「ミーアキャット」というネコがいることをご存知でしょうか?
ほとんどの人にとっては「ああ、たしかそんな名前のネコがいたっけ」という感じかもしれません。

ということで、ここではややマイナーなネコである、「ミーアキャット」の生態などについてご紹介してみます。

ミーアキャットは「サバンナのギャング」

まずはミーアキャットの画像を見てみましょう。全然、ネコっぽくない感じですよね。
かわいいかどうかも、意見がわかれるところではないでしょうか。

ミーアキャットはマングース科のスリカータ属に属している動物です。
石・岩の多い荒地や、アフリカのサバンナに生息しています。

 

外見からもわかるように、ネコとはすこし遠い関係にあり、実はマングースの仲間なんだそうです。

名前も、最初はサルに間違われたのでオランダ語のサル「meerkat」というもので、これがいつの間にか「キャット」になっていたという説があります。

 

どこかどぼけた感じの見た目と違って、性格は獰猛なので「サバンナのギャング」との異名をとります。

背面には薄い茶色のやわらかな長い毛があり、10本のしまが背中にあるのが外見の大きな特徴のひとつです。

目の周りや尻尾の先端が黒くなっていてるので、パンダのような感じもするかもしれません。

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社会性が高い動物で、30匹くらいのコロニーを形成して生活しています。
地面にジリスが掘ったトンネルを広げた巣穴が寝床で、これは複数の入り口をもっています。

穴掘りが得意で、爪も穴が掘りやすいように長く曲がっているのも特徴です。

 

太陽が昇ると同時に穴から出てきて、お腹を太陽にむけて尻尾を支えに座って、体を暖めます。次に朝食を探しに行きます。

食性は「サバンナのギャング」だけあって肉食で、基本的には虫を食べていますが、そのほかにもたくさんの生き物を食べます。

 

たとえばトカゲ・ヘビ・クモ・サソリ・小鳥から、卵や植物まで食べています。

社会性が高い生き物だけに、食べ物を探す役と見張り役に分かれていて、たとえば天敵のタカ・フクロウなどが来た時などの危険があると、鋭い声を出して仲間に知らせることができます。

ミーアキャットの子供教育

ミーアキャットのコロニーには、上位のオス・メスがおり、子供の80%が上位メスが産んだ子供です。

草が敷かれた巣穴のなかに、2頭から5頭の赤ちゃんを産みます。
他のメンバーは、上位メスが生んだ子供のヘルパーになって、子守り・授乳をしています。

子供たちは、もちろん最初は自分で餌となる食料を探すことができないから、「お腹が空いた〜」とか「ちょうだい〜」といった鳴き声をあげて、ヘルパーにおねだりします。
この辺は人間や他の動物もいっしょですね。

 

この、ヘルパーが子供たちを教育する過程には、興味深い報告があります。

カラハリ砂漠の調査隊が報告するところによると、子供たちが獲物の捕り方・餌の扱い方をよく学べるようにするために、ヘルパーは獲物を殺すまたは動けないようにしてから与えているようです。

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ほかにも、毒があるサソリの場合等では、毒針を取ってから与えているという細やかさです。
ヘルパーは子供の年齢・能力を判断して、それにあった獲物を与え上手に教育しています。

子供が成長していくと、獲物を生きたまま与えるようにしているんだそうです。

 

このようにして、ヘルパーに教わりながら子供たちが自分で獲物をとれるようになって、一人前のミーアキャットへと成長していくのです。

一人前ではなく一ネコ前でしょうか。

 

もちろん、その子供が成長したときは、自分がヘルパーとなって新しく生まれた子供たちを教えていき、コロニーではこういう教育のシステムができていて、狩り・採食の方法が代々受け継がれているということです。

このようなミーアキャットの寿命は、平均して10年〜15年とされています。

とぼけた顔でもギャングなんです

「サバンナのギャング」、ミーアキャットについてでした。
立ち上がる姿・仕草がとてもユーモラスなために、CMなどでも時々話題となっている動物のようです。

 

体を暖めるためにちょこんと立ち上がる動作は、こうすると全身の体温を効率的に暖められるからなんだそうです。

ちょこんと立ってこちらを眺めている姿は、なんともいえない愛嬌がありますよねえ。
「ああ〜、朝日が気持ちいいなあ〜」とか思っているんでしょうか?

ライター名:nabex

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