みなさんは「ヒメジョオン」という植物を知っていますか?
なんだか聞き慣れない名前だし、外国の花かな?と思われるかもしれませんが、じつはこの花、誰もが一度は見たことのある花なんです。
道端などに良く咲いており、きっと「ああ、この花のことか!」とわかるはず。
今回はそんなヒメジョオンの生態や花についてまとめていきたいと思います。
ヒメジョオンの生態
ヒメジョオンの原産は北アメリカですが、日本では1865年頃に観葉植物として入ってきて以来、明治時代には既に雑草として自生するようになりました。
日本各地に分布しており、都市部の道端などから山間部まで、広範囲にわたって見ることができます。
「道端の花」の代表格といっても過言ではありません。
小学校からの帰り道に摘んで歩いた…ままごとに使った…なんて記憶がある人も多いのではないでしょうか。
私も子どもの頃、ヒメジョオンの花で花占いをやったこともあります。
花弁が細かい上に数が多いので、大変でした…二度とやらないと思います。
なぜこれほどまでに日本各地に分布域が広がったのか。
それはヒメジョオンの驚異の繁殖力にあります。
ヒメジョオンは1個体あたり、なんと47000もの種子を生産するのです。
そこらじゅうに咲いているヒメジョオンが、それぞれに47000もの種子を作る…恐ろしい数になりますね。
しかもその種子は35年もの寿命があるそうです。
その繁殖力の強さから、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選定されており、要注意外来生物となってしまっています。
これだけの繁殖力があれば、駆除は並大抵のことではありませんね。
ヒメジョオンの花
ヒメジョオンの草丈は40㎝~160㎝にもなり、茎の先に直径2㎝ほどの小さな花をたくさんつけます。
開花時期は5月から10月頃にかけて。
中央に黄色の筒状花があり、その周りに白く細かい舌状花が放射状に広がります。
見た目は小さくて花弁の多いデイジー、と言ったところでしょうか。
茎や葉のボリュームに比べて花が控えめなので、つい地味な花だと思ってしまいますが、よくみるととても可愛らしい姿をしています。
花の色は基本的に「白」ですが、中には「ピンク色のヒメジョオンを見たことがあるよ?」という人もいるかもしれません。
しかし、じつはそれ…ヒメジョオンではなく「ハルジオン」という別の花の可能性が高いです。
この二つ、生えている場所も同じようなところですし、見た目も瓜二つなので間違える人も多いのです。
それでは、ヒメジョオンとハルジオンはどうやって見分けたら良いのでしょうか?
まず、両者は開花時期が違います。
ハルジオンが春(4~5月頃)に咲くのに対し、ヒメジョオンは初夏から秋(5月から10月頃)に花を咲かせます。
見かけた季節によっては、すぐに見分けることができますね。
5~6月頃だと少し難しいですが…。
そこで、次に見た目の違いについてです。
それぞれ別々に見るとまるで違いのわからない両者ですが、横に並べて見ると違いがよくわかりますよ。
ハルジオンは花弁が少しピンクがかっていて、糸のように細いです。
それに対してヒメジョオンは、花弁が白くて少し幅があります。
慣れてくればわざわざ見比べなくても、一目で見分けることも可能ですよ!
ただし、色に関しては限りなく白に近いハルジオンもありますし、日の当たり方によってはピンクっぽく見えるヒメジョオンもあります。
色よりも花弁の形に注目したほうが確実ですね。
ヒメジョオンについてのまとめ
上で紹介した方法でも見分けられない、という人は、「茎を折る」という方法を試してみてください。
茎の中が空洞になっているものがハルジオン、茎の中に白いものが詰まっているのがヒメジョオンです。
ただし雑草と言えどもむやみに折ったりするのは良くないので、どうしても見分ける必要がある場合の最終手段として使ってくださいね。
(ライター もんぷち)