皆さんはウスバカゲロウと言う昆虫をご存知ですか?
ウスバカゲロウだけ聞くとあまり聞きなれないので分からない方も多いと思いますが「アリ地獄」を知っている方は多いですよね?
この一度入ると抜け出せないアリ地獄を作っているのが、ウスバカゲロウの幼虫なんです。
今回はそんなウスバカゲロウの生態や特長について紹介していきたいと思います。
ウスバカゲロウとは一体どんな昆虫?~生態・特長について~
まず名前の由来からですが、羽が透明であることと、光が当たった時に輝く陽炎のように見える事からこの名が付けられたそうです。
英名では、アリ地獄を作る事から「Ant lion(アリのライオン)」と言われています。
地方によっては「極楽とんぼ」や「神様トンボ」と言われたりしています。
ウスバカゲロウの生態は、アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科に属する昆虫です。
生息地は日本全土で、外国では朝鮮・台湾・中国などにも広く分布しています。
完全変態で卵⇒幼虫⇒蛹⇒成虫という過程で成長していきます。
体長は35mmほどあり、主に薄暗い林内で生活しています。
パッと見た感じはトンボにそっくりで、細長い体に丸い頭、そして細長く透明な茶褐色の羽を持っています。
何かに止まっているときは羽を畳んでいますが、羽を広げると75mm~83mmくらいの大きさになります。
触角が長く、目が大きく左右に分かれており、飛び方は弱弱しくヒラヒラと飛ぶのが特徴です。
ウスバカゲロウの成虫になってからの平均寿命は1ヵ月くらいです。
ウスバカゲロウになる前はアリジゴク!~ウスバカゲロウの雑学~
ウスバカゲロウの一部はアリジゴクと言われています。
さらさらした砂地などに鉢状の穴を掘って巣作りをし、巣に落ちて来た獲物に大顎を使って砂を浴びせかけて穴の中心部に獲物を落として捕まえる、恐ろしい捕獲の方法を使います。
一度入ったら抜け出せないとよく言いますが、確かにこんな捕獲のされ方では2度と這い上がって来れないですよね…。
捕まえた獲物には、消化液を注入して分解したうえで口を使って吸い上げるんだそうです。
この消化液には毒も含まれているようで、注入された獲物は黒く変色して死んでしまうんだとか。
この毒は、フグが持っているテトロドトキシンと言う毒より130倍強いと言われています。
アリジゴクの生命力は非常に強く、1ヵ月以上食べたり飲んだりしなくても平気で生き続ける事が出来るそうです。
アリジゴクは幼虫になり初めの頃は前進する事も出来るので自ら獲物を捕まえに行く事もあるそうです。
しかし、日が経つにつれ後進しかできないようになるので、地獄の穴を作って獲物を待ち伏せするようになります。
そして、幼虫の間は肛門が退化しているため、成虫になったときに幼虫時代に溜めこんでいた糞を出すそうです。
尿もしないとされていたそうですが、尿はしているという新しい発見があったようです。
ウスバカゲロウ類の成虫は、水だけを摂取して生きると言われたりしていますが実は肉食で、成虫になってからも昆虫などを捕獲し、消化液を獲物に注入して摂取しているそうです。
ちなみに人間には刺したり噛んだりはしてこないので安心して下さいね。
ウスバカゲロウやアリジゴクについては、まだまだ謎に満ちた部分が沢山あるのでもし興味がある方は、アリジゴクを探して観察してみて下さい!
また新たな発見が見つかるかもしれませんよ!
ウスバカゲロウについてのまとめ
今回はウスバカゲロウについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
ウスバカゲロウは調べれば調べるほど興味深い生態を持っている昆虫でした。
皆さんも図鑑などで調べてみてくださいね。
ライターMISAKI