クジラが座礁すると地震が起こるという話を聞いたことがあるだろうか?
そんな都市伝説のような噂の真相を探ります!
クジラの生態
クジラはい世界中の海に生息している大型の哺乳類で、大きくハクジラとヒゲクジラに分けられます。
特に決まった生息場所はなく、回遊しているが、エサを求めて南北の両極付近に集まることがあるのは良く知られているところですが、南半球と北半球での行き来はないと言われています。
前肢は胸鰭のような形になり、後肢は退化しています。
鼓膜や三半規管はありますが、耳殻は無くて耳の穴も塞がっており、聴覚は骨伝道によって行われています。
陸生の哺乳類と同じく鼻孔をもち、肺呼吸をします。
体温は一定で、繁殖は母体の子宮内で成長したのち、母乳で大きくなります。
摂食から出産、育児までを完全に水中で行い、睡眠も水中で採りますが、研究によると右脳と左脳を交互に休ませているので、睡眠をとりながら泳ぎ続けることが出来るのだそう。
逆に陸に上がることはできず、短時間でも皮膚が乾いてしまったり、浮力のない所で自分の体重に内臓が圧迫されるなどして臓器不全が起こってしまったりするのだそうです。
クジラは頭の良い動物で、超音波を用いて周辺の環境の確認や獲物の採取、仲間とのコミュニュケーションをとっています。一説によると、対象物の骨格まで、まるでレントゲンのように認識しているのではないかと言われています。
今回のテーマである座礁の話も、このエコーロケーションという超音波に関係してきます。
クジラの座礁と地震の関係
クジラのエコーロケーションは潜水艦や海底地震の際に出る低周波と同じ音域と言われています。
このため、昔からクジラが座礁すると地震の前触れとして恐れられてきたという歴史があるのです。
要は、海底地震による日常にない超音波が出ることによって、通常のエコーロケーションに狂いが出て、的確な位置判断が出来ずに座礁する、という考え方です。
しかし、クジラの座礁と地震の関係は科学的には何の立証もされていません。
もともと立証が難しいというのが一番の理由ですが、日本においては地震の数があまりにも多く、それがクジラと因果関係があるのかどうかの関連付けが非常に難しいのです。
しかも、地震の他にも座礁の原因はいくつもあると考えられています。
細かく分類すると19もの理由が挙げられるのだとか・・・・。
耳腔の障害やエコーロケーションの反射が上手くいかず乱反射や無反射してしまうことで方向感覚を失うと言ったもの等。
座礁には単独で座礁するものと集団で座礁するものがいて、それぞれは種類ごとの特徴があると言われています。
クジラの中ではハクジラの中のゴンドウクジラの仲間に集団座礁が多いそうです。
長年、集団座礁は家族の一頭がはぐれそうになったのを他の家族が皆で守ることによって起こると考えられてきました。
しかし、近年DNA鑑定の結果、集団座礁しているクジラたちに血縁関係は全くないということがわかり、集団座礁の原因はもっと他のことにあると考えられるようになりました。
ニュージーランドの大量座礁
最近の大きなニュースとして2017年の2月、ニュージーランドの南島最北端にあるフェアウエルスピット海岸で416頭のゴンドウクジラが集団座礁しました。
この海岸では2015年にも200頭のクジラが座礁しているのだそうで、そのたびにボランティア団体などの手により高潮に乗せて海にかえす作業が行われるのだそうですが、なぜ座礁したかに関して、原因はわかっていないそうです。
クジラと座礁の関係のまとめ
クジラは肺呼吸をする哺乳類。
エコーロケーションという超音波を使った方法で地形や対象物を把握し、仲間とのコミュニケーションをとる。
昔から、クジラの座礁は地震と関係しているのではないかと言われているが、科学的根拠はない。
(ライター ナオ)