夕焼け小焼けの赤とんぼ

負われて見たのはいつの日か

 

山の畑の桑の実を

小籠に摘んだはまぼろしか

 

十五で姐やは嫁に行き

お里のたよりも絶えはてた

 

夕焼け小焼けの赤とんぼ

とまっているよ竿の先

 

皆さんもよく知る、童謡「赤とんぼ」。

どこか寂しくも懐かしい夕焼けの風景を思い出させてくれる歌ですね。

 

赤トンボと言えば夕焼けとセットのイメージがありますが、それはきっとこの歌の影響なのではないかと思います。

しかし、皆さんは赤トンボというのがどんなトンボなのか知っていますか?

 

もちろん、正式名称が「赤トンボ」という名前の種類はいません。

そこで今回は、赤トンボとはどんなトンボなのか、詳しくまとめていきたいと思います。

赤トンボの種類

赤トンボとは、体の赤いトンボまたはアカネ属に属するトンボの総称です。

アカネ属はかつて「アカトンボ属」と呼ばれていたのですが、実はアカトンボ属の中でも体が赤くない種類もいるので、アカネ属に変更されました。

 

アカネ属は世界で約50種が確認されており、そのうち日本では21種類が確認されています。

その中でも、私たちがよく目にする、通常「赤トンボ」と呼ばれるものについて紹介しますね。

1.アキアカネ

アキアカネは日本を代表する赤トンボであり、私たちが一番よく見かける種類でもあります。

夏の間は涼しい山で生活し、少し涼しくなる秋の初め頃になると集団で山から下りてきます。

実は体の色は真っ赤というよりは「オレンジ」に近いのですが、夕焼けと合わさるとより美しい赤色に見えますね。

2.ナツアカネ

ナツアカネはまさに「赤トンボ」という名前にぴったりな、真っ赤な体をしたトンボです。

アキアカネは胸の部分が赤色ではないのに対し、ナツアカネは顔から尾の先まで完全に真っ赤なのが特徴。

3.ショウジョウトンボ

ショウジョウトンボもナツアカネに負けず劣らず鮮やかな赤色をしていますが、実はアカネ属ではありません。

アカネ属ではないけれど、これほど鮮やかな赤色をしている赤トンボは他にいないでしょう。

他にも様々な赤トンボがいるので、気になる人は探してみてください。

ただし、トンボの種類を見分けるのは専門家でも難しいそうなので、大変かもしれませんが…。

赤トンボはなぜ赤い

実は、上で紹介したアキアカネやナツアカネなども、綺麗な赤色をしているのは「オス」だけなんです。

メスや、羽化したばかりのオスは黄色いんですよ。

 

それではなぜ、オスのみがあのように鮮やかな赤トンボになるのでしょうか。

今まではオスがメスに見つけてもらいやすくするための「婚姻色」であるという説が有力でした。

 

しかし近年、研究により新たな可能性が見つかったのです。

赤くなるトンボは、成長するにしたがって黄色から鮮やかな赤色へと変化するという共通点があります。

 

この色素の事を「オモクローム色素」と言うのですが、オモクローム色素は紫外線を受けると黄色から赤へと変化します。

これは人間の日焼けのようなもので、紫外線の影響を減らすために色が変化するんです。

 

赤トンボのオスは日向にとどまって縄張りをつくる習性があるため、紫外線を浴びる量が多く、より鮮やかな赤色へと変化するのではないかと考えられているのです。

以上、かなりざっくりと大雑把に説明しただけですので、本来の「色素が還元型うんぬん酸化型うんぬん」というもっと詳しい説明が知りたければ、自力で調べてみてください!

赤トンボについてのまとめ

赤トンボは、赤いのにアカトンボ属でないものや、アカトンボ属ではないのに赤いものもいたりして、結構ややこしいです。

いろいろ考えるとこんがらがってきそうなので、「赤ければ赤トンボ」という認識でも全然大丈夫だと思います。

どうせ、トンボの種類を見分けるのは専門家でも難しいのですから…。

(ライター もんぷち)