ウスバカゲロウという儚げなトンボを見たことがありますか?

トンボよりも更に原始的な構造をしているウスバカゲロウ。

今回はそんなウスバカゲロウの生態や寿命について詳しくお話ししていきます。

ウスバカゲロウの特徴

ウスバカゲロウはアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科の一種です。

前翅の長さは4㎝前後、頭部は光沢のある黒色をしており、胸部の背側は黒で腹側は黄色、隆起した後頭中央接合部は陥没して黄色です。

 

触角は黒色で翅は透明でやや幅比億、縁紋は黄白色をしています。

翅脈は黄褐色ないし褐色です。

 

卵から幼虫、蛹、成虫という完全変態をします。

成虫の体はトンボによく似ていますが、細長い体、丸い頭と細長い翅を背中に伏せてたたみ、頭と複眼はトンボよりも小さく、触角が短く太いことで区別できます。

また、飛び方もひらひらと舞うように飛ぶので、トンボのような器用な飛び方ではありません。

ウスバカゲロウの生態

ウスバカゲロウの生息地は北海道、本州、四国、九州、沖縄で、草むらや平地で見ることが出来ます。

エサはアリや蛾などの小昆虫類で、天敵は昆虫類や爬虫類、鳥類などです。

 

6~9月にかけて成虫がよく見られすが、寿命は短く3週間から1か月ほど。

ウスバカゲロウの幼虫は皆さんもよくご存知のアリ地獄。

アリジゴクは地面にすり鉢状の巣を作り、巣に落ちてきた獲物を捕らえて食べてしまいます。

巣は乾燥して細かい砂が多い場所に作られます。家の軒下や神社の寺の軒下など。

 

大きな顎が特徴的で、胴体部分は大きく膨らみます。

後ろ向きにしか進めないというのが最大の特徴で、エサはアリをはじめダンゴムシなどの小さな昆虫です。

 

巣に落ちてきた獲物には砂をかけて落とし、大あごで捕まえた後は消化液である毒液を注入して体液を吸い、吸い終わるの巣の外へ放り出します。

糞の形での排泄は一切しませんが、尿は排泄します。

 

アリ地獄の腹部には幼虫時代に溜め込んだエサの残骸、つまり糞が溜め込んであると言われています。

幼虫時代のアリジゴグの寿命は成虫に比べるととても長く、1~3年程だと言われています。

 

幼虫期間はエサの摂取量によって異なり、たくさんエサを食べれば、それだけ成熟も早く、早く成虫になりますが、エサにありつけない期間が長ければ成熟も遅くなります。

アリジゴクは1か月の絶食にも耐えうるタフな特徴を持っているので、このような幼虫期間が送れるのでしょう。

アリジゴクとウスバカゲロウの飼育

ウスバカゲロウの寿命はとても短く、虫かごなどで飼ってもすぐに死んでしまいます。

その点、アリジゴクは長い期間飼育することが出来るうえに、飼育もとても簡単なのでアリジゴクの様子もよく観察できます。

飼育用の砂はアリジゴクを捕まえた場所の砂を使うようにします。

 

容器はペットボトルでも大丈夫。プラスチックの虫かごがある人はそれを使いましょう。

砂は10㎝くらいの深さで敷き詰め、そこにアリジゴクを入れます。

 

飼育ケースは静かで人気のない場所に置くようにしましょう。

しばらくするとアリジゴクが巣を作りはじめたら、アリやダンゴムシなどを捕まえてきて時々エサをあげます。

 

アリジゴクが自分でエサの殻を巣の外に放出したら、それをとって処分します。

長期的に飼育する場合は、アリよりもダンゴムシや蛾の幼虫などのように体液がたっぷり含まれている昆虫の方が良いようです。

 

巣穴を掘らなくなったり、エサを与えても食べなくなったと思ったら繭を作っている可能性があります。。

ケースをゆすって砂を動かし、繭の存在を確認します。

繭から成虫になるは梅雨の時期っ前後、しかも羽化はおおむね夜に行われます。

(ライター ナオ)