日本のアニメのキャラクターが動物の名前になっているなんてこと、皆さんはご存知でしたか??
ベトナムで発見された不思議な生き物、その名もトトロカギムシです!
トトロカギムシの生態
トトロカギムシはベルベットワームと言われる動物の新種で、2007年にベトナムで見つかりました。
分布は南米、アフリカ、東南アジア。
湿った土の中や腐った木、石の下などに隠れて暮らし、雨季にしか姿を現さないことから、5億4000万年前から形を変えずに生息していたことに、近年まで気づかなかったという、曰くつきの生物でもあります。
体長は6㎝ほどで暗褐色の体をしていて、見た目はまるで昆虫のようですが、分類上は無脊椎動物になり、一種で独立している孤立種でもあります。
暗褐色の体で腹側は若干、赤みを帯びています。薄い皮膚で覆われた体は液体で満たされていて、液体の加圧によって強度が保たれています。
全身は独特な形の毛で覆われ、オスは23対、メスは24対の肢をもっています。
肢に一切の関節はなく、ゆっくりとした動きしかできませんが、その歩き方は独特で、確かに昆虫というよりは動物の一種であると納得してしまうような動き方です。
触角が2本あり、その下にゴマ粒のような円らな目が隠れていて、腹側には口があります。口の側には液腺があり、そこからべとべとした白い粘液を出して獲物を捕食します。
食性は肉食で主に昆虫。捕食方法は動きを妨げる混合物が含まれた唾液を対象の昆虫にシュッと吹きかけることによって相手の動きを封じ、粘液と一緒に絡めとるという仕組み。
まるで霧吹きのストレートモードで吹きかけたかのように出る粘液は離れたところにいる昆虫の動きも見事に封じてしまうほどです。
トトロカギムシは見た目のトロさに似合わない、隠れたハンターと言っても過言ではないのです。
一説によると出しすぎた粘液を回収して自ら食べたり、なるべく小さな生き物を狙って、粘液を節約する習性もあるのだとか。
トトロカギムシの「トトロ」
まさか、海外で見つかった新種に日本のアニメの名前が付けられているなんて、想像もつかない話ではありますが、実際にトトロカギムシの「トトロ」は「となりのトトロ」からついた名前なのだそう。
たしかにトトロカギムシの足の数はトトロのネコバスを連想させますし、アニメの世界の中に入ったら、何の違和感もなく、アニメの一コマとして走り出しそうな気もしてきます。
実際にはアニメの中のねこバスの足の数は12本で、これは3匹の猫が合体したものだからなのだそうですが・・・。
とにもかくにも、改めて宮崎駿さんの偉大さ、日本のアニメの世界への影響力を目の当たりにした次第です。
(ん・・・・・?一説によると発見者がたまたまジブリ好きだったとも?)
ちなみに上半身をそった姿や、円らな瞳を見るとかなり可愛い生物であるということがわかります。
捕食する時以外の姿は実にキュート!!なんならネコバスカギムシでも良かったんじゃない?
ペットとして飼ったら、虜になってしまうかもしれないような可愛さです。
トトロカギムシのまとめ
トトロカギムシは南米、アフリカ、東南アジアに生息する2007年に発見されたベルベットワームの新種。
全長6㎝ほどで普段は湿った土の中や腐った木、石の下に隠れて暮らしている為、その姿を見ることは殆どない。
5億年以上も前から生息していたと考えられている。
触角の下にある液腺から噴射する粘液で対象の昆虫の動きを封じて捕食する。
オスには23対、メスには24対の肢があるが、すべてに関節はなく、ゆっくりとした動きしかできない。
トトロカギムシの名前は形態がネコバスのようであることにちなんでつけられた。
(ライター ナオ)