ハナビラクマノミという何とも優雅な名前のクマノミをご存知でしょうか?
熱帯魚ファンの人なら聞いたことがある人も多いはず。
今回は人気もあるハナビラクマノミの生態と生育方法についてお話ししていきます。
ハナビラクマノミの特徴と生態
ハナビラクマノミはスズキ目スズメダイ科クマノミ亜科クマノミ属に分類されるクマノミです。
奄美諸島以南やインド洋、西太平洋に分布しています。
サンゴ礁域の礁域などの他、礁斜面やドロップオフなどの潮通しの良い外リーフに生息していますが、沖縄近海で見られるクマノミの中では比較的珍しい種類です。
体長は9㎝程で、体色はセジロクマノミやスカンクアネモネフィッシュよりもオレンジ色が淡く、どちらかというとピンク色に近い色をしています。
スカンクアネモネフィッシュに鰓蓋を通る白い横帯を加えた感じで、他のクマノミに比べると小型の種になります。
ハナビラという名前の付くクマノミですが、花というほどの華麗で華やかな印象はなく、名前も昔飼育方法が確立していなかった時代にまるで花びらが散るように死んでしまったところからきているのだそうです。
シライトイソギンチャク、センジュイソギンチャク、ハタゴイソギンチャク、タマイタダキイソギンチャク、ロングテンクタルアネモネ等と共生していて、他のクマノミ類と同様に雄性先熟型の雌雄同体魚で体の小さいサイズがオスで体の大きなサイズがメス。
通常は2~3匹ほどの未成魚からなる小さな群れで生活していて、自然下での寿命は3~5年で、付着藻類などを食べます。
ハナビラクマノミとセジロクマノミの違い
ハナビラクマノミとよく似たクマノミにセジロクマノミというクマノミがいます。
色も大きさも似ているのですが、セジロクマノミにはハナビラクマノミにある白いラインがありません。
また、性質も違います。
ハナビラクマノミはセジロクマノミに比べるととても臆病です。飼育する時などは他の魚と混泳させることは基本的にはできません。万が一混泳させる場合はスズメダイ類のみで行うのが無難です。
自分より大きな魚を見つけるとなかなか水槽内で泳ぐことはせず、しっかりと隠れるシェルター等がないとかなりのストレスになってしまいます。
あまりストレスが溜まると病気になったり、エサを食べなくなってしまうほどです。
ハナビラクマノミの飼育
ハナビラクマノミの飼育は混泳にさえ気をつければあまり難しいものではありません。
水槽の大きさは最低でも30㎝ですが、最大体長は12㎝程になりますので、イソギンチャクと一緒に飼育するのであれば60㎝くらいの大きさは必要です。
イソギンチャクは必ず霜必要というわけではありませんが、ビジュアル的にも入れておくと映えます。ただし、花笠サンゴなどのサンゴは身体を擦りつけて傷つけてしまう場合が多いようなので注意が必要です。
アクアリウムショップなどで1200円ほどで購入することができます。
適温は23~28℃で、水温の変化や水質の変化に強いので真夏の温度上昇でも耐えることができます。
スズメダイ系と同じくらいの水質悪化にも耐えられる種なので、初心者の方が長期飼育するのも難しくありません。
エサは人工餌のメガバイトレッドがおすすめです。生餌の場合はブラインシュリンプが良いでしょう。
餌付けはあまり難しくないので、それほど神経質になる必要はありません。
飼育もしやすく、うっすらとピンク色の体色がとてもオシャレなハナビラクマノミ。
女性を中心に人気のあるクマノミをぜひ飼育してみてはいかがでしょう。
水槽の中を眺めているだけで、ゆったりとした気持ちになれるのでおすすめです。
(ライター ナオ)