ツワブキというフキをしっていますか?
山菜として美味しいフキですが、実は可愛い花を咲かせているってご存知でしたか?
ツワブキの特徴
ツワブキはキク科ツワブキ属に分類される常緑多年草です。
艶のある大きな葉を持っていて、葉柄は食用として用いられます。
ツワブキの名前の由来は艶のある葉をもったフキが転じたとする説の他、厚葉蕗、つまり厚い葉を持ったフキが転じたという説もあります。
日本では本州の太平洋側では福島県から日本海側では石川県から西野地域と四国、九州、南西諸島に分布していまあす。
日本国外では朝鮮半島、台湾などに分布します。
冬にも緑の葉が茂り、何円も枯れずによく生き残れる常緑多年草で、草丈は50㎝ほど。
土の下に短い茎があり、土の上には葉だけが出ます。
葉は土の中の根から生える根生葉で葉身は基部が大きく左右に張り出し、全体で円の形に近くなります。
長い葉柄を持ち、葉柄は大きく切れ込んだ葉身の中心についています。
葉は分厚く濃い緑色で表面に艶があります。
ツワブキの花
葉の間を抜けて花茎をのばし、その先端に散房花序をつけます。
花の時期は他の花が咲いていない晩秋で、10月の終わりころから12月初めの頃にかけて直径5センチほどの菊に似た黄色い花を咲かせます。
ツワブキの利用
日陰でも良く育つため、園芸植物として日本庭園の石組みや木の根元などに植えられます。
台湾などでも園芸用に栽培されていて、半入りの葉を持つものもあります。
食用では鹿児島県や沖縄を中心として西日本の一部の地域では蕗と同じように葉柄を食用としていて、特に奄美大島などの奄美料理では塩蔵した骨付き豚肉と共に煮る年越しの料理の具に欠かせず、沖縄県でも豚骨と共に煮物にして食べられています。
フキを佃煮にしたものはキャラブキと言われ、山椒の実などと一緒に調理します。
ピロリジジンアルカロイドという成分を含む為、軽く湯がいて皮をむき、酢を少し加えた湯で煮なおして1日以上水にさらすなどのあく抜きが必要になります。
鹿児島県などではあく抜きしたものが市場で売られていて、その状態で冷凍保存して後日調理することも出来ます。
三重県や高知県などでは木枠にツワブキの葉を敷いて押し寿司を作るところもあります。
民間薬として茎や葉を打撲や火傷に用いることもあります。また、全草を干して刻み、煎じて解熱や解毒薬、喉の痛み止めとして利用することもあります。
ツワブキの種類
ツワブキの種類は奄美大島、沖縄、イリオモテ島に分布する琉球諸島固有変種のリュキュウツワブキがあります。
これはツワブキが渓流の環境に適応し、葉の面積が狭くなっているタイプで、奄美大島では準絶滅危惧種に指定されています。
オオツワブキは九州の海岸に分布し、ツワブキよりも大きくなり、葉身の幅が45㎝、長さが35㎝にもアリ、花茎も1mになります。
タイワンブワブキは台湾本島の海抜1000m以上の山地に分布していて、葉の縁に7~9の鈍角の角があり、洋傘を逆さに広げたような形状をしています。
ツワブキの花言葉
ツワブキの花言葉は「愛よよみがえれ」「謙譲」「謙遜」「困難に負けない」「先見の明」などで寒さが厳しくなってくる時期に花を咲かせる奥ゆかしさや、寒さに負けない艶のある葉を茂られている様子、また春にかけて花を咲かせる性質をイメージしたものになっています。
ツワブキのまとめ
ツワブキはキク科ツワブキ属に分類される常緑多年草。
ツワブキは本州西部から以南にかけて自生する植物で、絶滅危惧種に指定されている。
茎や葉は食用として食べられている。
秋の遅い時期、10~12月かけて4~5㎝ほどの小さく黄色い花をつける。
(ライター ナオ)