ミニバラは、バラ科・バラ属のバラの一種、園芸で人気の花です。
別名を姫バラ、ミニチュア・ローズ、なかにはパティオ・ローズやマイクロ・ミニといった名前をもつ品種もあります。
ここでは、そんなミニバラの病気について紹介します。
ミニバラの生態
バラは、その樹のかたちから「木立ち性(ブッシュ・ローズまたは木バラ)」、「半つる性(シュラブ・ローズ)」、「つる性(つるバラまたはクライミング・ローズ)」の3タイプに分けられます。
ミニバラは、「木立ち性」のバラで、ロサ・キネンシス‘ミニマ’(チャイナ系オールドローズ)の小型の性質を受け継ぐ品種です。
ミニバラの病気
ミニバラがかかる病気は、おもに以下の3つです。
黒星病
発生時期は、5月~7月と9月~11月です。
黒星病は、糸状菌(カビ)が原因で発生するミニバラの主要病害のひとつです。
ミニバラの葉に黒褐色でシミ状の斑点が現れます。バラ科特有の病気で、枝には暗黒色の病斑ができて、葉がしだいに黄変して落葉します。
雨や風のはね返りで周囲に伝染するため、雨が多いと発病が多くなります。
梅雨と秋の長雨時期は特に多発し、被害が進むと次々に落葉します。
病斑のある落ち葉を処分しないで放置しておくと、病原菌が再び増殖し周囲に感染する場合があります。
黒星病は、日照不足でミニバラが軟弱に育つと発生しやすいので、日当たりの良い環境で、窒素肥料を過剰に与えずに育てることで防げます。
感染したミニバラの被害部位と落ち葉は、すぐに取り除いてください。
水やりの際には、泥ハネで感染することもあるので、水やりは株元にしずかに与えます。
被害が進んでからの回復は難しいので、発生したらすぐに殺菌剤を葉裏や株のすみずみにムラなく散布します。
異なる複数の薬剤を、ローテーションで散布すると再発しにくくなります。
うどんこ病
発生時期は、5月~11月です。
ミニバラの新芽や葉、つぼみなどに小麦粉をまぶしたようなカビが生えます。
多くの植物が感染する代表的な病害で、被害が進むと葉の全体が白いカビで覆われることもあります。
この病気が多発すると光合成が阻害され、生長が妨げられます。糸状菌(カビ)が原因で、一度発症すると空気感染で広がります。
初夏や秋口に雨が少なく曇天が続くと発症しやすくなり、夏の高温期は逆に少なくなります。
また、比較的気温が冷涼で、雨が少なく乾燥すると発症します。
さらには、窒素肥料のやりすぎで枝葉が茂りすぎたり、密植して日当たりや風通しが悪い環境でも発症しやすくなります。
ミニバラが密植すると発生しやすいので、枝葉が茂りすぎたら、枝を整理して日当たりや風通しをよくします。
被害を受けた葉や落ち葉は早めに除去して、伝染源を絶つようにします。また、窒素肥料は一度に過剰に与えないよう注意します。
そうすることで発生を防ぐことができます。
なお、発生したらすぐに、適した殺菌剤をミニバラの葉裏や幹に、まんべんなく散布します。
ただし、同じ殺菌剤を続けて使うと利きにくくなるので、複数の薬剤をローテーションで使うとよいでしょう。
灰色かび病(ボトリチス病)
発生時期は、4月~11月です。
灰色かび病は、ミニバラの花びらに小さなシミのような斑点がつく病気です。
症状が進むと、ねずみ色のカビで覆われます。
20℃ぐらいの温度と多湿を好むため、梅雨時に多発します。
また、水や肥料などの管理不足で、植物が弱ると発病しやすくなります。
開花後の花ガラを放置すると、腐敗して病原菌が増殖し、伝染源になります。
なお、庭に落ちた病原菌は、被害部分とともに土中で越冬し翌春、胞子が周囲に飛散して伝染します。
ようするにタチの悪い病気です。
予防はミニバラの密植は避けて、日当たりや風通しをよくすることで、窒素肥料は一度に多く与えすぎないよう注意します。
発病したミニバラの花やカビが生えた茎や葉は、放置しないでこまめに取り除きます。
ミニバラのまとめ
以上、ミニバラの病気についていかがでしたか?
ミニバラの病気については、できれば薬剤を使わずに対処するのが理想ですが、その前にまずは予防です。
予防のポイントは、病気の株を持ちこまないことです。
ミニバラを購入するときは、よく確認をして、適した場所に植えるよう心がけてください。
(ライター ジュン)