人間によって飼い慣らされた犬は、野生の狼には決して勝つことが出来ないと言う意見を頻繁に見かけます。

その根拠の大部分は「家畜の犬と野生の厳しい環境に適応した狼の間には、圧倒的な身体能力の差がある」と言うものです。

確かにその意見は大部分では正しく、人間にペットとして飼われている多くの犬は体格的にも狼に劣り、自ら獲物を狩る事もなく他の動物と闘うこともありません。

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そのような犬たちが狼と戦えば、彼らはあっという間に狼に殺されてしまうでしょう。

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では狼に勝てる犬は存在しないのでしょうか?

いえいえ、そんな事はありません。

純粋なペットとして飼われていない犬たちは驚くべき戦闘能力を備え、時には狼をも圧倒して殺してしまう事があります。

狼をも倒す犬

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では狼よりも強い犬とはどんな犬たちでしょう?

強い犬といえば、ドーベルマンやシェパードなどの警察犬や軍用犬が真っ先に思い浮かびます。

確かに彼らも強い犬であることには違いありませんし、犬種だけで括れば最強に近い犬たちです。

しかし、犬種と同様に重要なのが愛玩犬や盲導犬など、その犬たちが飼われている用途です。

もっとも狼に対して力を発揮するのは、猟犬や牧羊犬、そして闘犬です。

何故ならば彼らは小型~中型の動物と闘う事に特化するように訓練されているからです。

このように良く訓練された犬たちは、獲物を狩る事、人間や家畜を外敵から守る事をインプットされ、その為に命を掛けて闘います。

もちろん、小型の猟犬や牧羊犬に狼を単独で撃退する能力はありませんが、トルキッシュ・カンガールドッグなどの大型の犬は、狼をも圧倒する戦闘力を身に付けています。

ですから、犬が狼に勝てないというの100%正しい意見ではありません。

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野犬とイノシシの戦い

飼い犬の中には飼い主に山に捨てられたりして野犬として群れをなしてイノシシどの野生動物を集団で捕食するものもいます。

以下の動画では数匹の野犬の群れが猪を取り囲んで攻撃しています。

この野犬たちは首輪をしている事から、飼い犬が野生化した1世代目だと思いますが、群れとしての連携が維持されており、狼と同じように組織的な攻撃を仕掛けています。

野犬は自分達よりもかなり大きいサイズの猪を狩ることが出来るでしょうか?

 

崖っぷちでの足場の狭い場所での戦いの為か、狼が大型の草食獣を狩る時のような華麗なヒット&アウェイが見られず、野犬たちは順々に猪の突撃を喰らい、崖下に転落して行きました。

犬の戦闘力もなかなかのものです。

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イヌは分類学上、オオカミと同一種だった!

イヌは、食肉目(ネコ目)イヌ科イヌ属に分類される哺乳類で、人間と最も長い間良好な関係を築いてきた動物だと言えます。

ここで言う『イヌ』は、いわゆる『飼いイヌ』のことで、一般的には『イエイヌ』とも呼ばれ、『ヤマイヌ=オオカミ』とは明確に区別されています。

ところがこれほど多種多様な『イエイヌ』は、現在独立種としては認められていません。

分類学上、タイリクオオカミの亜種だとする考えが主流なのです。

したがって、これほどの大きさ、形態、生態などが異なり、多種類を誇りながらも、実はすべてこの亜種の中に含まれており、タイリクオオカミとは同一種だとみなされているのです。

イヌ属もわずか6種類のみ!

イヌ科には、オオカミの他にキツネやタヌキなども含んでいますが、その下のイヌ属になると、ジャッカル、コヨーテ、オオカミなどわずか6種(または7種)しか存在しません。

ちなみにイヌによく似たハイエナは、実はネコ亜目ハイエナ科なのでどちらかというとネコに近い種になります。

一つの種の中に、これほど多様な亜種が存在する動物は他にいません。

イヌは、おもにヒトの手によりさまざまな犬種から交配・交雑を繰り返してきた結果、ものすごい数の変種を作り出し、多様な形態と性質を持つにいたったと言えるのです。

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犬種は331もあり、増え続けている!

世界には約4億匹の『イエイヌ』がいるといわれています。

国際畜犬連盟では、現在331犬種を公認しており、ニホンケネルクラブではそのうち176犬種を登録しています。

これに加えていわゆる『雑種』と呼ばれる交雑種は、無数に存在していると言ってもおかしくありませんし、これからも交雑が繰り返されれば、どんどん増え続けることでしょう。

イヌはヒトの手で改良され続けている!

イヌ属の染色体数は、すべて38対(76本)であり、オオカミ、ジャッカル、コヨーテを含めて、イエイヌはこれらすべてと交配が可能なのです。

また、それらの雑種として生まれた個体も、きちんとした生殖能力を持ちますので、まさにイヌ属の繁殖は無限の多様性を秘めていると言えましょう。

したがって、ヒトがある目的を持ってイヌの交配を繰り返し、特異な資質を強化していくことは今後も十分可能であり、現実にそういうことで生み出されてきた犬種が数多く存在しています。

またヒトの飼育下から逃げ出したり、捨てられたりして野生化した『野犬(ヤケン)』または『野良犬(ノライヌ)』も都会ではすぐに捕えられてしまいますが、郊外では群れをなして自立した生活を送っていることもあり、交雑を繰り返して独自の生活を送っていることも少なくありません。

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イヌの戦闘力とは・・

さて本記事では、『イヌの戦闘力』と題していますので、『イエイヌ』一般についての話というよりも、その能力、特に戦闘能力についてのお話を中心にしたいと思います。

ただしこの『戦闘能力』という言葉も実にあいまいです。

これほどイヌが多様性に富む発達をしてきていますので、その目的によってさまざまな能力が身につけられているからです。何を持ってして、どう行動するのが『戦闘』なのかということでもあるのです。

目的に応じて改良されてきたイヌたち

たとえば狩猟犬なら、特定の狩猟対象動物に合わせた品種改良をされています。

ノウサギに対してめっぽう強いとか、撃ち落とした鳥を即座に見つけ出して確保するとか、イノシシを群れで包囲して疲れさせ追い詰めた上で飼い主を待つなど、その能力はさまざまです。

番犬であるなら、家族や家畜を襲ってくるであろう悪人にひるまずに襲いかかったり、畜舎に侵入してきたクマ、オオカミ、キツネなどに迅速に対抗して、撃退しなければなりません。

ハスキーやマラミュートといった労働犬と呼ばれる犬たちは、犬ぞりを引くために筋力と持久力、耐寒性に秀でています。

そして群れとして統率のとれた行動をし、一致協力しあって同じ目的のために邁進することができるのです。

また警察犬や軍用犬は、その任務に適した特殊な訓練がなされていますので、攻撃ばかりでなく、追跡、偵察、待機などといった一種特別な能力が抜きん出ています。

ヒトの楽しみ=主にギャンブルの対象になりますが、闘犬として改良されてきた犬たちは、同じ犬種の相手を、ルールを守りながらすばやく倒すということに特化しており、そのための能力を鍛えあげられてきました。

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イヌは捕食行動を取らない!ヒトのために闘う!

