カンガルーポーというなんだか面白い響きをした名前の植物をご存知でしょうか?

切り花のアクセントやドライフラワーとしても使われることの多い、カンガルーポーについて詳しくお話していきます。

カンガルーポーの特徴

カンガルーポーはハエモドルム科アニゴザントス属に分類される植物で、オーストラリア南西部を中心に約11種類が分布しています。

西オーストラリアの州の花でもあり、1971年に花材として日本に輸入されました。

草丈は種によって違っていて30~100㎝、日本では50~90㎝程度の園芸品種が鉢植えとして出回っています。

カンガルーポーの花

カンガルーポーの花は毎年花を咲かせます。

地際からアヤメに似た細長い葉を出し、花茎を長く直立させて先端に10~20個の毛の生えた花をつけます。

花茎葉1本立ちと枝分かれしているものがあり、花色は赤、ピンク、黄色、グリーン、オレンジなどで鮮やかなツートンカラーになるものもあり、開花時期は春~初夏ですが、秋に咲くものもあります。

 

先端の開いた筒状の花は表面に細かい毛がびっしりと生え、その姿がカンガルーの脚に似ていることから名前がついたと言われているようです。

カンガルーのポー、ポーとはpawと牡蠣、爪のある足という意味があります。

ちなみに、別名はオーストラリアン・スウォードリリーで正式名称はアニゴザントスと言います。

カンガルーポーの種類

アニゴザントス・マングレシーは花茎の上の方から花のつけ根の辺りが赤く、花は緑色をしています。

花はコントラストが強く、大輪種で枝分かれはしません。

 

アニゴザントス・フラビダスは草丈が1m以上で、小輪多花性で、よく枝分かれします。

いくつもの園芸品種が育成されていて、花は各色があります。

ジョーイ・メルボルンシリーズはオーストラリアで育成された品種で、花の色は橙色、黄色、白色などがあり、コンパクトな草姿で花立ちが多いのが特徴です。

カンガルーポーの栽培

カンガルーポーは日照が多く、温暖で乾燥した気候を好みます。

自生地は雨が少ない砂地のようなところなので、夜露はありますが、空気は乾燥しています。

また、地中深い所に水分があり、根が深く張っていて、冬の低温と夏の多湿が問題となって雨の当たらないハウス栽培が中心です。

 

生育期間は開花には十分な水分を必要とします。

特に春の蕾がつく時期に乾燥すると、花が開かずに終わってしまいますので、梅雨期からは多湿にならないように乾かし気味にしておきましょう。

葉に水がかかってしまうと病気になりやすいので、株元にそっと注ぐようにして与えます。

 

秋から開花期までは月1回の置き肥、また、月3回くらいの液体肥料を施します。

株を太らせて十分に生育させることが花をたくさん咲かせるポイントになります。

あまり多く肥料を与えすぎると株が枯れやすくなるので注意が必要です。

 

山野草向けの用土やサボテン用土等、水はけがよく肥料分が抜けやすいものが適していて、弱酸性の用土が最適です。

苗の流通はほとんどなく、花付きの鉢植えが少し出回っています。

 

夏越しさせるためには用土を入れ替えておくのが安全で、植え替えや植え直し、株分けなどで増やす場合は9~10月が適期です。

種を蒔くときには秋か早春に蒔くようにします。

 

本場が2~3枚になったらポリポットに移植するようにします。

花が終わった後は花茎を元から切り取ります。

カンガルーポーの花言葉

カンガルーポーの花言葉は「不思議」と「驚き」、「こっちへ来て」「驚き」「可能性」「可愛い愛」「分別」などがあります。

不思議な形の花を表現したかのような花言葉で、贈るにはちょっと難しい花かもしれません。

(ライター ナオ)