初夏の花のイメージの強いグラジオラス。赤やピンク、オレンジ色の花がスラリとしていて目をひきます。

しかし、その開花時期は意外に長く、長い期間見ごたえのある花を楽しむことができます。

今回はそんなグラジオラスについて詳しくお話していきます。

グラジオラスの特徴

グラジオラスはアヤメ科グラジオラス属の植物の総称で日本に自生種はなく、園芸植物として植えられています。

別名をトウショウブやオランダショウブと言い、葉が剣に似ていることから代ローマの剣であるグラディウスに由来してグラジオラスの名前がついたと言われています。

日本へは明治時代に輸入され、栽培が開始されました。根が湿布薬の材料に使われています。

原産はアフリカ・地中海沿岸です。

多年草で伸びると草丈は0.6~1.5mになります。耐寒性はあまりありませんが、暑さには強いのも特徴です。

グラジオラスの花の季節

グラジオラスの花芽は本葉が2枚程展開した頃から球根の中に作られ、それ以降の時期に適度な温度や日照、湿度があると6~10月にかけて綺麗な花を咲かせます。

色は赤や白、オレンジ、ピンク、黄色、青、紫、緑等様々で、横向きに整然と並んで次々に舌から咲きあがる様子が見事です。

スラリと伸びた花穂と剣のような形の硬い葉が特徴的です。

グラジオラスの種類

グラジオラスの種類のうちトラベラという品種はラベンダーピンクの優しい上品な花をつけます。

丈夫で作りやすく、花付きの良い早生品種で遅く植えても秋に花が楽しめます。

ツルーラブ葉上で作りやすい品種で、花穂が長く、花が密についていてボリュームがあります。草丈も高く、やや晩生の品種です。

ヘクターは明るく鮮やかな朱赤の大輪品種です。茎が固くてしっかりしていて作りやすい丈夫な品種です。

富士の雪はクリームホワイトの大輪品種です。花数が多く、草丈が高く、ボリューム感があります。

 

春の泉葉鮮明な赤色の大輪品種で花が一方向に偏らず四方に向かって咲いています。

新日本は淡いサーモンピンクで中心部に赤色が入るチャーミングな花。草丈はやや低めです。

グラジオラスの育て方

グラジオラスは球根の高さの2倍くらいの土がかぶさるような深さに植えます。

大きな球根の場合は2つに分け、切り口に石灰などをつけてから植え付けます。

 

庭植えでは堆肥や腐葉土を混ぜ、土壌を良くして植えつけます。

鉢植えは赤玉土と腐葉土を7:3の割合で配合し、一般の草花用培養土等水はけの良いものであれば土質をあまり選びません。

陽当たりが良いということが植え付け場所の第一条件になり、少なくとも半日は日光が当たるような場所でないと花が咲きにくくなります。

 

最低温度が15℃以上、日中は25℃以上あると生育が活発になります。

比較的やせ地でもよく育ちますが、庭植えの場合は元肥と開花後にお礼を施します。

 

鉢植えは元肥の他、葉が生い茂っている間に月1回置き肥を施すか、月3回くらい液体肥料を施します。いずれも窒素ぶんはやや少なくリン酸、カリ分の多いものが適しています。

 

乾燥には比較的強いですが、生長期には十分な水分を必要とします。

庭上ではバークチップなどでマルチングするか、丈の低い草花を株元に植えるのも良い方法です。

 

鉢植えは本葉が出てから開花まで、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるようにし、開花後は乾燥気味に育てます。

窒素の多い肥料を施しすぎると球根が腐りやすくなり、連作すると首腐病などの病気が出やすくなります。

 

2~3年で植え場所を変え、鉢植えは毎年新しい用土を使うようにし、ウイルス病の発生した株は処分しましょう。

また、ハダニもつきやすいので見つけたら水で洗い流すようにすると良いでしょう。

(ライター ナオ)