野生に生きるオオカミはともかくとして、ヒトに飼われているイヌたちは、他の野生動物と異なり、自分で獲物を見つけて捕食するという概念がほぼ欠落しています。

エサは飼い主から獲物とは別にもらうのが一般的だと言えます。

つまり野生動物であれば、獲物を食べるために戦って倒しますが、イヌはそれ以外の目的~主にヒトの目的を達成するためにその代理として闘うということになります。

これがイヌの戦闘における最大の特徴だといえましょう。

イヌは誰を相手に闘うのか?

そういったイヌの特殊性を考慮して、個別の能力の優劣を重視していくのか、それとも異種格闘技のように、総合力で見ていけばよいのでしょうか……。

また闘う相手もまちまちです。

猟犬や番犬ならば一般的な野生動物を対象としていますから、力でねじ伏せ殺傷してしまえば勝ちと言えるかもしれません。

ただし、通常単独で行動するよりも複数で相手を追い詰めますし、この場合には個体の戦闘力というよりもリーダーとなるイヌの統率力がモノを言う場合も多々あります。

警察犬や護衛犬であれば闘う相手はヒト~特に悪人ということになりますが、こちらは力まかせに咬み殺してしまうというわけにはいきません。

急所を外して咬みつくことで相手の戦闘能力を奪ったり、追い詰めて威圧して戦意を喪失させておいてから指令者の到着を待つ、という訓練を受けているはずなのです。

闘犬ならば対イヌということになりますが、こちらも殺し合いではなく、力の差を見せつけ、相手の戦意を失くさせることの方が重要です。

戦わずして勝つというヤツです。

ですから一口に戦闘力と言っても、相手や状況によってその優劣の判断はさまざまです。

まずはイヌの持つ能力を個別に見ていくことにしましょう。

イヌの攻撃は咬みつくこと!

まずイヌの攻撃についてですが、これはもう咬みつくという一言に尽きます。

イヌはネコ類やクマ類のように鋭い爪を持つわけではありませんし、角もありませんので、ひたすら動き回り、その隙をついて相手の急所を咬みつくことを繰り返し、相手を弱らせることで勝利を得るのが王道です。

したがって、イヌにとって歯がもっとも重要な攻撃アイテムになっていると言えます。

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イヌの歯は42本ある!

歯を見れば、その動物の食性がよくわかります。

イヌの歯は上下左右で42本あります。

哺乳類の歯の基本数は44本ですから、ほぼそれに近い本数です。

ヒトの場合は、切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯の4つの歯群に分けます。

それぞれ2種、1種、2種、3種(智歯を含む)の歯が上下左右にありますので、合計で智歯(親知らず)を含めて32本になります。

イヌの場合は、門歯(切歯に相当)が3種、犬歯1種、前臼歯(小臼歯に相当)が4種あり、後臼歯(大臼歯に相当)のみ上顎2種、下顎3種と数が異なりますので、合計で42本となります。

イヌの犬歯と裂肉歯は特別重要な歯!

イヌの場合に特によく発達しているのが上下の犬歯と『裂肉歯』と呼ばれる上顎第4前臼歯、下顎第一後臼歯の8本の歯です。

イヌの攻撃の最初は、まず口の先端近くにある門歯と犬歯で咬みつくことから始まります。

門歯もヒトの切歯と異なりやや尖っていますが、小さく短い歯であるのが普通です。

それに対して犬歯はより長く、しかも先端がかなり尖っていますので、相手の肉の奥深くまで咬み込むことができます。

咬みついたら首を引き、体重をかけることで肉ごと引き裂くことが可能なのです。

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イヌのアゴは前後左右に動かない!

イヌは雑食性だと言われていますが、ヒトのようにほぼ何でも食べるわけではありません。

食性の中心はあくまで肉食であり、それに見合うような歯の作りになっています。

植物などは、あくまでその付け足しのような感じで食べていると言って間違いありません。

イヌのアゴは上下にしか動かず、ヒトや草食動物のように前後左右の方向に動かすことができません。

したがって、草(植物)やご飯粒などを口に入れても咬み砕くだけで磨りつぶすことができません。

ある程度の大きさまで咬み砕いたら、そこから丸呑みに近い形で嚥下しなければならないのです。

ですからイヌ属は植物食を中心にした食性には向かないのです。

裂肉歯は肉食動物の食餌の中心になる歯!

イヌばかりでなく食肉目(ネコ目)では、『裂肉歯』と呼ばれる上下一対の奥歯が特に発達しています。

イヌ科の場合、上顎第四前臼歯と下顎第一後臼歯の組み合わせで、ともに大きく尖った歯になっています。

この歯が上下でガッチリと咬み合い、肉ばかりでなく骨ごとバキバキと咬み砕いてしまうのです。

したがって、この歯が肉食動物の食餌の中心になる歯であり、生命線とも言える存在なのです。

犬歯と裂肉歯を失うと餓死する!

食肉目の動物は、犬歯を失ったり、欠いてしまったりすると、肉を引き裂くことができなくなってしまうので、肉を小さく食いちぎって口に入れることができません。

また裂肉歯を失うと、肉類を咬み砕くことがほとんどできなくなってしまうのです。

したがってこれらの歯を欠いてしまったり、失ってしまうと、たとえ目の前にエサがあってもそれを摂取することができず、餓死してしまうケースが非常に多いのです。

ですからイヌにとって、まさに歯が命だと言えるのです。

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イヌの嗅覚はコミュニケーション・ツール!

