ゴリラは、ハリウッド映画「キングコング」でも、勇敢で凶暴なイメージで描かれていますが、これはかつてゴリラの事がまだ良く分からなかった時代のイメージで、ゴリラの研究が進んでいる今日では、ゴリラはその体躯や風貌とは裏腹に、賢く穏やかで臆病な動物として認知されるようになってきました。
人間など全く及ばないゴリラのパワー
確かにその身体能力を考えれば、平均的な雄の成獣の体重は150~180kgもあり、しかもその体はほとんどが無駄のない筋肉で構成されていますので、とても強そうに見えます。
ゴリラのような筋肉の塊の格闘家、ボブサップの全盛期の体重が140~150kgですから、ゴリラの身体能力は人間などは到底及ぶものではないでしょう。
しかしながら、自然界での他の動物とゴリラによる戦いぶりが収められた動画や写真はほとんど出回っていません。
その理由としては、ゴリラが生息する地域が政情不安定なアフリカの国々に限られ、外国人が中々足を踏み入れる事が困難な密林地帯に集中している事、ゴリラ自身が高等な知能を持ち、痛みに敏感である事で臆病な性質である事が挙げられます。
アフリカの現地人の話によれば、ヒョウなどの大型のネコ科の猛獣に捕食される事もしばしばあり、ゴリラがヒョウを倒す事はごく限られているとの事です。
その身体能力を活かしきれば、雄の成獣のゴリラならば体重が80kgそこそこのヒョウなど簡単に倒せるのではないかと思いますが、現実は中々その通りには行かない様です。
ゴリラと他の生物との戦い
ゴリラvs雁
ゴリラvsチンパンジー
ゴリラvsグリズリー
最後の動画は有名なネタ動画ですが、再生回数は2,500万回を超えており、やはり人々がゴリラの勇敢な戦いを見たいと思っている事が窺えます。
結論を言うと、ゴリラの身体能力は高く、どんなに屈強な体を持った人間であっても到底敵うものではありませんが、彼らの牙や筋肉は他の野生動物を殺傷・捕食する事に特化しているものではありません。
また、ゴリラは知能が高く痛みを感じやすい為、他の動物と積極的に戦闘を行う事もありません。
同じ体重であれば鋭い牙と爪を持った熊の仲間には全く敵わないでしょうし、相手が同じ体重であれば最強の殺傷力を誇るネコ科の猛獣であれば、かなり勝率が落ちるのも頷けますね。
(ライター まるお)