みなさんは、「ピンポンツリースポンジ」という生き物を知っていますか?
名前だけ見ても、生き物なのかどうかすらよくわからないですよね。
生き物というよりは、観葉植物とかお菓子の名前っぽい。
もしくは、台所の便利グッズとして100均で売ってそうな名前。
ピンポンツリースポンジとは一体、どんな生き物なのでしょうか?
今回はそんな謎の生き物、ピンポンツリースポンジについて、詳しく見ていきたいと思います。
ピンポンツリースポンジってどんな生き物?
ピンポンツリースポンジは、カリフォルニア・モンテーレ湾の深海に生息している海綿動物です。
まず、「海綿動物」って何?ってなっちゃいますよね。
海綿動物は最も原始的な生き物で、感覚器や神経などを持たず、岩や海藻などにくっついて暮らしています。
細かい網目状の海面質繊維からなる骨格を持っており、合成樹脂のスポンジが発明されるまでは、この海綿動物から作ったスポンジが使われていたんですよ。
(有名なキャラクター「スポンジボブ」も、実は海綿動物なんです。知っていましたか?)
名前のイメージが台所用品っぽいのも納得ですね。
ピンポンツリースポンジは見た目は近未来の植物という感じでとても不思議ですが、名前そのまんま。
まさに「ピンポン(の玉がついた)ツリー(木のような)スポンジ(海綿)」。
放射状に伸びた枝(腕?)の先がピンポン玉のように丸くなっており、青白く光ります。
CGだと言われても、納得してしまいそうですね。
ちょっとおしゃれな間接照明みたいにも見える…。
私達のイメージする「動物」とはちょっとかけ離れているピンポンツリースポンジですが、ものも食べるし卵を産んで繁殖もする、立派な動物なんです。
ピンポンツリースポンジはピンポン玉部分に近寄ってきた小型の甲殻類やプランクトンなどを餌としています。
餌が玉に触れた瞬間、繊維でからめとって捕まえるんだそうですが…想像がつきませんね。
しかもピンポンツリースポンジを含む海綿動物は各器官が細分化されていないんです。
つまり消化器などがあるわけではないので、一体どうやって体の中に取り込んで消化・吸収しているのか…。
長い長い海綿動物の寿命
ピンポンツリースポンジのような海綿動物は、とても寿命が長いことで有名です。
どのくらい長いのかというと、なんと数千年以上。
人間の寿命なんて、彼らの寿命のほんの数パーセントしかありません。
基本的には餌に困ることもなく、ほぼ外敵もいないため長生きするのだと言われています。
特に深海や南極圏など水温の低い場所に生息するものは、成長スピードがゆっくりなためより寿命が長いそうです。
しかし浅瀬で発見された海綿動物でも約2300歳と推測されるものもあるようなので、最長寿の海綿動物となると一体何千歳なのか想像もつきません。
その100分の1でいいから寿命を分けてほしい。
ピンポンツリースポンジだけじゃない!不思議な海綿動物
ピンポンツリースポンジはとても不思議な生き物ですが、海綿動物の中には負けず劣らず不思議なやつがたくさんいます。
その中からひとつピックアップして紹介しますね。
「コンドロクラディア・リラ」
こちらも深海に棲む海綿動物で、体の中心部から放射状に伸びた枝からさらに何本もの枝が垂直に伸びています。
この枝の先は小さな鉤状になっており、これに小さな甲殻類などを引っ掛けて捕食するそう。
見た目はハープみたいでキレイですが、生き物って言われるとなんだか納得がいきません…。
まとめ
謎の生き物ピンポンツリースポンジ…実際に見てみたいけれど、生息地はカリフォルニアだし水族館にもいない。
やはりまだまだ謎の多い生き物なので、人の手で育てるということは難しいのかもしれません。
いつかピンポンツリースポンジが気軽に水族館で見られるようになればいいなと思います。
(ライター名 もんぷち)