さて、イヌの五感の中でもっとも発達していると言われるのが嗅覚です。

たとえば布にしみ込んだニオイを嗅がせ、それだけの情報であとを追っていく警察犬の追跡捜査や、災害救助犬の探索など、ドラマでもおなじみのシーンがありますよね。

イヌの嗅覚は、われわれの想像を絶するほど鋭敏であり、目の前にある食料が食べられるのかどうかはもちろんのこと、ニオイだけで敵味方を見分けたり、またイヌ同士のコミュニケーションの手段としても用いられているのです。

わざわざ、高く足を上げるのは……

散歩中のイヌが、電柱等に向かって繰り返しおしっこをして、あちこちにニオイづけをすることは有名です。

わざわざ足を高く上げてするのは、自分をより大きく見せるためと、鼻の高さに持っていくことで、相手により感じやすくさせるためだと言われています。

このニオイは経時的に変化していきますので、イヌはいつ、誰(どのイヌ)がここを通ったのかということまで感じ取ってしまうようです。

イヌはお互いの肛門を嗅ぎ合う!

イヌ同士が直接出会った場合、お互いの肛門のニオイ(肛門嚢からの分泌液)を嗅ぎ合うことで、相手のニオイばかりでなくその生活までも知ることができるようです。

イヌが活動をしていく上で、嗅覚はなくてはならない重要な機能だと言えますし、もし嗅覚を失えばイヌの戦闘能力はかなり低下してしまうことは間違いありません。

イヌの嗅覚はヒトの一億倍!?

一般的に、イヌの嗅覚はヒトの数千から数万倍の能力があると言われています。

ただしこの数字は漠然としており、各ニオイ物質によってその感知能力はまちまちです。

たとえば、酢酸のニオイならヒトの一億倍の鋭敏さを示すと言われています。

ニオイセンサーの大きさはヒトの10倍以上!

ニオイを感じるセンサーは、哺乳類では鼻腔の奥の嗅上皮というところにあります。

ヒトではだいたい10円玉1枚程度の広さなのですが、イヌではその10倍以上にもなります。

つまり鼻腔全体がセンサーになっていると言っても過言ではありません。

また実際にセンサーとして働く嗅細胞の数も、ヒトが500万個程度であるのに対し、イヌでは数億から30億個とふたケタ以上も違うレベルなのです。

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イヌは鼻で風を読み、ニオイで記憶する!

イヌの鼻の先端の、無毛の湿った黒い部分を鼻鏡と言います。

ここが常に湿り気を帯びているのは、風の方向を感知するためです。

イヌはニオイを感知する場合、つねに風向きを意識しながら、ニオイの元の方向を判断しているのです。

またイヌは、このすぐれた嗅覚を記憶と結び付けていますので、記憶力は抜群なのです。

おしっこによるニオイづけも、単純に他のイヌに対しての自己主張であるのみならず、自分のニオイを残していくことで、以前に来たことがある場所だと認識し、その時の記憶を呼び起こしているようです。

イヌより嗅覚が優れているのは……

確かにイヌの嗅覚は恐ろしいほど鋭敏だといえます。しかし、哺乳類の中でイヌの嗅覚だけが、突出して優れているというわけではありません。

ヨーロッパでは、地中にあるトリュフを探り当てるのにブタを使いますが、ブタ(イノシシを含めて)もイヌと同等の嗅覚を持つと言われています。

さらにクマにはイヌの数倍以上の嗅覚があるという研究がありますし、ニオイセンサーである嗅細胞が発達し、その細胞数が圧倒的に多いゾウの嗅覚は、イヌやクマよりも遥かに上を行くものだと考えられています。

イヌはミミズの死がいのニオイを好む!?

イヌには好みのニオイがあるようです。特にミミズの死がいのニオイがお気に入りのようで、恍惚の表情を浮かべることもあるそうです。

これはネコがマタタビを好むことと近いような反応と考えられています。

イヌはミミズの死がいを見つけると、その上でのたうちまわり、全身にそのニオイを付けようとする行動を取ることがよくあります。

ヒトにとって悪臭であっても、イヌにとってそのニオイは、香水のようなものなのかもしれません。

イヌの聴覚は高音型!

イヌの聴覚も比較的発達しています。

可聴域は、40~4万7千ヘルツと言われています。

ヒトは20~2万ヘルツですので、低音域はともかく、高音域での能力はヒトに大きく勝ります。

イヌを扱う時に使われる犬笛は、およそ三万ヘルツの音域ですので、ヒトには聞こえずイヌにだけ聞こえるという特性を持っています。

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イヌは動体視力に優れるが、モノクロームの世界!

イヌは優れた動体視力を有しているので、動くモノに対して非常に敏感に反応します。

したがってヒトが製作した1秒間に30フレーム程度のテレビ映像では、動画としてではなく、コマ送り画像の連続としてとらえているようです。

ただし視力に関してはヒトよりも劣っており、色の判別ができない全色盲と考えられています。

特に赤色に対してはほとんど反応しないようです。

盲導犬を始め、信号機(の赤)には反応できるのですが、これは赤色を識別しているのではなく、訓練の成果であり、学習付けがなされて赤信号の位置を判別した結果であると考えられています。

イヌは試行錯誤をして結果を学ぶ!

イヌは全般的に高い知能を有しています。

犬種により、かなり優れた学習能力を示すものもいます。

記憶力も非常に高く、また試行錯誤をして、その結果を学ぶという能力も有します。

飼いイヌなら飼い主に怒られるために、その失敗を隠すような行為もしますし、相手をしっかりと識別し、その態度を変えることはよく知られています。

犬種は変種!?

イヌはもっとも古くから家畜化された動物だと言われています。

現在、タイリクオオカミから一万五千年以上前に分化した亜種と考えられていますが、これはDNAの分析結果からも明らかのようです。

わずか一万五千年という短期間では、一般には種分化とは考え難く、したがって『イエイヌ』は独立種ではなく、まだ亜種の段階だととらえられているようです。

その生物学的に『わずかの期間』に、ヒトによって多種多様な犬種が作りだされています。

これらは『イエイヌ』の亜種間同士での交配によるものなので、亜種よりさらに下位の分類である『変種』に過ぎません。

しかしあまりに多様であり、多彩であるため、『犬種』という言い方が一般的になされているようです。

現在犬種は700~800とも、数千とも言われています。

ヒトの改良によって、より強くさせられた!

