かば焼きが美味しいウナギ。ウナギのかば焼きやうな丼には興味があっても、ウナギという魚そのものになんて興味がない!なんて言わないでくださいね。

ウナギは実は稚魚の頃、違う名前で呼ばれているってご存知でしたか?

ウナギの特徴と生態

ウナギ科ウナギ属に属する魚類の総称で、世界中の熱帯から温帯にかけて分布しています。

ニホンウナギ、オオウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギ等世界で19種類が確認されています。

種類や地域によっては食用とされ、日本でもニホンウナギが古くからかば焼きやうな丼などの調理方法で食べられてきました。

漁業、養殖が広く行われてきましたが、近年は国外からの輸入が増えています。

 

「うなぎ」は遊泳速度が遅く、ヘビのように体を横にくねらせて波打たせることで推進力を得て移動しています。

一般的には淡水魚として知られていますが、海で産卵・孵化を行い淡水にさかのぼってくる降河回遊(こうかかいゆう)という生活形態をとっています。

 

臭覚がとても優れていて、その感度は犬並みと言われています。

ニホンウナギは日本をはじめ、朝鮮半島からベトナムまで東アジアに広く分布しています。

 

河川生活を行っている時は黄色をしていて、海洋生活期には銀色に見えます。

成魚は全長1mほどにもなり、細長い体型で体に断面は円形デス。

目は丸く、口は大きく、体表は粘膜に覆われてぬるぬるしていますが、皮下に小さな鱗を持っています。

腹ビレはなく、背ビレ、尾ビレ、臀ビレが繋がっています。

体色は背中側が黒く、腹側は白いのですが、野生個体には背中側が青緑色や灰褐色、腹側が黄色の個体もいます。

 

また、産卵のため降海した成魚は背中側が黒色、腹側が銀白色になる婚姻色を生じ、胸ビレが大きくなります。

成魚が生息するのは革の中流から下流、加工、湖などですが内湾にも生息しています。

細長い体を隠すことが出来る砂の中や岩の割れ目などを好んで、日中はそこに潜んでじっとしています。

 

夜行性で夜になるとエサを求めて活発に動き出し、甲殻類や水生昆虫、カエル、小魚など色々な小動物を捕食します。

鰓の他にも皮膚で呼吸できるため体と周囲が濡れてさえいなければ陸上でも生きることが出来、度々路上に出現することもあるほどです。

ウナギの稚魚

ウナギは産卵場所の南方の海で孵化した仔魚はレプトケファルスという体長5㎝程の透明な平たい生物になります。

 

この名前で呼ばれるのは他にもアナゴやハモ等のウナギ目の生物の他にも、カライワシ目やソトイワシ目の魚類がいて、つまり多くの種類のレプトケファルスがいるということになるわけです。

 

体長が大きいものでは1m程になるのだそうです。

日本沿岸まで黒潮に乗って北上したレプトケファルスは変態してシラスウナギと呼ばれる稚魚に成長します。

 

その後河川などの淡水に上がってシラスウナギとして5~10年生活し、成魚になり海に戻って生殖、産卵を行います。

日本でシラスウナギが確認されるのは主に鹿児島、高知、静岡などの川で、この段階で捕獲してその後成魚まで育てるのが養殖です。

 

養殖では栄養価の高いエサやホルモン剤を投与するので、成魚になるまで期間を2~3年に縮めることができます。

日本で市場に出回っているうなぎの99%は養殖のもので、天然はなかなか出回っていません。万が一出回っていたとしてもその値段は養殖と比べるとはるかに高いのが現状です。

 

シラスウナギは近年乱獲がすすみ、その数は減少し、絶滅が危惧されているほどで、卵殻成魚まで育てる完全養殖技術の必要性が増しています。

技術的にはすでに成功しているものの、育成コストがかかり、量産化するまでにはまだ時間がかかりそうです。

(ライター ナオ)