春には可愛らしい花をつけ、秋には大きな実をつけ私たちを楽しませてくれる梅。

馴染みのある人なら周知の事実ですが、もしかしたら知らない人もいるのでは?

 

実は、この梅の実、毒があるんです。

今回は梅についてのお話です。

梅の特徴

梅はバラ科サクラ属に分類される落葉高木で、花芽は一節に1個付きます。

モモに比べて開花時の華やかな印象は薄いですが、毎年2~4月頃に5枚の花びらのある1~3s根知ほどの花を葉が出る前に咲かせます。

花の色はピンク、白、赤などで、葉は互生し、先端は尖った卵形をしています。

周囲は鋸歯状になっているのも特徴です。

 

梅には500種類以上の品種があると言われ、近縁のアンズ、スモモと複雑に交雑しています。

果実は2~3㎝のほぼ球形の核果で、実の片側に浅い溝があります。

6月頃に黄色く熟し、特定の地域の実で栽培される地方品種が多く、国内どこでも入手可能な品種は比較的限定されています。

梅の毒性

梅の実は梅干しにしたり、梅酢、梅酒、ジャムなどにして食用にされたり、甘露煮やのし梅などの貸家梅肉になどの料理に使われることが多く、日本人にはとても馴染みの深い植物です。

 

強い酸味が特徴で、クエン酸などの有機酸を多く含むので、健康食品としても販売されています。

中国でも紀元前から酸味料として用いられていた歴史があり、塩と共に最古の調味料ともいわれています。

 

漢方薬では藁を燃やした煙で真っ黒にいぶした梅が用いられ、健胃、整腸、駆虫、止血、強心作用があるとされています。

しかし、青梅には青酸という毒が含まれているので、そのまま食べると死に至るという報告もあり注意しなければなりません。

 

実際バラ科の植物の葉や未熟な種子には青酸配糖体と言われる成分が含まれており、これがシアンという毒を生成することがあり、痙攣や呼吸困難、さらには麻痺状態を引き起こすと言われています。

 

ただ、胃の消化酵素だけではシアンの生成が行われず、青梅を手で握ったり、舐めたりした程度では何も起こらないので心配はありません。

大量の未熟な種子を嚙み砕いでそのまま飲みこむという特殊なことをしない限りは、梅の毒で死亡するというケースはないということなのです。

実際、梅酒や梅干しなどはアルコールや塩分、天日干しの熱により酵素が失活して毒性は低下してしまいます。

日本の梅の名所

日本全国に梅の名所と言われるところは沢山あり、春早い時期には、各地で梅まつりなどが開催され、春の訪れを楽しむことが出来ます。

羽根木公園は東京都世田谷公園にある梅の名所です。

全体が小高い丘になっており、紅白梅合わせて60種類以上、約650本が見られ、せがたや梅まつりなども開催されています。

例年の見ごろは2月中旬から3月上旬で、おもいのまま、紅千鳥、八重野梅、白加賀等があります。

 

埼玉県の生越町にある越生梅林も有名な梅の名所です。

関東屈指の梅林のひとつで、九州大宰府から天満宮を分祀したときに梅の木を植えたのが起源とされています。

 

樹齢650年の古木など1000本余りの梅が咲き揃っています。

祭り期間中はステージイベント、写真撮影会、ミニSLの運行などが開催され、多くの日とtでにぎわいます。

 

北野天満宮は学問の神様、菅原道真公を祀った全国に一万社以上ある天満宮・天神社の総本山の神社です。

京都市上京区にあり、特に受験シーズンには多くの合格祈願の人々で賑わいます。

 

毎年2月25日に開かれる梅花祭では約2万坪の境内に50種類、1500本の梅が咲き誇り、野点大茶湯と言われる芸舞妓による抹茶の接待などで盛り上がります。

その他、東京都八王子の高尾梅郷や大阪の大阪城公園、水戸の偕楽園なども有名です。

(ライター ナオ)