
  • 蛾専用スプレー:蛾専用で蛾避けにもなる殺虫剤が市販されています。

 

◆掃除機で吸い取る:鱗粉をまきちらさずに蛾を吸い込むことができます。

ただし、吸い込んだあとのごみの処理がちょっと大変かもしれません。

家のなかに大量発生する蛾

蛾は外から1、2匹入り込むだけではなく、家の中で繁殖し大量発生する場合もあります。

 

◆イガ(衣蛾):体長5~8mm、繊維を食べる蛾です。

洗濯物についた蛾が卵を産みつけた可能性があります。

クローゼットや絨毯のあたりで飛んでいる小さい蛾は、家の中で生まれ育ったイガかもしれません。

 

→対処方法:産卵期である5~7月には、洗濯物はよくパタパタしてから取り込みましょう。

卵を産み付けている場合もあるので、タンスやクローゼットの中にもよく掃除機をかけ、衣類用防虫剤などを入れて衣類をしまってください。

 

◆メイガ(ノシメマダラメイガ):食品を食べる蛾です。米につく蛾として知られていますが、穀物類の他にも、乾燥果物、コーヒー豆、小麦粉類、野菜、チョコやクッキー、ペットフードなどいろいろな食品をエサにしています。

包装のビニール袋を食い破ったり、フタの合わせ目からも侵入したりします。

食品に混ざっても毒はないのですが口に入れることは避けたいですよね。

 

→対処方法:食品を放ったらかしにしないで、密閉し周囲をよく掃除しましょう。

米や粉類などの調味料もできるだけ冷蔵庫に保管するとよいでしょう。米びつ用の忌避剤などを活用するのもよい方法です。

玄関先の蛾の退治の仕方

夜帰宅すると玄関先に群がっている蛾はいやですよね。

◆センサー式ライトにする:人が近づいたときだけ点灯するようにする。

◆虫除け剤をスプレーする:市販されている虫除けスプレーをまいておく。

◆照明をLED電灯にする:光を好む蛾などの昆虫は紫外線に集まってくるので、ほとんど紫外線を含まないLED電灯に替える。

まとめ

米やお菓子など人間の食べ物や羽毛や獣毛など人間の衣類をエサにする蛾がいるとは驚きです。

確かに家の角に小さい蛾がいるのを見かけることがあります。

家の中で繁殖している可能性があるとは怖いですね。タンスやクローゼット、食品戸棚はしっかりと掃除をしなければ!

(ライター sensyu-k)