ダイダイの特徴

ダイダイはミカン科ミカン属の常緑樹です。

インド、ヒマラヤが原産で日本へは中国から渡来し、静岡県の伊豆半島や和歌山県の田辺市が主産地になっています。

高さは4~5mになる常緑小高木で、枝には棘があります。

初夏に白い花が咲き、冬には果実が黄熟し、橙色と言われます。

 

葉柄は翼状になっていて、葉身との境にくびれがあります。

果実は冬を過ぎても木から落ちず、そのまま木に置くと2~3年は枝についていて、一度オレンジ色になっても春には再び緑色に戻ります。

ダイダイの名前もこの実の特徴から、代々続く=ダイダイと呼ばれるようになったとされています。

ダイダイの品種

ダイダイの品種にはカボス、サダイダイ、サワーオレンジ、ブーケの4種類があります。

カボスはお正月用の飾りなど、観賞用として使われることが多く、皮に苦みがあるので、マーマレードなどの加工品にすることもあります。

 

サダイダイはカボスよりも皮が厚く、用途はカボスと同じです。

サワーオレンジはカボスよりも小ぶりで酸味が強く、マーマレードに加工したり、接ぎ木の台木としても用いられます。

ブーケは樹形がコンパクトで実も小ぶりです。棘が少なく、酸味はまろやかで香りがよく庭木にも向いています。

ダイダイの利用

ダイダイはマーマレードの材料の他、調味料や漢方薬として利用されます。果汁は酸味が強く、風味が良いことから、ポン酢の材料として使われることも多いです。

北欧ではクリスマスの時に飲むホットワインのグロッグにダイダイを用いたりもします。

 

漢方では果実の皮を乾燥させたものを橙皮といい、去痰薬や健胃葯として用いたり、香りづけに使われます。

アロマセラピーでは果皮から採取された油がオレンジ油やビターオレンジ油、橙油と呼ばれて用いられる他、花から得られる精油はネロリ、ネロリ油、橙花油として使われています。

ダイダイの栽培

ダイダイの植え付けは3~4月頃。直径80㎝、深さ30㎝ほどの穴を掘り植え付けます。

彫り上げた土には苦土石灰と堆肥を混ぜ込み、苗木は根を広げるような形で埋め戻します。この時あまり深植えにならないように注意しましょう。

 

剪定は3月頃に行い、込み入った枝を切るようにし、樹の内側に日が入るようにします。

年に4回ほど施肥をして管理します。一年間で窒素葯500g、リン酸葯300g、カリ約400gの肥料を与え、2月頃には樹の下に穴を掘って苦土石灰を入れると良いでしょう。

ダイダイは成長するに従って収穫量が増していきます。

 

樹を早く生長させたい時には、幼木の樹幹の上の蕾を早めに摘み取ると良いでしょう。

収穫は12月頃からで、観賞用に用いる時は葉のついた状態で収穫します。

 

病害虫はアブラムシ、アゲハチョウ、モグリガなどで見つけ次第除去しましょう。

カイガラムシなどは歯ブラシでこすりとるか、孵化したての幼虫に薬剤を散布して退治します。

ダイダイを使ったポン酢のレシピ

ダイダイを使ったポン酢は香りが豊かで、とても重宝します。

作り方はダイダイのしぼり汁500ml、醤油500ml、みりん100ml、昆布葯10㎝、カツオ節25gです。

ダイダイを横半分に切って絞りますが、絞る前に切り口の周囲を2~3㎝ほどピーラーで皮を剥いでおくと皮の苦みが果汁に入りにくくなります。

 

それから、横半分に切ったダイダイをレモンの絞り器などで絞り、みりんを煮切った後に、全部の材料を混ぜ合わせて保存瓶で保存しておきます。この時、実が少し入るくらいの方が手作り感があり、食感も楽しめて良いかもしれません。

 

半年くらいは保存できます。置いておくと味がなじみ、まろやかになって更に美味しくなります。

ダイダイが手に入った時はぜひお試しあれ!!

(ライター ナオ)