みなさんは「カゲロウ」という虫をご存知ですか?
この虫、寿命が短い虫として有名なんです。
名前からして、とても儚げですよね。
一体どんな虫なのか、生態や寿命など様々な観点から見ていきたいと思います。
カゲロウの生態
カゲロウはカゲロウ目に属する昆虫の総称で、大きさは1.5cm以下のものがほとんど。
体は柔らかくとても軟弱で、人間がちょっとつまんだだけでお亡くなりになってしまうことも…。
その弱々しく儚げな姿が、名前の由来になっているとも言われています。
光によって空気がゆらゆらと揺らめく現象のことを「陽炎」と言いますが、その不安定で儚いイメージとカゲロウを照らし合わせたのではないでしょうか。
幼虫は水生で、比較的綺麗な川や湖沼などに生息。
「アリジゴク」で有名なウスバカゲロウなどは、名前にカゲロウとついていますが違う種です。
カゲロウの幼虫の姿は翅がないこと以外はほぼ成虫と同じで、種類によっては10回~40回もの脱皮を経て羽化します。
カゲロウは蛹にならない「不完全変態」を行いますが、羽化してすぐ成虫になるわけではありません。
不完全変態の中でも更に特殊な「亜成虫」という時期を経る「半変態」と呼ばれる特殊な変態を行うのです。
亜成虫は別の場所へと飛び立った後、更に脱皮を行って真の成虫となるのですが、翅が伸びた後に脱皮する昆虫はカゲロウのみなんですよ。
亜成虫と成虫にあまり大きな違いはないようですが、翅が不透明な事や生殖機能がないことなどが異なる点のようです。
カゲロウの寿命は?
カゲロウは見た目の儚さもさることながら、寿命までもがとても短いのです。
どのくらい短いのかというと…
なんと成虫になってからの寿命はたったの「1日」。
長くても1週間。
種類によっては成虫になってから数時間しか生きられないものもいるそうです。
その短期間でパートナーを見つけて繁殖しなくてはいけないわけですから、余計なことをしている時間はないですよね。
そのため成虫は口が退化しており、繁殖以外の行動はせず、繁殖を終えると死んでしまうのです。
寿命が短くて可哀そう…と思ってしまいそうですが、じつは幼虫時代を含めると、そんなに短いこともないんですよ。
幼虫期間は1年程あるので、成虫になってすぐに死んでしまうとしても、それなりに十分な期間を生きていることになります。
害虫なのか?人間との関わりは
前述したとおり、成虫となったカゲロウには口がないので、作物を荒らしたりする害虫として扱われることはありません。
ちょっと見た目が気持ち悪い…という点以外は多くの場合、無害です。
ただ、カゲロウの仲間の中には大量発生するものもいて、その際には視界が遮られるほどカゲロウだらけになったりします。
そうなると、交通障害や交通事故を引き起こす原因にもなってしまうため、注意が必要。
でも、大量発生するのはきっと短時間で効率よく子孫を残せるようにするため。
それぞれがバラバラの時期に成虫になっていたのでは、パートナーと出会える前に死んでしまいます。
そう思うとちょっとの間くらい大目に見てあげようという気にもなってきますね。
また、河川や湖沼での「指標生物」として利用されることもよくあり、そういった意味ではとても人間の役に立っている虫だと言えるでしょう。
釣り餌として使われることもあるそうです。
カゲロウについてのまとめ
カゲロウの大量発生、動画などで見るとまるで雪のようで美しくすらありますが、実際にあの中に飛び込む勇気はないですね。
しかも生きている間はまだいいですが、後片付けをするのも大変そうです…。
道路に1cm以上積もることもあるらしく、それを踏んだ車がスリップする危険もあるんだとか。
(ライター もんぷち)