このように犬種は、その目的などに応じて積極的に改良されてきています。

なかでも、戦うことに特化されているものが多く、その強さも猛獣好きには気になるところです。

闘犬として、強いイヌ同士を戦わせることはもちろんのこと、狩猟犬や番犬としてときにライオンやクマなどの猛獣と戦うことを運命づけられたモノもいます。

イヌの攻撃は、歯を使った『咬み技』に限られますが、さらにその攻撃力をあげるために、アゴを強化して咬む力をレベルアップした種もいれば、大型化してその突進力や衝撃力を増強させたり、走力を上げて獲物を執拗に追い回したり、メンタルを強化してその闘争心や痛みに対する耐久力を引き上げたものまでさまざまです。

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イヌの走力~イヌは長距離ランナー向き!?

イヌ科の動物は、細長い四肢を持つので、走るのに適した体型をしています。

足が速くなければ、獲物に追いつくことができませんので、いかに攻撃力が高くてもその能力を発揮することできません。

また、もともと高い持久力が備わっているので、長距離を走り続けることに向いている犬種が多く存在します。

ですから犬ぞりを長時間引いたり、どこまでも執拗に獲物を追いかけていくことができるのです。

ちなみに世界最高峰と言われる犬ぞリレース『ユーコン・クエスト』では、凍ったユーコン川とその周囲の道なき道1600キロをわずか9~10日間で走り抜けます。

陸上最速のチーターの走力は!?

陸上の動物界では、チーターが最速の動物であると言えます。

その最高時速は75マイル(約121キロ)にもなります。静止状態から時速62マイル(約100キロ)に達するまでに要するのはわずか5秒ですので、スポーツカー以上、スーパーカー並みの加速力と言えます。

そしてそのトップスピードをおよそ500メートルほど維持することできます。

プロングホーンもかなりのもの!

次に速いと言われるのはプロングホーンと呼ばれる北アメリカにいる鯨偶蹄目プロングホーン科の草食動物です。

別名をエダツノレイヨウと言います。

時速61マイル(約98キロ)で走った記録がありますので、最高速度はもっと早いと言われています。

心肺能力が発達していますので、チーターよりも長くトップスピードを維持することできます。

かつて北米にもチーターがおり、それから逃れるために速く走れるように進化したという説があります。

イヌの中で最速なのはグレイハウンド!

さて、これほど速く走ることができる動物に匹敵するイヌがいるでしょうか?

イヌの中で最速だと言われるのはグレイハウンドです。

本来はウサギなどの小動物を狩るための狩猟犬でした。俊足でスタイルの美しい犬種でしたので、ヨーロッパでは、貴族にしか所持・飼育が認められない特別なイヌでした。

その速さを買われ、ドッグレースで活躍するほどです。

最高速度は時速70キロほどですが、わずか30mでトップスピードに達するほどの瞬発力があり、チーターに次ぐ短距離のエースでもあります。

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俊足の犬種は他にもたくさんいる!

このほかにも足の速い犬種は多くいます。最高速度が時速40キロ以上に達する、おもな俊足の犬種を挙げてみましょう。

ボーダー・コリー

非常に賢いイヌとして有名ですが身体能力も抜きん出ています。トップスピードは、時速40キロを超えます。

ドーベルマン

獰猛な警察犬・軍用犬としても有名ですが、スピードも速く、時速40キロ以上で犯人を追い詰めます。

ウィペット

イングランド産のグレイハウンドとテリア系の犬種を交配させた犬で足が長く可愛げのあるのが特徴です。時速55キロ以上のスピードを誇ります。

ワイマラナー

ドイツが原産の大型犬で、シルバーやグレーの光り輝く毛色をしています。目の色は琥珀または青みがかった灰色で、非常に気品を感じさせるイヌです。

足は長めで時速55キロ以上のスピードで走ります。

ボルゾイ

ロシア原産の大型犬で、足は長く顔が小さく細いのが特徴です。金色の毛と長い尾を持ちます。

「ボルゾイ」とは、ロシア語で「敏速」という意味です。その名の通り、時速50キロ以上で突っ走ります。

ダルメシアン

白い毛色に黒いブチが印象的なイヌです。ディズニーの「101匹わんちゃん」のモデルにもなっています。

非常に活動的で、走ることが大好きです。そのスピードは時速50キロ以上に達します。

アフガン・ハウンド

アフガニスタン産のハウンド犬です。グレイと白が混じった体色で、大きな体、長い足と小さな頭、長い体毛が特徴です。50キロ以上のスピードが出ます。

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ビズラ

ハンガリー原産の大型犬で、正式には「ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ」と言います。

茶色の体色をしており、引き締った身体は筋肉質であり、活発に行動します。

走るスピードは60キロを超えると言われますが、泳ぐのも得意で水陸共に優れた運動能力を示します。

サルーキ

非常に古くから存在する犬種で、別名を「ガゼル・ハウンド」とも称します。アフガン・ハウンドの祖先とも考えられており、大きくて細身の身体と長い足、小さな頭が特徴です。

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見た目は優雅なイメージですが、スピードばかりでなく持久力にも優れています。

このように早く走ることができるイヌは、狩猟犬など獲物を追うことを目的に作られてきました。

獲物を追うことを宿命づけられていますので、非常に攻撃的な犬種が多いのです。

アメリカの咬傷事故に見る危険度ランキング

今度は、アメリカ国内でのヒトやその飼いイヌへの咬傷事故を参照にはじき出した危険度の高いイヌのランキングがありますので見てみましょう。

あくまでヒトとその飼いイヌに対する危険度で、強さを表わすものではありません。

第10位グレートデン

オスの成犬では90キロ以上にもなる大型かつ獰猛なイヌです。正しいしつけをすれば温厚なイヌになりうるのですが、しつけを誤ると殺人マシーンにもなりかねない危険性をはらんでいます。幼児を咬み殺した事故を起こしています。

