ボケという植物を見たことがありますか?

今回は植物の、ボケのお話。

ボケの特徴

ボケはバラ科ボケ属の落葉低木で、一般に園芸品種として栽培されているものは中国原産のボケと日本原産のクサボケを掛け合わせたもの。

庭木や鉢植え、生け垣、盆栽などに広く利用されています。

 

原産は中国大陸で、日本では本州から四国、九州にかけて植栽されたり、自生していたりします。

温暖地でよく育ち、北海道南部では種類が限定されます。

 

樹高は1~2mほどになり、若枝は褐色の毛がついています。

古くなると灰黒色で樹皮は縦に浅く裂け、小枝はトゲになります。

葉は長楕円形や楕円形で、長さは5~9㎝、基部はクサビ形をしています。

ボケの花と実

ボケの花は3~4月に開花します。

葉よりも先に開き、短枝の脇に数個、2.5~3.5㎝程の径で色は基本的には淡紅ですが白や白と紅の斑などもあります。

 

日本古来のクサボケは、花の後には直径3~5㎝ほどの実をつけ、黄色く色づくと芳香剤やお酒、ジャムなどに活用されます。

カリンと同様に良い香りが人気ですが、近年は減少傾向にあります。

ボケの栽培

ボケは一年を通して日当たりと風通しの良い場所で育てます。

日本の気候によく適した植物なので、夏や冬の気候も特に問題にはなりません。

 

冬に鉢植えを室内で観賞する場合は日のよく当たる窓際に置くようにします。

水切れに大変弱い性質があるので、地植えの場合は根付くまでの間、真夏と冬に乾燥する場合に水やりを行います。

鉢植えの場合は特に水切れしやすいので、注意が必要です。

 

鉢植えの表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えましょう。

特に夏場は乾きやすいので油断しないように気をつけます。

 

肥料は地植えの場合は1月頃に油粕を、鉢植えの場合は花の終わった直後の6月戸9月にそれぞれ1回ずつ計3回、粒状の化成肥料や油粕と骨粉を混ぜたものを施します。

植え替えは地植えの場合は必要ありません。鉢植えの場合は鉢の中が根でいっぱいになるので、1~2年に1回の植え替えが必要です。

 

9~10月に行うのがベストで、周りの土を半分くらい落として、古い根を1/3ほど切り詰めてから一回り大きな鉢に植え替えます。

植え替え後は水をたっぷりと与え、落ち着くまで2週間は直射日光の当たらない場所で管理します。

 

苗を購入して庭に植え付けをする場合、適期は10~11月、2~3月です。

ボケは根頭がん腫という一度かかると治らない病気にかかりやすい樹木です。

 

原因は土の中にいる菌なのですが、植え付けは菌の動きが活発になる前に十分に根をのばさせる時期ということになります。

ボケを増やす時には挿し木や根ふせで増やすことが出来ます。

 

適期はいずれの方法も9~10月です。

挿し木は枝先を10㎝程の長さに切り取って、切り口を斜めに切り、水につけて1時間ほど吸収させてから赤玉土を入れた鉢にさします。

 

根布施は植え替えする時に太めの根を5~10㎝くらいの長さに切り、赤玉土の上に横に寝かせて、その上に隠れる程度の覆土をし、日陰で管理します。

短い枝が沢山出て込み合ってくると日当たりも風通しも悪くなります。

 

大きく生長したボケは11~12月にかけて枝を切ります。

枝を切るときには、花芽を切り落とさないことと、葉芽はすべて切り落とさずにいくらか残しておくこと、が必要になります。

花芽を落としてしまってはもちろん花は咲きませんし、実もなりません。

 

葉芽も全部切り落としてしまうと、植物全体が枯れてしまいます。

伸びすぎた枝や細くて弱々しい枝は切り落としてしまって構いませんが、それ以外の枝は葉芽を3芽ほど残して上を切るようにしましょう。

花芽の方は丸みのある形をしていて、葉芽は少し尖った形をしているので、区別がつきやすいので安心です。

(ライター ナオ)