グリズリーとは学名でいうとハイイログマで、ヒグマに似たクマです。
そのグリズリーの強さと言ったら、とてつもなく、人間の頭を軽くたたいただけで、スイカ割りのように半分に割れてしまうほど・・・・・南無阿弥陀仏。
グリズリーの特徴
グリズリーは食肉目イヌ亜目クマ科ハイイロクマ亜種に分類され、北アメリカに生息する大型動物。
現在はアラスカ州、アメリカ合衆国北西部、カナダ西部に分布が限られていて、日本に生息するエゾヒグマとは近縁に当たります。
体長もヒグマに近く、平均するとオスは260kg、メスは170kgほど。
肩のこぶが発達して盛り上がっているので、よりごつく、大きく見えます。
イエローストーン国立公園内ではオオカミの群れと並んで生態系の頂点に位置し、季節によってはヘラジカ、トナカイ、アメリカアカシア、アメリカバイソンなどの草食獣やその死体、サケ、 マス、バスなどの魚類、松の実やベリーなどの植物、昆虫など何でも食べる雑食性。
アメリカクロクマを捕食することがあり、オオカミから獲物を奪うことも多いグリズリーは時速50㎞ほどで走ることが出来ます。
泳ぎも得意で、木登りについては若い個体は得意ですが、成獣は体重が増加するのでほとんど登らなくなります。
人間とグリズリーの関係
北米西部の開拓の歴史はグリズリーの生息域の開拓の歴史でもあります。
日本においては動物学者のシートンの著書を通して知られるようになりました。
生け捕りにしたグリズリーを見世物として他の動物と戦わせることが盛んに行われ、闘牛用のオス牛と闘わせたり、ライオンと闘わせた記録が残っています。
現在、亜種全体としてはアメリカでは絶滅危惧種に指定され、カナダでも特別懸念に指定されています。
アメリカでは絶滅危惧種に指定され、保護されるようになってからハイイログマの個体群数は回復の傾向にありますが、拡大する住宅地やイエローストーン国立公園などでの観光客との接触や交通事故等は後を絶たず、共存は容易ではないとみられています。
世界最大のグリズリー
今から100年以上前のコロラドで、悪名高いグリズリーがついに射殺されました。
このグリズリーは35年もの間、800頭以上のウシを殺し、5人のハンターが命を失っています。
内蔵を取り除いてからの体重は397kg、毛皮は長さ315m、幅290mだったそう。
1923年の夏には、ワシントン州で僅か数週間に35頭の牛と150頭の羊がグリズリーによって殺されました。
牧場主たちはハンターを雇って退治することに成功したのですが、このクマは何と体重が500kg以上あったのだそう。
この時の記録が、現在のグリズリーの最大体重になっています。
グリズリーのあれこれ
2006年にカナダの北極圏でグリズリーとホッキョクグマの雑種が発見されました。
動物園では既に誕生していたものの、自然界においては存在しない生き物ではないかと考えられていたので、かなりの衝撃を与えました。
グリズリーは陸上で生活、繁殖する傾向があり、ホッキョクグマは水中や氷上で生活し、繁殖します。
通常で考えれば、生活圏が交わる種類ではなく、生態的な地位も異なります。
しかし、近年の地球温暖化に伴いホッキョクグマが彼らのもともとの生息域で狩りをすることが出来なくなり、内陸に入り込んできているのではないかと言われているのです。
実は2006年以前にもグリズリーとホッキョクグマの雑種に関しては存在が報告されていました。
しかし、遺伝的に証明されたのは今回が初めてなのだそう。
ちなみに北アメリカでは内陸に棲むハイイログマをグリズリーと呼び、沿岸にすむハイイログマをヒグマなどと呼び分けているらしい。
ちょっと紛らわしいが実際の所は明確な基準はないと言われています。
(ライター ナオ)