第9位ボクサー

もともとの血統は狩猟犬であり、攻撃用または護衛用として飼われていました。

強靭なアゴと咬みつく力が非常に強いことで知られています。

非常に警戒心が強く、用心深くて心配性な面も持ち合わせていますので、番犬向きです。
飼い主を咬み殺す事故を起こしています。

第8位ウルフ・ハイブリッド

イヌは本来オオカミの子孫であり、亜種でもあります。

現在でも野生のオオカミとの交配が可能で、特にオオカミの血を色濃く受け継ぐ混血的な存在がこの「ウルフ・ハイブリッド」です。

野性味が強くヒトに慣れにくいので、多くの州では飼育が禁じられています。

1979年からの20年間で14人もの犠牲者を出しています。

第7位アラスカン・マラミュート

アラスカを代表する犬種の一つで、元々は犬ぞりを引くのに使われていた労働犬です。

威嚇しながら小さな動物を捕らえるのに優れており、他の小型犬を殺傷する事故をよく起こします。

第6位シベリアン・ハスキー

ハスキーもマラミュート同様、犬ぞりを引くことで知られています。

非常にエネルギッシュで運動能力に長けた犬種であり、歴史的にもペットにされることなく、労働犬として飼われてきました。

シベリアン・ハスキーは1979年からの20年間で15人の犠牲者を出しています。

第5位ブル・マスティフ

オスは60キロにもなる威圧感のある大型犬です。番犬の血統ですので、非常に攻撃的ですが、しつけをきちんとおこなえばヒトに対して従順なイヌになります。

飼い主の元を脱走して死亡事故を起こすことが多い犬種です。

第4位ドーベルマン

警察犬•軍用犬の代表格のようなイヌです。飼い主に対しては従順ですが、知らないヒトに対しては敵とみなすことが多いので、とても攻撃的です。

体の大きさと獰猛さ、力強さと威圧感がありますので、訓練をされていてもヒトを襲う危険性は常にあるといっても過言ではありません。毎年のように咬傷事故が起こっています。

第3位ジャーマン・シェパード

警察犬としての採用ナンバーワンの犬種です。

咬む力が非常に強く、108キログラムに達するほどだと言われています。

自分よりも小さな犬種を襲う傾向が見られます。

訓練を受けている場合がほとんどですが、その性質上咬傷事故は絶えません。

第2位ロットワイヤー

1993年から1996年の4年間での犬による咬傷事故での死亡事例のおよそ半数が、ロットワイヤーによるものでした。

驚くべき体力やスタミナがあり、咬む力ではシェパードをはるかに上回る120〜150キロにも達します。攻撃的で非常に危険な犬種なのです。

第1位ピット・ブル

ピット・ブルは現存の犬種の中で、最も攻撃性が高く、危険な存在だと言われています。

アメリカ国内では、年間に20人以上の犠牲者が出るほどです。

しつけが非常に重要で、攻撃的な性格を抑えなければ飼育は困難です。

特に子どもへは、理由なく襲いかかるほどで、咬傷事故の半数以上がピット・ブルによるものだとされています。

多くの国で、その攻撃性があまりに危険なために飼育が禁止されています。

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イヌの戦闘能力の総合評価

さてここからは、攻撃能力を総合的に見てみましょう。

あえてランキングは付けずに、攻撃的といわれるイヌを26種ほど挙げてみました。

イヌは、本来、しつけをしっかりとおこなっていれば、危険な動物ではありません。

しつけをまったくしていなかったり、不適切に行ってしまうとヒトや他のイヌを攻撃してしまい、被害を与えてしまうことになるのです。

いずれも、敵に回して狙われてしまうと恐ろしいツワモノ揃いです。

秋田犬

もともと山間地域で作られた日本在来種です。スピッツ犬と呼ばれ、耳が立ち、口の先がとんがっているのが特徴です。

いわゆる秋田犬して国内に存在する犬種と海外に輸出されて発展したアメリカン・アキタの2種に分けられます。

剛健で独立心や支配欲が強く、見知らぬ人に対しては攻撃的です。

ただし飼い主とその家族に対しては非常に従順でもあります。

土佐犬

茶色の体毛で筋肉質の獰猛な大型犬です。体重が60~90キロ、体高も80センチに達するほど大きくなります。

闘犬として作られた品種であるため、その性格は凶暴です。海外に輸出されていますが、ヨーロッパでは飼育に制限が加えられています。

日本国内でも死亡事故を起こしています。

狼犬(ウルフ・ハイブリッド)

