ジャノメエリカという名前の植物をご存知でしょうか。
今回はジャノメエリカについて詳しくお話します。
ジャノメエリカの特徴
ジャノメエリカは南アフリカ原産の常緑低木です。
ツツジ科エリカ属に分類されます。
エリカ属とは大部分が南アフリカの原産で、700種類程あると言われ、残りの70種類程度がアフリカの他の地域や地中海、ヨーロッパが原産です。
日本では鉢物として40種、50品種ほどが流通し、開花時期や花の色、花の形など実に変化に富んでいて、ジャノメエリカはその中でも最もポピュラーな品種のひとつです。
自生地の南アフリカは夏は乾燥し、冬は穏やかで湿潤という日本とは正反対の環境です。
ジャノメエリカの花
ジャノメエリカの花の時期は11~4月で、冬に花を咲かせます。
花の色は赤やピンク、紫、白、黄色など様々ですが、レッドクイーンと言われる濃い目のピンクの園芸種が多く栽培されていて、これは4㎜ほどのツボ型の花を咲かせます。
一か所からいくつも房のように花が垂れ下がり、全体的に沢山花をつけるので、一つ一つの花は小さいのですが、植物全体を覆うようにこんもりと咲くので、見た目のインパクトは大です。
名前の蛇の目は、花の中の黒い花粉袋と呼ばれるところが蛇の目にみえることからついた名前。
ジャノメエリカの栽培方法
植物自体は丈夫で育てやすく、-5℃位まで耐えることが出来るのですが、この条件を満たすように管理しなければ上手く育てることはできません。
しかし、一度栽培条件をクリアしてしまえば、放っておくと2mにまで大きくなる植物でもあります。
園芸店などでは11月頃になると鉢植えが販売されるようになります。
地植えでは冬の環境をクリアできない地域が多く、鉢植えで栽培するのが一般的ですが、地植えする場合は日当たりが良く、冬でも北風が当たらないような場所を選んで植えましょう。
土は酸性の土壌を好むので、苦土石灰などを混ぜる必要はありません。
移植が難しいので、しっかりと場所を吟味してから植えるのがポイントです。
鉢植えの場合は鹿沼土を主体にバーク堆肥を2割ほど混ぜたものを使います。
植え替えは2年に1度程度で、根鉢を崩さないように一回り大きい鉢に植えるようにします。
剪定はあまり必要ありませんが、好みの形にしたい時や大きくなりすぎるような時は花が終わった時期に切り戻しをしてあげましょう。
過肥は嫌うので、肥料を与える時は緩効性の化学肥料を一握り2~3月と5~6月に一握りばら撒きする程度。
4~9月にはツツジバイムシという害虫が発生することがあるので、4~9月はスミチオン乳剤1000倍液を散布して防除します。
ジャノメエリカの花言葉
ジャノメエリカの花言葉は「幸運」です。
エリカ属の花の一般的な花言葉は、荒野に咲く花のイメージから、「孤独」や「寂しさ」、「裏切り」といったものですが、誰かにはエリカの花をプレゼントする時は特定の種類や色とを選び、良い意味の花言葉と一緒に送ると良いでしょう。
白色のエリかは「幸せな愛」、紫色のエリかは「閑静」、スズランエリカは「幸せな愛」、エリカ・クリスマスパレードは「博愛」です。
エリカの伝説
フランスにはエリカの関する伝説があります。
昔、キリスト教の武装布教団とスコットランドの先住民が戦った時、破れた先住民側のビール職人の親子が拘束。
不教団側はこの親子にエリカを用いたヒースビールの作り方を教えるように迫ったそうです。
しかし、ビール職人の親子は決して口を割らず、とうとう子供の方が見せしめとして殺されてしまい、
父親の方も口を割らずにそのビールは永遠に失われてしまったのだそう。
ヒースビールはエリカの新芽と麦芽を使って作られたビールだったのだそうですが、実は幻覚作用を引き起こすほどの麻薬効果がある危険なビールでもあったのだとか・・・。
エリカはそんなエピソードをもつ花でもあるみたいです。
(ライター ナオ)