キノコには様々な形がありますが、中にはとても奇抜な姿をしたものもありますね。

今回紹介する「ウスキキヌガサタケ」もその一つ。

 

ぱっと見にはキノコとは思えない、なんともユニークな姿をしているんです。

ウスキキヌガサタケの生態や外見の特徴、毒はあるのか?食べられるのか?などの疑問についてまとめてみました。

ウスキキヌガサタケってどんなキノコ?

ウスキキヌガサタケはスッポンタケ科に属するキノコです。

名前は漢字で書くと「薄黄衣笠茸」。

 

その名の通り、キノコの周りが薄く黄色いレース状のドームのようなもの(菌網)で覆われているのが特徴。

ドレスを纏っているように見えることから、「キノコの女王」とも呼ばれています。

 

中国、韓国、インド、熱帯アメリカに分布しており、日本でも主に西日本において確認されています。

ただし、国内ではかなり数が少なく、県によっては絶滅危惧種にも指定されているのです。

 

ウスキキヌガサタケの姿を一度は生で見てみたいですが、見つけるのはとても難しそうですね。

しかも菌網がきれいな状態で見られるのは明け方の3~4時間ほどらしいですから、もしも美しいウスキキヌガサタケの姿を見ることができたら、とてもラッキーですよ。

初夏と秋に孟宗竹林や杉林などに発生、愛媛県では赤松林やヒノキ植林地などで確認された例もあるそうです。

 

ウスキキヌガサタケ自体の大きさは約8~25cm。

見た目はブナシメジのような細長いキノコという感じですが、思ったよりも大きいですね。

 

こんな大きなキノコが更に菌網で包まれているとなると、かなり目立ちそう…。

成長したウスキキヌガサタケはアンモニア臭とムスク臭が混ざったような異臭を放ち、それにより昆虫などをおびき寄せているのではないかと考えられています。

おびき寄せた昆虫に胞子を運んでもらい、次の世代へと交代していくそうなのですが、まだまだ謎の多いキノコなのではっきりとしたことは分かっていないそうです…。

 

かなり特徴的な見た目なので、他のキノコと間違えることはまずないとは思いますが、同じ仲間の「キヌガサタケ」「アカダマキヌガサタケ」は形がソックリ。

しかし、最大の特徴である菌網の色が全く違うので間違えることはないでしょう。

ウスキキヌガサタケが黄色なのに対し、キヌガサタケやアカダマキヌガサタケは白色をしています。

毒はあるの?食べられる?

美しくはあるけれど、どう見ても食べられる気がしないウスキキヌガサタケ。

もし毒キノコだと言われても納得してしまいそうです。

 

そんなウスキキヌガサタケですが、実際に食べることはできるのでしょうか?

答えは「イエス」、食べることはできます。

残念ながら菌網の部分は食べることはできませんが、菌網と臭い部分以外は食べることができ、けっこう美味しいそうです。

中国では中華料理の材料として知られており、日本国内にも乾物として輸入されていることも。

 

国内に自然発生しているウスキキヌガサタケは希少ですが、高知県では食用として人工栽培が行われ、観光資源として活用する試みがなされているんだとか。

普通なら死ぬまでに一度も食べることはないキノコなので、もし高知県辺りに観光に行く際には食べてみるのもいいかもしれませんね。

ウスキキヌガサタケについてのまとめ

とてもレアで見た目もユニークなキノコということで、採集するため、写真に収めるためにウスキキヌガサタケの群生地を見つけようとする人はたくさんいます。

しかし、知識もなく慣れていない人が踏み入ることで、これから出てこようとしているキノコを傷つけてしまう場合もあるのです。

できればキノコの事に詳しいガイドさんに同行してもらうのが望ましいですよ。

(ライター もんぷち)