ススキは私たちの生活に、最も身近な植物のひとつ。
特に綺麗な花が咲くでもなく、風貌だってそんなに魅力的な形をしているわけでもありませんが、私たちの生活に馴染みの深いススキ。
でも一体ススキの季節っていつなの?
ススキの特徴
ススキはイネ科ススキ属の植物です。
尾花という言い方もし、秋の七草のひとつでもあります。
茅と呼ばれる有用植物の主要な一種で、野原に生息し、どこにでも見られる多年生の草本です。
高さは1~2mで、地下には短くてしっかりした地下茎があり、そこから多数の花茎を立てます。
葉は細長くて、堅く、縁は鋭い鉤状になっています。
夏から秋にかけて茎の先端に長さ20~30㎝程度の十数本に分かれた穂をつけます。
穂は赤っぽい色をしていて、種子には白い毛が生えて全体が白っぽくなります。
種子は風によって拡散します。
日本では全国に分布し、日当たりの良い山野に生息し、冬には地上部は枯れますが、沖縄などでは常緑になって高さも5mに達します。
日本以外では朝鮮半島や中国、台湾に分布し、北米では侵略的外来種として猛威を振るっています。
日本のススキの種類
日本では本州南部以南の海岸に分布する葉の広いハチジョウズズキ、水辺に生え、綿毛が純白のオギ、ススキより更に大きく、堤防などに大きな株を作って分布しているトキワススキなどがあります。
他にもカリヤス、カリヤスモドキ、アブラススキ、コメススキ、ヒメアブラススキ、ススキメヒシバなど。
ススキの利用
茅葺屋根の家が一般的だった頃、ススキは貴重な材料となりました。
集落の近くには必ずと言っていいほど定期的に借り入れをするススキ草原が茅場として存在していて、地域全体で管理していましたが、茅ぶき屋根の家がなくなるに従って、その場所は遷移が進み、現在では雑木林になっています。
十五夜の夜にはススキと萩を飾ったり、沖縄地方にはススキの葉を環のように結んで魔除けにする風習もあります。
ススキの時期
ススキが黄金色になり、見渡す限り光に透けるような穂が揺れている頃がススキの一番の見どころです。
一面に広がるススキ野原は地味で目立たない植物とは思えないほどの美しい景色を作ります。
そのような景色が見られるのはだいたい10月を過ぎたころ。
夏は青々した姿のススキがだんだんと穂が白くなり、綿毛を飛ばすようになるのが9月の下旬ころから10月初旬頃です。
赤や白や緑など種類によって様々な色合いの小さな花を咲かせ、茎や葉がすっかり黄色くなって穂が実るのが10月下旬ころから11月頃なのです。
箱根にある仙石原はススキの名所として有名です。
江戸時代までは千石原村という地名で、かつては樹木もない広大な原野が広がっていて、ここを開墾すれば千石もの穀物がとれるだろうということから名前がついたそうです。
しかし、土地は火山灰土と湿地だったため、辺り一面が茅場になり、近隣の村に出荷するのがこの地域の主な仕事だったのだそうです。
インターネットの箱根ナビというサイトでは仙石原のススキ野原の状況を写真でお知らせしてくれていていて、今年は丁度今が見ごろのようです。(2017.9.19現在)
広々と広がるススキ野原の真ん中を歩くことも出来ますので、見ごろのススキをめいいっぱい楽しむことが出来ますよ!
ススキの名前の由来と花言葉
ススキのススは「まっすぐな」の意味、キは「草や茎」を意味すると言われていて、その風貌の通り、まっすぐな茎を表しているのです。
古くから秋の七草のひとつに数えられ、日本ではとても馴染みの深い植物で、ススキの花言葉にはススキの持つ生命力から「活力」や「勢力」「生命力」などと言ったものがあります。
また、風に揺れる様から「憂い」や「なびく心」などという花言葉もあります。
誕生花には9月15日と10月22日が当てはまります。
(ライター ナオ)