コアラは、双前歯目・コアラ科・コアラ属で現存する唯一の種です。
ここではコアラとその寿命について紹介します。
コアラの生態
コアラは、オーストラリア東部の森林地帯やユーカリの林などに生息しています。
コアラの体色は背面が灰色で、腹面が白色です。
体長は65センチ~82センチ、体重は4キロ~15キロ程度です。
北部に生息するコアラよりも、南部に生息するコアラのほうが体が大きい傾向にあり、また、体毛も長くなっています。
コアラは、単独性で2頭以上でいることはほとんどありません。繁殖期にのみ、オスとメスが一緒にいたり、またメスと子供が一緒にいたりします。
コアラは樹上で生活しています。といっても、木の葉を集めたり、樹洞を利用したりといったことはせず、特定の巣は持ちません。
地上に下りることはほとんどありません。数メートルほどの距離なら樹間を飛び移ります。
コアラは1日のうち18~20時間を睡眠するか休んで過ごします。
もっとも活動的になる時間は、早朝および夕方です。これを薄明薄暮性といいます。
以上のように、コアラの生態はナマケモノに非常に似ています。
ただし、ナマケモノが変温動物であるのに対して、コアラは体温をほぼ36℃に保つ恒温動物です。基礎代謝量もナマケモノの30倍近くあります。
なお、樹上で生活しているコアラの天敵は、大きめの猛禽類です。
大きめの猛禽類(ワシやタカ)は、腕力がとても強く、人間の赤ちゃんをさらったり、チワワのような小型犬をさらったりすることがあります。
コアラは、重くても15キロ程度なので余裕で狩られてしまいます(カンムリクマタカなどは、35キロもある動物を狩ります)。
参考までに、元AKB48の板野友美さんは、身長154センチ、体重36キロです。
カンムリクマタカにギリギリ捕獲される重さなので、開けた土地では上空に気をつけたほうがいいかもしれません。
コアラの寿命
コアラの寿命は、野生では10年~13年、飼育下では15年程度といわれています。
以下は、飼育下での長寿記録です。
- ラム 23歳11ヵ月 東山動物園
- ミク 23歳 天王寺動物園
- タムタム 22歳 多摩動物公園
- ハク 21.7歳 天王寺動物園
- 好(よし) 21歳 淡路ファムパーク イングランドの丘
- アルン 19歳11ヵ月 天王寺動物園
コアラのその他雑学 その1
2009年4月に、日本国内の動物園で飼育するコアラのおよそ9割が、白血病の原因ウイルスに感染していることがわかりました(日本動物園水族館協会調べ)。
ウイルス感染とコアラの寿命との因果関係は不明ですが、日本のコアラはオーストラリアのコアラより短命の傾向にあります。
コアラのその他雑学 その2
コアラの食性は草食性で、ユーカリやアカシア、ティーツリーの葉や芽を、1日に500グラム~1キロも食べます。
ユーカリの葉は、昆虫や野生動物に食べられるのを防ぐために、タンニンや油分が含まれており、消化が悪く動物のエサとして適しません。
というわけで、コアラは、ユーカリの葉を盲腸で発酵させて毒素を分解し、消化吸収します。ちなみにコアラの盲腸の長さは2メートルです。
コアラは、普段は水分をユーカリなどの食物からのみ摂取します。
そのため直接水を飲むことは滅多にありません。
ただし、火災などでユーカリの葉が焼けた場合や、猛暑で脱水症状におちいった場合は、水を飲みます。
最近は温暖化の影響からなのか、直接水を飲む姿がよく目撃されています。
コアラのまとめ
以上、コアラとその寿命についていかがでしたか?
コアラといえば、けものフレンズのゲームアプリでは、序盤から仲間になる貴重な回復キャラでした。
ゲームのコアラは、ユーカリの葉から作られたパップという食べ物で仲間を回復してくれるのですが、実はこれは、コアラがユーカリの葉を体内で分解して排泄したモノを赤ちゃんに離乳食として与えているのが、元ネタだったりします。お尻から出たモノを食べさせるなんて、なかなか厳しい絵面ですよね。
と。
なんだか最後にちょっと汚い話になっちゃいましたけど、それはさておき、この記事がコアラに興味をもっていただくきっかけとなれば幸甚です。
(ライター ジュン)