イエイヌとヤマイヌ(オオカミ)の交配種です。

両方の性質を受け継ぎ、特にオオカミの血を濃く受け継ぐ混血的な存在のものが珍重されています。

こういう犬種では野性的な一面が強く出ることもあります。

野性味が強い場合にはヒトに慣れにくいので、しつけが非常に難しいのですが、うまくしつけることができれば、飼い主との信頼関係はかなり強くなると言われています。

アメリカン・バンドッグ

ブルドッグの親玉のような、いかつい顔と筋骨隆々の身体が特徴です。

アメリカン・ブルテリアとナポリタン・マスティフとの交配種です。

もともと闘犬ではありませんが、闘犬として利用されることもあります。

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アメリカン・ブルドッグ

筋肉質の巨体を持つ犬種です。

本来は農場を守る番犬・実用犬として作られました。

牛を追いかけて番をし、外敵である野生動物を撃退します。

陽気で好意的な反面、頑固で自信家であると言われています。

アラスカン・マラミュート

アラスカを代表する犬種の一つで、シベリアン・ハスキーと同系統の犬種です。

体重は30~40キロでがっしりとしています。

本来は犬ぞりを引くための労働犬です。独立心が強いのでしつけるのは難しく、番犬やペットには向きません。

ストレスがたまると凶暴になり、小型犬などを殺傷することもあります。

イタリアン・コルソ・ドッグ

古代イタリアにいたと言われる、絶滅した種を復活させた犬種です。

漆黒の身体と土佐犬のような筋肉質の頑強なボディをしています。体重は70キロ近くに達する大型犬です。

闘犬や番犬、狩猟犬として活躍してきました。

グレート・デン

オスの成犬では90キロ以上にもなり、体高が111センチに達する個体もあり、世界一背の高いイヌでもあります。

狩猟犬として作られた獰猛なイヌであり、ドイツではシカやイノシシを狩るためのイヌとして利用されています。

全身が黒い毛でおおわれています。

コーカシアン・シェパード・ドッグ

家畜を守る番犬として作られた犬種ですが、独特の風貌と相俟って、非常に野性味のある勇敢かつ凶暴な性格のイヌです。

シベリアン・ハスキー

北極圏で犬ぞりを引くための労働犬とされてきた大型犬です。

ドッグレースや犬ぞりレースでは抜群の成績を上げています。非常に持久力があり、運動能力は優れています。

ヒトに対しては友好的だと言われていますが、ペットとしては不向きです。

また小動物に対しては非常に攻撃的で、実際に捕食することもあります。

ジャーマン・シェパード

ドイツ原産の代表的な警察犬です。実際に各国で採用されています。

体重は30~45キロに達し、賢く警戒心が強い犬種です。足も速く、執念深く犯人を追跡して、追い詰めます。

訓練を受けていても、その対応次第で相手に咬み付くことがよくあります。

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セントバーナード

『アルプスの少女ハイジ』で有名なスイスとイタリアアルプスで生まれた超大型犬です。

山岳地帯の救助犬として活躍しており、非常に高い能力を示します。しっぽが長く巨大でもあります。

性格は温厚だと言われていますが、その体格ゆえにしつけを誤ると、相手にけがをさせてしまうほどの体力があります。

過去最大級では体高99センチ、138キロの個体がいました。

チャウチャウ

中国原産で、ふさふさした毛を持つ体重20~30キロほどの中型犬です。

その外見からライオンドッグと呼ばれることもあります。独立心や警戒心が強く攻撃的でもあります。

不審者を見分ける能力に長け、ときに凶暴になるために、ヒトが犠牲になることもしばしばあります。

青舌と呼ばれる青黒い舌を持つのが特徴です。

食用犬として飼われている場合も多く、肉が食べられ、毛皮をはぎ取られ、骨は漢方薬にされ、無駄なく利用されてきました。

ドゴ・アルヘンティーノ

筋肉が発達して、精悍な面構えの白色の大型犬です。

南米出身で、イノシシやピューマを狩るための狩猟犬として作られました。

かなり高い運動能力を持っていますが、あまり攻撃的ではなく人を襲うことはほとんどありません。

ところがイギリスではその容姿ゆえか、危険な犬種である『特定犬』に指定されてしまいました。

ドーベルマン

ジャーマン・シェパードと並び、警察犬•軍用犬の代表格のようなイヌです。

飼い主への忠誠心の強さと賢さで知られる、現在最も優れた警備犬と言われています。

1890年にカール・フリードリッヒ・ドーベルマンによって作り出されました。

体重は30~40キロになり、脚も速く、獲物に対しては非常に攻撃的になります。

バセンジー

中央アフリカ生まれの狩猟犬です。

視覚が非常に優れているため、獲物を嗅覚よりも視覚で見つけ出すと言われています。俊敏で活動的な犬種です。

見知らぬ人に対しては非常に攻撃的です。

独立心が強いためにしつけがしにくいとされています。

パキスタン・ブルドッグ

ブル・テリアとインドのシンド・マスティフとの交配種です。

闘犬として作られたので、剛健で怪力の持ち主でもあります。

闘争心にあふれ、一度火が付くと抑えが利かず、攻撃を続けてしまいますので、そのコントロールが難しいと言われています。

ピット・ブル

現存の犬種の中で、最も攻撃性が高く、危険な存在だと言われています。

一般的にピット・ブルと呼ぶ場合には、アメリカン・ピット・ブル・テリアやスタッフォードシャー・ブル・テリア、アメリカン・ブルドッグを含んでいることがあります。

もともとは牛を倒すために作られた犬種のために非常に攻撃性が高いのです。

実際にアメリカ国内では、ピット・ブル類による死亡事故が全犬種の半分を占めているのです。

世界の多くの国で、その攻撃性があまりに危険なために飼育が禁止されています。

ブラジリアン・ガード・ドッグ

その名の通り、護衛犬として作られた、茶色のたるんだ皮膚を持つブラジル産の大型犬です。

マスティフが先祖です。

追跡能力が高く、非常に攻撃的でもありますが、獲物を追い詰めても指令者が来るまで攻撃を待つことができるので、逃亡した奴隷や犯罪者の追跡でも活躍しました。

ただし非常に警戒心が強いので、危険な犬種として飼育を禁止している国もあります。

ブル・テリア

巨大な頭を持つ白い犬種です。見た目に非常にインパクトがあります。見かけによらず筋肉質であり、闘犬として利用されています。

自分よりも小さな動物に対しては非常に攻撃的になります。

ブル・マスティフ

オスは60キロにもなる威圧感のある大型犬です。番犬の血統ですので、非常に攻撃的ですが、しつけをきちんと行えばヒトに対して従順なイヌになります。

飼い主の元を脱走して死亡事故を起こすことが多い犬種です。

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ペロ・デ・プレサ・カナリオ

黒い体毛を持つ大型犬です。本来は家畜を守る番犬として作られました。

幼犬時にきちんとしたしつけがなされないと、非常に攻撃的になります。

他のイヌやヒトに対してもしばしば攻撃することがあります。

ボーア・ボール

南アフリカ原産であり、マスティフをもとに、家や農場の番犬として作られました。

ボクサーにも似た精悍な体つきであり、外敵に対して容赦のない攻撃を加えます。

ただし飼い主とその家族に対しては非常に忠誠であり、従順です。

ボクサー

もともとはそれほど攻撃的ではないとされてきましたが、咬傷事件は多数あります。

ドイツ生まれで、体重は20~30キロほどの中型犬です。

マスティフ系です。

賢く、よくヒトに懐きます。

『断耳』と言い、耳の整形を施されることが伝統的にありました。

もともとの血統は狩猟犬であり、攻撃用または護衛用として飼われていました。

強靭なアゴと咬み付く力が非常に強いことで知られています。非常に警戒心が強く、用心深くて心配性な面も持ち合わせていますので、番犬向きです。

ただし飼い主を咬み殺す事故を起こすことがあります。

ロットワイヤー

牧牛犬、警備犬としての素質を持った犬種です。強靭な筋肉質で、精悍な面構えをしています。

咬む力ではシェパードをはるかに上回る、攻撃的で非常に危険な犬種なのです。

2005~2013年の統計では、イヌによる死亡事故の2割近くがロットワイヤーによるものとされています。

ローデシアン・リッジバッグ

南アフリカで作られた、ライオン狩りに特化したゴールド色の犬種です。

集団でライオンを追いまわし、疲れさせて飼い主の到来を待ちます。

とても賢く、飼い主には非常に従順ですが、それ以外になつくことはあまりありません。

したがって飼い主以外が咬傷事故に遭うことが多いのです。

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イヌとオオカミの交雑種『狼犬』!

