シマトリネコという植物を聞いたことがありますか?
いつまでも花が咲いているように見える比較的丈夫な樹木なのですが、そんなシマトリネコに悪さをする毛虫もいるようで・・・・。
今回はシマトリネコと毛虫のお話です。
シマトリネコの特徴
シマトリネコはモクセイ科トリネコ属に分類される植物の一種で、タイワンシオジともいわれています。
日本では沖縄県に分布し、他中国、台湾、フィリピンからインドに分布しています。
雌雄別株で、花期は5~6月頃で大きな花序に小さい花を多数つけます。
庭木や公園木、鉢植えなどにされますが、もともとは亜熱帯地域の植物なので越冬するためには関東以南くらいの暖かさがないと困難です。
丈夫で病害虫も比較的少ないことや、洋風、和風の庭のどちらにも似合うことから近年庭木としての人気が高まっています。
また、カブトムシが集まる木としても知られていますが、カブトムシはシマトリネコを食害します。
シマトリネコの栽培
シマトリネコは庭などに植えると10mをも超す大木になる場合もあります。
生長が早く、常緑なので観葉植物として室内で栽培する人も多く、また小さめの鉢植えで楽しむ人もいます。
管理のポイントは水やりと肥料。
4~9月は鉢の上の表面が乾燥しきる前に水やりをし、10~3月は鉢の上の表面が乾燥してきたら水やりをします。
土の表面が白っぽくなりはじめたらハチの底から流れ出るくらいたっぷりと水を与えてください。
鉢の状態で購入した場合は、最初から土に肥料が混ぜられていることが多くのでしばらくは肥料はいりません。
肥料をあたえる時は4~10月に追肥を擦るようにします。
緩効性の化学肥料を2ヶ月に1回の頻度で鉢の縁に置くようにします。
液体肥料を利用する場合は10日に1回の頻度で水やりと合わせて上げると良いようです。
シマトリネコの害虫
丈夫なシマトリネコですが、ハダニ、ハマキムシ、スズメガの幼虫などが葉を食害することはあるようです。
ハマキムシやスズメガの幼虫はイモムシですので、毛虫ということになるとチャドクガの可能性があります。
ドクガの幼虫は基本的にはツバキ科の植物の葉を食害するのですが、シマトリネコの近くにツバキ科の植物が植えてある場合などは、シマトリネコも被害に合う可能性は大です。
また、シマケンモンの幼虫がシマトリネコを食害するという報告もあるようです。
チャドクガもシマケンモンも薬剤による駆除が可能ですし、数が少ないうちに発見したら、捕殺してしまうのも有効です。
チャドクガの幼虫の特徴と生態
本州以南の日本各地に生息しているチャドクガ。
毛虫は4~10月にかけて2回ほど発生します。
淡黄褐色で体長は25㎜程度。チャノキやツバキ、サザンカなどのツバキ科の植物の葉を食害することでも知られています。
数十匹が頭をそろえて集団で葉を食べ、食いつくすと集団で移動していきます。
刺激を与えると、幼虫たちはいっせいに顔を上げ、頭を揺らす行動をとるのですが、これは敵に自分たちの存在を大きく見せる効果があり、同時に体を揺らすことで棘を飛ばして攻撃をしているのだとか。
6齢までは集団で行動し、その後分散していきます。
2齢虫以降に毒を持つと言われる毛は0.1~0.2㎜程の長さでヒスタミン等の物質を持っています。
成長と共に毒針毛は増加していき、体表の黒色隆起部分には毒針毛を含んだ毛が含まれ、蛹になる直前の幼虫では毒針毛は50万本にまでなっていると考えられています。
幼虫の体から抜けやすくなっている為、人間の体や皮膚に付着することも多く、毛に小さな棘のようなものがついている為、一度付着すると抜けにくいのも特徴です。
(ライター ナオ)