スターゲイザーフィッシュという魚、観たことがありますか?

もし自分が魚だったら、深海で彼らの存在に気付いたとたん卒倒してしまうだろうと思わずにはいられない存在観のある魚、スターゲイザーフィッシュ。

今回はそんな話題のスターゲイザーフィッシュについて詳しくお話します。

スターゲイザーフィッシュの特徴

スターゲイザーフィッシュはスズキ目ミシマオコゼ科に属する深海魚。

アメリカ、ノースカロライナとニューヨークの間の海に生息していて、体長は50㎝程度。

 

砂底に隠れながら獲物を待ち伏せしていますが、眼は頭部上方にあるのでその形相が怖いと評判になっています。

目玉が頭の上の方にあることから星を眺める人=スターゲイザーという名前がつき、普段は目だけ出した状態で砂の中に潜っています。

エサになるのは小魚や甲殻類、イカなどで、獲物が目の前まで来ると瞬間的にぱくりと丸のみにしてしまいます。

ミシマオコゼ

スターゲイザーフィッシュと同じミシマオコゼ科の魚は日本では食用にされることも多く、ミシマオコゼは沖縄を除く北海道から九州南岸の太平洋沿岸、青森県から九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海など日本各地に分布しています。

 

水深250m地点でも見つかっていて、深海魚の一種といえるでしょう。

各地での呼び名が独特で、地方によってかなりばらつきがあり、オコボ、ガンガリ、サガンボ等々挙げるとキリがない程です。

ちなみに英名はジャパニーズスターゲイザーで、直訳すると日本の星を見る人になります。

 

底引き網などでまとまってとれることがありますが、鮮度落ちが速く、底引き網の魚であることから人気がなく安価な値段で取引されていますが、活魚は刺身にするともちっとした食感がとても美味です。

 

産卵期は3~10月。

調理方法としては汁物や煮つけ、唐揚げ、焼き魚、みそ汁、刺身などです。

新潟県の上越市ではサンゴに食べさせると母乳の出が良くなると言われ好まれているようです。

キビレミシマ

ミシマオコゼ科に分類される魚で日本近海に生息しているものにキビレミシマという魚もいます。

日本で見られるミシマオコゼ科の魚はスターゲイザーフィッシュほどの恐ろしい顔つきではありませんが、よくよく見るとスターゲイザーフィッシュの面影は十分です。

 

キビレミシマは市場ではあまり流通しておらず、一般には食用として認知されていないので価格にはややばらつきがありますが、味自体はとても良く、釣り人などからは人気の魚です。

 

琉球列島を除く南日本に棲息していて、体長は30㎝以上、浅井場所をひく底引き網などに入ります。

身が締まっていて、ヒラメやマゴチのような白身の魚で、刺身はもちろん、うしお汁やブイヤベース等にしても大変美味な魚です。

メガネウオ

メガネウオもまたミシマオコゼ科の魚です。

南日本、西日本の太平洋側、東シナ海沿岸で見かけますがまとまってとれることがないので認知度はとても低い魚です。

 

産地としては愛知県や鹿児島県などですが旬の時期は不明です。

鱗は細かく金ブラシなどで取りやすく、皮は厚くてしっかりとしています。

 

骨、頭部は非常に硬く、透明感のある白身なので白濁してすぐに柔らかくなります。頭部や骨からはいい出汁が出来ます。

汁ものや刺身でいただくことができ、鮮度さえ良ければ刺身はとても美味だそう。

 

ただし、頭部が非常に硬く、歩留まりは悪いのが難点。頭部からの出汁はとても美味なのですが、割るのにはかなりの力が必要です。

ミシマオコゼ科の魚たち。

皆さんもぜひ、食べる機会がありましたら、ホラーのような恐ろしい仲間の顔を思い浮かべながら食べてみてはいかがでしょう。

(ライター ナオ)