白い神秘的な雰囲気のするオオミズアオ。

幼虫を見たことがありますか?

オオミズアオの特徴と生態

オオミズアオはチョウ目ヤママユガ科に分類される蛾の一種です。

北海道から九州にかけて分布しています。

国外では朝鮮半島や中国、ロシア南東部に分布し、平地から高原まで生息しています。

大型の青白色をした蛾で成虫の前翅長歯80~120㎜程です。

 

前翅は三角形に尖り、後翅は後方に伸びて尾状になります。

前翅の前縁は緑色で、前翅と後翅にはそれぞれ通王に丸い斑紋が1個ずつあります。

触角は櫛歯状で、オスでははっきりとよく発達しています。

 

成体の出現時期は4~8月、初夏と夏の2回発生し、蛹で越冬します。

成虫の口が退化しているのでものを食べたり飲んだりすることが出来ず、繁殖の目的を達すると死んでいきます。寿命は1週間ほどです。

白くて透明感のある成虫の風貌から、綺麗な蛾の代表などと言われることもありるオオミズアオですが、苦手な人にとってはこの上ない嫌悪を感じる蛾でもあり、評価が分かれる蛾です。

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オオミズオアの幼虫

幼虫は緑色の芋虫で、節ごとに毛の束が少しだけ出ます。

モミジ、ウメ、サクラ、リンゴなどバラ科、ブナ科、カバノキ科ほか多くの樹木の葉を食べます。

サクラの歯を食べるので都心のビル街の街路樹などでも見かけることがあります。

 

全身が固く、棘のようなものが生えていて、ちくちくしますが、毒は持っていません。

たまに、ハリによってかぶれる人などもいるようですが、わずかの期間で治ります。

 

4~5回の脱皮を繰り返し、終齢幼虫になる頃には10㎝程の大きさになり、食欲もかなり旺盛になります。

この時に蓄えた栄養で成虫の時期を過ごすため、その食べ方は半端ないのです。

ヤママユガ科の特徴

オオミズアオの分類されるヤママユガ科は全世界に2300種の記載種が分布すると推測されます。

成虫は大型で、太い体と小さい頭部、羽毛のような鱗粉、ふくらみのある翅を持っているのが特徴。

口器は退化していて、羽化後は生食の為だけに活動し、飲まず食わずでその生涯を終えます。

 

オスは触覚が葉脈状に広がり、メスの放つ性フェロモンを検知します。

いくつかの種は翅に極彩色や半透明の目玉のように見える紋様があり、多くの種類は翅を広げた時に2.5~15㎝程の大きさになります。

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熱帯に生息するアトラスガ類は30㎝に達するものもいます。

日本においてヤママユガ科の蛾と言えば、年に複数回発生するのが一般的。

 

春・夏に孵化した個体はそのまま成長して秋に孵化した個体は幼虫や蛹の状態で越冬します。

メスは半透明のやや潰れた丸い卵を1体で200個ほど食草に産み付け、幼虫は4~6回の脱皮を経て終齢幼虫で5~10㎝程に生長します。

一部の種は集団生活を送り、多くの種は単独で生活します。

 

日本産の種をはじめ、大多数は無毒で北米産のポリフェマス・モスやルナ・モスなど一部の種には天敵が近づくと顎を鳴らして威嚇音を発するものがあります。

ほぼ大本食で、草本食はごく一部。

農産物に大被害をもたらす一方でアフリカ南部のモパネワームと言われる蛾のように人の食料として活用される種もあり、アフリカ全土で幼虫を昆虫食の対象としています。

オオミズアオは絶滅危惧種?

オオミズアオはなかなか見かけることの少ない蛾のひとつではありますが、絶滅危惧種には指定されていません。

似ている種類にオナガミズアオという蛾がいますが、こちらは準絶滅危惧種として指定されています。

 

両者の見分け方にはいくつかポイントがあり、前翅の先端が丸くなっているのはオオミズアオ、角ばっているのがオナガミズアオです。

後翅の目玉模様はオオミズアオが楕円形で、オナガミズアオは円形です。

また、触角はオオミズアオが黄色なのに対し、オナガミズアオは緑色をしています。

(ライター ナオ)

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