オニヤンマは、トンボ目・オニヤンマ科に分類されるトンボの一種です。

日本最大のトンボとしても知られています。

当記事では、そんなオニヤンマのヤゴとそのサイズに迫ります。

オニヤンマのヤゴの生態

トンボの幼虫をヤゴといいます。

オニヤンマのヤゴは、卵から羽化すると、水のなかで生活をします。

オニヤンマのような大型のトンボは、数年をヤゴで過ごします。

その期間に、10回ほど脱皮をして成長していきます。

 

幼虫になりたてのヤゴは、オニヤンマの場合は2ミリくらいの大きさです。

ほとんど目にすることはありませんが、羽化間近のヤゴは5センチ近くになりますので、観察することができるでしょう。

 

オニヤンマの餌は、ヤゴになりたての頃は、ミジンコや赤虫、ボウフラです。

成長すると、おたまじゃくしやメダカなどの小魚、それから別種のヤゴを食べます。食料がないときは、共食いもします。おそろしいですね。

 

なお、オニヤンマのヤゴは、羽化が近づくと食欲が落ちて、じっとすることが多くなります。

しばらくすると背中が盛り上がってきて、羽化の準備が始まります。

オニヤンマとそのヤゴは、北海道から八重山諸島まで、日本列島に広く分布しています

本州では市街地から少し外れた小規模な河川でみられるなど、かなり広範囲に生息しています。

 

一方、南西諸島では、河川の発達した限られた島々に分布しています。

徳之島や慶良間諸島、宮古列島などには分布せず、分布する島々でも個体数はそれほど多くありません。

特に沖縄本島では個体数が少ないです。

 

ちなみに、オニヤンマは地域個体群によって体の大きさや体色に差異があります。

たとえば、北海道、御蔵島、屋久島、鹿児島県黒島産などは、体長8センチほどと、ほかの地域より小型になることが知られています。

また、奄美大島以南のものは、オスの複眼が青緑色で、オス・メスとも腹部の黄色が腹面で広がるなどの変異があります。

オニヤンマのヤゴの特徴

オニヤンマのヤゴの卵期間は、1~2カ月程度です。

ヤゴでいる期間は、2~4年程度です。ヤゴの姿で越冬をします。

 

オニヤンマのヤゴの生息環境は、おもに平地から山地。

その周囲に樹林のある河川上から中流域や小川、山間、湿地、ため池などになります。

 

成虫が市街地や市街地の川を飛ぶ姿が目撃されていますので、ヤゴもその環境でも生息していると思われます。

オニヤンマのヤゴは、おもに河川や浅い流れの砂泥に潜って生活しています。

なお、オニヤンマのヤゴの体長は、羽化寸前になると40~46ミリ、頭幅11~13ミリまで成長します。

 

オニヤンマのヤゴは、茶褐色の大型ヤゴで、日本産ではもっとも迫力があるヤゴといわれています。

その体は、細い体毛におおわれ、腹部の背側には2本の黒斑列があります。

ヤゴの頭部は逆台形で、若齢のうちはシオカラトンボ型のヤゴに似ていますが、しかし、そのなかでもかなり縦長です。

オニヤンマのヤゴの採集飼育など

オニヤンマのヤゴは、成虫とともに大変人気で、しかも飼育が可能です。

ヤゴの飼育に必要な道具は、以下の通りです。

  • 水槽
  • 砂利、砂
  • 水草
  • アカムシ等の生き餌
  • 木、割りばし

まず水槽に砂利や砂を敷き詰めて、5センチほど水を溜めます。

そこに水草を植えて、さらに羽化のときにつかまるための木や割りばしも入れます。

これで住居の完成です。

 

ヤゴは基本的に生き餌しか食べませんので、新鮮なエサを与え続ける必要があります。

それだけでも大変ですが、さらに生き餌は、水槽の内部や水が汚れやすいので定期的なメンテナンスが必要です。

水を変えるなどヤゴにとって住みやすい環境を維持しましょう。

オニヤンマのヤゴのまとめ

以上、オニヤンマのヤゴについていかがでしたか?

オニヤンマのヤゴは、羽化寸前だとおよそ5センチ。

ちなみにマッチ棒がちょうど5センチで、名刺が幅9.1センチ・高さ5.5センチです。

 

ちょっと大きいですけど、羽化したときは、そのぶん感激も大きいはず。

興味を持った方は、ぜひ飼育してみてください。

(ライター ジュン)