狼犬(ろうけん)と呼ばれ、英語ではウルフ・ドッグ、ハイブリッド・ウルフ、ウルフドッグ・ハイブリッドなどとも呼ばれています。

特にオオカミの血が75%以上の個体は、容姿もオオカミによく似ており、非常に珍重されています。

大型の犬種であり、嗅覚、聴覚は通常のイヌよりも優れています。

正式な犬種としては、サーロス・ウルフホンドとチェコスロバキアン・ウルフドッグのみが認められており、その他は雑種扱いにされています。

性質もオオカミに近いためにヒトに懐きにくく、しつけることも容易でありません。

ただし一度ヒトをリーダーとして認めた場合には従順で強い絆が結ばれるようです。

闘犬の元祖〜ブル・バイティング

13世紀頃からイギリスの貴族が始めたとされるのが、『ブル・バイティング』という遊び(娯楽)です。

杭につながれたウシに対して、獰猛なイヌたちがそれを取り囲み、咬みつく攻撃を繰り返して、最後は牛を倒すという残酷なものです。

これが賭けの対象にされ、最初にウシの鼻に咬みつき、ウシを倒したイヌの持ち主には高額の賞金が支払われました。

『ブル・バイティング』は大衆的な娯楽として人気を博し、イギリス全土に拡がり、1835年に禁止されるまで各地で盛んにおこなわれていました。

ブル・バイティングで勝つためにイヌたちは改良された!

この『ブル・バイティング』で勝利して多額の賞金を得るために、イヌたちは体形や体格ばかりでなく、性格までもが改良されるように交配され続けたのです。

すなわち、アゴを強化して咬みつく力を増したり、鼻を低くして咬みながらでも呼吸が楽にできるようにしたり、角ですくい上げられないように重心を低くした戦闘体勢を取れるようにしたり、ウシの角で突かれても傷を負わないために皮膚をたるませたり……。

大型化して体重を増したり、獰猛で好戦的、攻撃的な性格のイヌに変えられていったのです。

『ブル・ドッグ』の名の由来も、実はこの娯楽から来ているのです。

『ブル・バイティング』は1835年に禁止法ができるまで続けられていました。

ただ一説によれば、通常の肉牛に比べ、ブル・バイティング後に『屠殺』された牛の方が肉の味が良かったと言われています。

残酷な娯楽を正当化するためのこじつけのような気もしますがね……

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ブル・バイティングの禁止後、イヌ対イヌの闘犬に発展していった!

『ブル・バイティング』が禁止されると、このような娯楽はイヌ同士を戦わせる闘犬に発展して行きました。

ブルドッグはその役割を終え、今度はブルドックとテリアを交配させたブル・テリアが闘犬の主役にされるようになりました。

こうしてイヌたちは人間にとって都合の良いように改良され続け、膨大な数の犬種が生み出されてきたのです。

ちなみにブルドッグは、改良に改良を重ねた結果、自然分娩ができず帝王切開でしか子どもを産めなくなってしまいました。

オオカミは群れで行動する

イヌの先祖であるオオカミは、群れを作って集団で行動します。

通常、この群れは家族からなり、一組の夫婦と未成熟の子どもで成り立っています。

子どもが成長すると、オスでもメスでも群れを離れて単独で生活をするようになります。これが一匹オオカミと呼ばれる単独行動の個体です。

やがて一匹オオカミ同士でペアを作り、家族を形成していきますが、場合によっては群れの家長を倒して、家族ごと乗っ取ることもあるようです。

イヌの社会には厳格な順位がある!

こうした社会性を持つオオカミの血を受け継ぐイヌですから、当然集団行動にもよく適応します。

そして群れの中には必ず序列(順位)が存在しています。

2匹(2頭)のイヌが一緒にいれば、そこには上下関係が存在しているのです。

イヌ社会では、10匹(10頭)イヌがいれば、まずリーダー(ボス)を筆頭に、きちんとした順位が決定されます。

一度決定された順位は厳格に守られ、集団の『掟(おきて)』のようなものですから、簡単に覆されたり、リーダーの地位を狙う下剋上のようなことは起こりません。

そしてこの順位はイヌたちの生活にとって実は必要不可欠なものなのです。

順位付けはイヌ社会では絶対に必要なものだった!

リーダーは常に最初にエサにありつき、すべて最優先の扱いです。

そして上位の者の命令は絶対ですので、下位の者はけっして反抗や反撃は許されません。

下位の者は我慢し、おとなしく待つしかないのです。

こうした順位制度は、イヌ社会に弊害をもたらすようなものでなく、むしろ集団で生活しやすいものなのです。

逆に順位付けがないと、各個体は相手が判らず、不安を感じて落ち着いて生活できないようです。

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順位付けは生まれた時から始まる!

この順位付けは、実は生まれた時から始まるのです。

一緒に生まれた兄弟であれば、母イヌのおっぱいを争うことで最初の順位が決定します。

まだわずかしか動けず、目も見えない状態であるのに、良いポジションをキープしようと必死で這いまわるのです。

好位置につけた個体はそれだけ成長が早く、大きくなっていきますので、子イヌの段階ですでに兄弟間でも優劣が決まってしまうのです。

順位確認のマウンティング!

イヌ社会の順位を確認する行為がマウンティングです。

順位が上のイヌが下のイヌの背後から上に乗りあげます。

一見交尾をしているようにも見えますが、オス同士、メス同士でも行われ、前後が入れ替わることは決してありません。

もし家で飼っているイヌが、あなたにマウンティングをしようとしたらそれは、あなたを自分よりも下に見ているということになります(笑)

下位の者は安心して生きていかれる制度でもある!

ただしこの上下関係は、下の者が生きていく上で圧倒的に不利ということではありません。

集団が外敵に襲われた場合、まずリーダーが、続いて順位が上の者が群れを守る義務を負っているからです。

ヒトの集団のようにリーダーを守ろうとするのではなく、リーダーが率先して外敵と戦い、下位の弱い者を守らなければならないのです。

ですから下位の者はみんなに守られて安心して生きていかれる半面、リーダーになった途端に強いストレスを感じて、異状をきたす個体もあるのです。

イヌにつきまとう恐怖の狂犬病!

