吸血のイメージの強いコウモリ。

ドラキュラの遣いとしても有名な!?コウモリについて詳しくお話します。

コウモリの特徴と生態

私たちがコウモリと言っているのはコウモリ目に属する動物の総称。

コウモリは極地やツンドラ、高山、大洋上の島々を除く全ての地域に生息しています。

前肢が翼になり、鳥など羽毛の生えた毛と違って飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜で覆われています。

哺乳類では他にムササビ、モモンガ、ヒヨケザルなどが飛膜を持っていますが、鳥類に匹敵するほどの飛行能力を持っていると言われています。

前肢は親指が離れたところにあり、それ以外の指は細長く伸びる形状をしています。

 

飛膜は人指し指以降の指の間から後肢の足首までを結んでいて、腕と指の曲げ伸ばしで自由に開閉することが出来ます。

後ろ足は弱く、立つことが出来ないため、休むときには天井からぶら下がるように休みます。

排泄の時などは前脚の親指の爪をひっかけて用をたします。

 

コウモリは大きく分けてオオコウモリとココウモリ(=コウモリ)の2つに分けることが出来ますが、このうちオオコウモリは植物性で果実などを好み、農業被害が報告されている人間にとってはちょっと困った存在です。

 

一方ココウモリの方は食虫性で、種類によっては植物性のものや肉食、血液食性のものなどがいます。

日本には樹洞や洞穴が少ないため、生息場所は限られていることや、研究者が少ないことなどからレッドデータブック入りしている種類も沢山あるのだそう。

詳細については不明というコウモリが沢山いるそうで、まだまだ未知な部分も多い生物のようです。

コウモリの鳴き声

コウモリは獲物を捕らえる時や飛行する時に獲物や物体との距離を超音波によって図ることが出来ます。

音の反響を受け止めて、周囲の状況を知るエコロケーションといわれる方法です。

 

音の周波数は高いものが多く、30kHz~100kHzで、人間には聞こえにくい音を出しているコウモリも沢山います。

水面の振動を感じとって獲物を捕獲するコウモリがいるかと思えば、熱帯地域では超音波対策をしているカエルや昆虫もいるのだそうです。

 

この時の音を私たちは声として認識しているわけですが、その音はネズミと違えるような鳴き声で、「チッチッチッチ」だったり、「キッキッキッキ」といったスタッカートの入ったような鋭い音です。

世界最大のコウモリ

世界最大のコウモリは開翼長が1.7mほどになる先述したオオコウモリで、メガバッドとも呼ばれます。

 

翼以外の特徴が一小型のコウモリと違っていて、小型コウモリが超音波によって飛行することによって、目が退化し、耳がよく発達するのに対し、オオコウモリは視覚に頼って飛行しているので、目が大きく、耳が小さい一般的な哺乳類の顔つきに近いのが特徴。

 

キツネなどに顔つきが似ていて、上からつり下がっているのでフライングフォックスなどと呼ばれることもあるそうです。

オオコウモリの食性が植物性で良かったとつくづく思う次第。

 

もしこれが吸血性のコウモリだったら‥と思うとそれは完全にホラー映画の世界です。

自然界においてオオコウモリの天敵は人間で、西アフリカではオオコウモリを食用にしている地域もあるのだとか。

 

味は鳥に近く、肉の質も良く、美味なのだとか。ただし、エボラ出血熱ウィルスの宿主でもあるオオコウモリは、食べた人がエボラ出血を発症し、感染拡大の一途をたどっているのだとか…これって食べられるけど食べてはいけない部類ですよね・・・・

 

日本にはオオコウモリは生息していませんが、オオコウモリの一種であるコウモリは多数、動物園で見ることができます。

見た目の姿は何だかちょっと格好良く、ウィルスの宿主でさえなければ人気がでたコウモリかもしれません。

興味のある方はぜひ見に出かけてみてください。

(ライター ナオ)