巨大な姿で悠々と泳ぐジンベイザメを見たことがありますか?

600万年前から地球上にいると言われるジンベイザメ、その正体に迫ります。

ジンベイザメの生態

ジンベイザメはテンジクザメ目ジンベイザメ科に分類される現生する魚類の中で最も大型の魚です。

体長は10m以上、記録のある最大のもので13.7m。

世界中の熱帯、亜熱帯、温帯地域にの表層海域に広く分布していて、ラグーンや珊瑚環礁、湾内や河口にまで回遊してきます。

メスは特定の海域にいることが多いのですが、オスは広い海域を単独で泳ぎ回ります。

 

餌の豊富なところでは時折群れを成すこともあるようです。

紡錘形をしており、頭部が最も幅広くて大きく、1.5mほどあります。

 

扁平な形の頭部の正面両端には小さな眼がついていて、1.5mほどにもなる大きな口には細かな歯が300~350本槌ています。

腹部は白に近い灰色で、他の全ての部分は色合いが濃く、灰青色。

 

頭部と胸ビレ、尾ビレには短黄色の斑点があり、胴部には白い格子の中に短黄色の斑点が配された独特の模様を持っています。

西洋ではこれをチェス盤の模様に例えることもあるようです。

この模様は個体差があり、個体識別の時にもとても役立つのだとか。

 

皮膚は厚く、10㎝ほどにもなり、尾ビレは三日月形で下部がやや小さくなっています。若い個体は上の部分が目立ち、下はほぼ見えないほどです。

エサはプランクトンや小魚、海藻などで、口の中に海水ごと大量に含み、櫛状の器官でエサを濃しとった後、脇の鰓裂から水だけを放出します。

 

より効率的な摂食をする為に、体を垂直に傾けることもあるらしく、飼育する時には最低でも10mの深さは必要だと考えられているようです。

ジンベイザメの泳ぎは遅く、通常は時速4㎞ほどでゆったりと泳いでいます。

 

最高速度でも時速13㎞ほどというのだから、かなりゆったりのんびりです。

温厚な性格で人が接しても危険はないと言われています。

 

年に一度卵胎生で300程の子供を産みます。産み落とすときには40~60㎝ほどのサイズになっていて、性成熟するまでには30年かかります。

寿命は60~70年、長寿の個体は150年という記録もあります。

ジンベイザメの名前の由来

ジンベイザメは背中の模様が甚平のようなところから名づけられました。

各地に様々な呼び名があり、関東地方ではエビスザメなどとも呼ばれています。

 

これは、ジンベイザメの摂食する海域に沢山のイワシやカツオもいるということから、ジンベイザメのいる付近で漁をすると大漁になる可能性が高いことから付けられた名前のようです。

ジンベイザメが見られる水族館

ジンベイザメが見られる水族館は日本に3か所あります。

美ら海水族館と海遊館、そしていおワールド鹿児島水族館です。

 

海遊館は本州で唯一ジンベイザメが見られる水族館で、4mとやや小型ではありますが、目の前を泳いでいくのその迫力は満点です。

美ら海水族館は世界で初めてジンベイザメの飼育を成功させた水族館です。

 

超巨大なジンベイザメが直立してエサを食べる姿を見れる姿は圧巻です。

世界最大級の水槽で飼われています。

 

いおワールド鹿児島水族館ではジンベイザメが5.8mになったら海にかえすという方法で飼育しているので、やや小型のジンベイザメになりますが、それでも迫力は十分です。

他には沖縄本土読谷村の海中生け簀内でも飼育されており、ここではスキューバーダイビングやシュノーケリングも可能でダイバー達には人気のスポットになっています。

ジンベイザメのまとめ

ジンベイザメは現生する魚類の中で最大の魚。

世界中の広い表層海域に分布している。

 

オスは広く回遊、メスは特定の海域にいることが多い。

独特の模様はチェス盤に例えられることもある。

日本では海遊館、美ら海水族館、いおワールド鹿児島水族館で見ることが出来る。

(ライター ナオ)