アキノキリンソウという花をご存知でしょうか?
背が高くて黄色い花?何となく名前からそんなイメージを持ちますが・・・・
アキノキリンソウの特徴
アキノキリンソウはキク科アキノキリンソウ属に分類される多年草の植物です。
別名をアワダチソウといいますが、草丈は70~80㎝程度で、西洋から帰化されているセイタカアワダチソウとは区別されます。
ベンケイソウ科の麒麟草という植物に似ていて、秋に咲くことからアキノキリンソウの名がついたと言われています。
葉は互生し、茎の下部では葉は先端がとがる楕円形をしていて、上部に来ると披針状に変化します。
北海道から九州、朝鮮に分布し、山地や丘陵部の日当たりのよい場所に生えています。
里山や水田の周辺に多く見られ、ため池の土手などに一般的に咲いていた秋を代表する花として知られていましたが、近年はそのような環境も減り、自生の数も減っています。
若葉は食用になり、水にさらした後にあえものやおひたしなどになります。
また、日陰に干したものは薬用としても使われていました。
アキノキリンソウの花
アキノキリンソウは一枝に花を穂状にたくさんつけ、その花穂の形が咲けが発酵する時の泡立ちに似ていることからアワダチソウの名前がついたと言われています。
開花時期は8~11月で、黄色の花。ひとつひとつの花は舌状花4~6枚が一列に並び、真ん中に筒状花があるという形をしています。
アキノキリンソウの品種
ミヤマアキノキリンソウはサハリン、千島列島、シベリア東部から東北アジア、本州中部地方以北の日本列島、台湾の高山から亜高山帯にかけて分布している品種です。
7月に咲く早咲きで、草丈は15㎝前後になり、花は大き目です。見栄えが良く、丈夫なのが特徴です。
ハチジョウアキノキリンソウは伊豆諸島に分布するミヤマアキノキリンソウの変種。
姿は似ていますが開花時期は遅く、10~11月頃に花を咲かせます。
葉が肉厚で革質をしており、表面には光沢があります。
イッスンキンカと呼ばれ品種は屋久島の高所に特産する極小型の種類です。
草丈は3~6㎝ほどにしかなりません。
葉は光沢を持っていて、茎の先端に1~5輪の花を咲かせる可愛い品種です。
アオヤギバナと言われる品種は日本列島に特産し、増水すると水没するような渓流の岸辺に生えています。
アキノキリンソウにとても良く似ていますが、葉が柳のように細く繊細な雰囲気がします。
アキノキリンソウの花言葉
アキノキリンソウの花言葉は「警戒」「用心」「要注意」といったもの。
花言葉の中では珍しく、あまり印象の良くない言葉が並びます。
花の色にもよるようですが、あまりプレゼントするような花ではないことだけは確かです。
誕生花としては8月13日生まれの人の花だそうで、その方にプレゼントするのは良しとされているのだとか。
セイタカアワダチソウとアキノキリンソウ
セイタカアワダチソウは明治時代に切り花用の草花として移入してきまし、養蜂の蜜源としてとても優秀な植物ということで養蜂業者が積極的に種子を散布したともいわれています。
生命力が強く、アキノキリンソウを押しのけて繁茂し、現在は様々な場所で見かけるようになっています。
しかし、花粉症などのアレルギー疾患の原因となるとして、厄介がられることも多いのが実情。
アキノキリンソウと同じく綺麗な黄色い花をつけるのですが、9~10月頃は花粉症の人には要注意の花でもあります。
時には11月頃まで花粉を飛ばすこともあるので、遅い時期まで注意が必要なこともあります。
セイタカアワダチソウはキリンソウに似て、より大きく生長することから、セイタカアキノキリンソウと呼ばれることもあります。
(ライター ナオ)