イヌの代表的な病気に狂犬病が挙げられます。

ただし狂犬病そのものはイヌのみならず、ヒトにも伝染する、狂犬病ウイルスによって引き起こされる致死性の感染症です。現在、発病してしまうと治療法はなく、3~5日以内に死亡してしまう恐ろしい病気なのです。

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日本国内では絶滅しているが・・

日本国内では、1957年以降、ヒトの狂犬病の感染はありません。

しかし外国で野生動物やイヌなどに咬まれたことが原因で帰国後に発症し、死亡した例はあります。

狂犬病ウイルスに感染し、ヒトへ伝播させる動物としては圧倒的にイヌが多く、特に野良犬は要注意です。

その他、ネコ、サル、オオカミ、キツネ、アライグマ、スカンク、リス、コウモリなどが挙げられます。
また流行地域としては、日本、オセアニア、英国以外となっていますので、ほぼ全世界と言っても差し支えありません。

狂犬病ウイルスは脳に向かう!

狂犬病ウイルスが、野生動物などに咬まれることでヒトの体内に侵入すると、ウイルスは神経の走行に沿って、脳に向かって進んでいきます。脳に達すると致命的な脳炎を引き起こし、それによって死に至るのです。

狂犬病の感染は、感染している動物に咬まれることばかりでなく、コウモリの洞窟内に漂っているウイルスを吸い込んだり、感染した動物の死体の処理時などでも起こります。

感染してもすぐには発症しない!

ヒトの体内に侵入した狂犬病ウイルスが神経細胞内を進むスピードは、一日に数ミリから数センチほどと言われていますので、手や頸を咬まれるよりも足の先を咬まれた場合の方が脳までの距離が長いので、発症が遅れることになります。

ですから狂犬病の潜伏期間は、通常20~90日ほどになりますが、咬傷後一年以上経過してから発症した例もあります。

これは脳に達するのにかなりの時間を要することに由来しています。

発症するとけいれんや麻痺が起こる!

狂犬病の典型的な症状としては、まず傷口の痛みやかゆみ、頭痛や発熱が認められます。

その後不安感や興奮などを繰り返し、呼吸障害や嚥下障害を起こしやすくなります。

特に水を飲もうとした時に咽頭部の筋肉にけいれんを引き起こすので、狂犬病特有の恐水症(水を異常に恐れる)が現れます。

狂犬病が発症してしまうと、もはや現代医学では手の打ちようがありません。

有効な治療法はないので、ほぼ100%が死に至ります。

また発症後、物音や光などのちょっとした刺激によりけいれんを起こしやすく、呼吸不全を起こしてこん睡状態に陥ると、やがて死に至ります。

このほかに、けいれん主体でなく、麻痺が主体となる症状が現れるタイプがあります。

この症例では、狂犬病ウイルスは脳ではなく脊髄に侵攻し、背部に麻痺が生じ、やがて延髄まで進むと呼吸困難となり死に至ります。

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狂犬病の正確な診断は困難!

現在、狂犬病の発症前にウイルスを検知することができませんので、正確な診断は困難だと言えます。

そのため流行地域に生息する野良犬を含めて野生動物に咬まれたり、傷口を舐められたりした場合は、狂犬病の感染を疑い、すぐに予防接種を受けなければなりません。

放置してしまうと取り返しがつかなくなってしまうからです。

原因動物を捕獲できれば、その脳や神経組織から病理学検査でウイルスを検出できる可能性はあります。

何にせよ、感染が疑われる場合は、発症する前の早期の予防接種が不可欠だということを覚えておいてください。

野良犬に咬まれたら、すぐに医療機関を受診すること!

万が一、狂犬病の流行地域で、感染が疑われる動物に咬まれた場合、すぐに傷を水道水と石けんでよく洗い、ポピドンヨードなどで消毒して医師の診断を受けてください。

通常はすぐに予防接種を受けることになります。

これには狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンが用いられます。狂犬病ワクチンは、細胞培養により不活化したモノを用い、5~6回繰り返して接種します。

ワクチン未接種のヒトについては、抗狂犬病特異的ヒト免疫グロブリンを使った血清療法をおこないます。

咬まれた後、3日以内に投与されないと効果がないとも言われますので、早急な対処が必要です。

ただし日本国内ではこの血清は未認可であり、在庫もありません。

国内で狂犬病が発症した例は60年もありませんので、そういった準備がなされていません。まあ、当然と言えば当然ではありますが……。

流行地に行き野生動物と接する可能性がある場合には事前に接種を!

もし、流行地で感染した可能性がある場合には、現地で早急に医療機関を受診しなければなりません。

ただし流行地域でも免疫グロブリンは入手困難な場合があるので、野生動物と接する可能性がある場合には、あらかじめ渡航前に国内で予防接種をしておいた方が安心・安全です。

狂犬病の基礎免疫を作るために、日本国内では3回法の予防接種がおこなわれています。

初回接種後4週間で二回目を、さらに半年から1年以内に3回目の接種をおこないます。

ただしWHO(世界保健機関)では、1カ月以内に3回の接種を推奨しています。

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インドは最大の狂犬病発生国!

WHOによれば、狂犬病により全世界で毎年3~5万人もの死亡者が出ています。

アジア、アフリカではおもに狂犬病を発症したイヌに咬まれることから、南北アメリカでは吸血コウモリに吸血されることによる感染が多いのです。

特にインドでは、年間3万人もの狂犬病が原因の死者を出しており、ワクチン接種よる治療者だけでも年間100万人に上ります。インドに行く際には十分注意してください。

狂犬病は犬を凶暴にする!

狂犬病に感染したイヌは、凶暴になり、興奮してヒトや他の動物に容赦なく咬みつきます。

咬みつくことで感染をさらに拡げてしまうのです。

発症したイヌは、甲高い鳴き声を上げることが多く、水を恐れます。

通常は発症後3~15日程度で死んでしまいますが、それまでの間、凶暴性を増して怖いもの知らずになりますので、何にでも立ち向かっていき、咬みつきまくる可能性があります。

この状況が『最強』あるいは『最凶』のイヌの姿なのかもしれません。

どうかイヌを飼っている方は、狂犬病の予防接種をお忘れなく!

(ライター オニヤンマ)

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