バラは好きだけれど、庭で本格的にアーチを作ったりガーデニングをするのは大変そう…と思っている人も多いかもしれません。
そんな人におすすめなのが「ミニバラ」。
植木鉢やプランターで育てられますし、小さいながらも普通のバラと同じように美しく良い香りもします。
今回はそんなミニバラについて、生態や剪定の仕方などをまとめてみました。
ミニバラの由来
みなさん、ミニサイズのバラだからミニバラ…だと思っていませんか?
確かにミニバラは小さいものが主流で、大抵のものは大きくても樹高30㎝ほどですが…じつは近年では品種改良により様々な大きさのものが登場しているのです。
例えば、基本的にミニバラは木立性のものがほとんどですが、品種改良により生まれた「つる性」のものは、枝が2mに達するものも。
花も通常は1㎝~3㎝ほどですが、中には5~6㎝もある中輪の花を咲かせる品種もあるのです。
枝が2mもあったり花が6㎝もあるなんて、全然ミニじゃないですよね。
でも、これらもれっきとした「ミニバラ」なんです。
じつは、ミニバラの「ミニ」は「ロサ・キネンシス・ミニマ」からとったもの。
ロサ・キネンシス・ミニマは、ロサ・キネンシスという品種から突然変異で生まれた小さなバラのことで、このミニマを品種改良して生まれたのが現在の「ミニバラ」なのです。
つまり、ミニバラというのはロサ・キネンシス・ミニマの流れを汲む品種全般のことであり、例え枝が2mあろうと花が6㎝あろうと、ミニマから生まれたものはミニバラ!
…とはいえ、世間一般的には小さいバラのことを総称して「ミニバラ」と呼ぶことが多いのでしょう。
普通に大きくなる品種に、薬を使って成長を止めているものがミニバラと称して売られていることもあります。
これは薬が切れるとすくすくと育つので、「思ったよりも大きくなった!」とビックリする人もいるようです。
ミニバラの生態
ミニバラは日当たりの良い場所を好みます。
ただし、強い直射日光が当たると葉が枯れてしまうので、真夏には涼しい日陰になるような場所で管理するのがいいでしょう。
水は土の表面が乾いたらたっぷりと与えるようにします。
ただし、涼しい時期の夜間だったり、水を与えすぎたりすると根腐れを起こす場合も。
夏は朝夕2回、春秋は午前中、冬は日中の暖かい時間を目安に水を与えてください。
また、病気や害虫にとても弱いので、殺虫剤や殺菌剤などを駆使して守ってあげましょう。
本当にバラ全般は虫がつきやすくて…。
我が家で育てていたミニバラも、家の中(窓辺)だと安心していたら、気付いた時にはアブラムシがうじゃうじゃ。
放っておくとあっという間に枯れるか丸裸にされてしまうので、「薬なんて…」と躊躇せずに、しっかりと対応してください。
ミニバラの剪定
「そんなに大きくならないのだから、別に剪定なんてしなくても…」と思ってる人も多いかもしれませんが、剪定はとても大切な作業です。
剪定をすることで、次の花や新芽の生長を促すことができ、丈夫な株が育ちます。
特にミニバラはこまめな剪定をすると、より美しい姿を楽しむことができるので、日々の水やりと同じように日常的な管理の一環として習慣づけてしまいましょう。
まずは、生長期に行う弱剪定(日々のお手入れ)。
春から夏にかけて最初の花が咲き終わったら、次の開花を促すために剪定をします。
花芽がつく5枚葉の少し上あたりを切り落としていきましょう。
そして秋になると、2回目の剪定を行うのですが…この時、もう寒くなり始めていたら、冬の剪定に耐える体力をつけるために早めに花を切ってしまってください。
冬の休眠期に入ると、いよいよ強剪定を行います。
全体を半分ほどの高さになるくらいまで切り落とし、ほぼ葉が残っていない状態まで剪定してください。
「こんな丸裸にしてしまって大丈夫!?」と思われるかもしれませんが、こうすることで無駄な栄養を使わずに済み、春に新しい枝や葉を出すための栄養を蓄えることができるのです。
ミニバラについてのまとめ
ミニバラはスーパーのちょっとした鉢植えコーナーなどでも売られているほど、身近な花です。
なんとなくバラを本格的に育てるよりは簡単そう!というイメージがありますが、栽培の難易度はバラと同じく高めで上級者向け。
美しい姿を楽しむためには、定期的な剪定、虫や病気などの徹底的な予防・対策など、手間をかけてあげなくてはなりません。
しかし、手をかければかけるほど、美しく花が咲いた時の喜びもひとしおです。
(ライター もんぷち)