砂からチョコンと顔を出す姿がなんとも可愛い「チンアナゴ」。

近頃では水族館でも定番の魚で、専用水槽などが作られているところもあるほどです。

 

あまりの可愛さに、家でも飼育してみたい!と思っている人も多いのではないでしょうか。

しかしチンアナゴは見ての通り、普通の魚とは生態が全く違う…。

そこで今回は、チンアナゴは一般家庭でも飼育できるのかどうかについてまとめていきたいと思います。

チンアナゴの生態

まずはチンアナゴの生態から詳しく見ていきましょう。

チンアナゴはインド洋、西太平洋の熱帯域に生息している魚で、日本でも高知県から琉球列島にかけて分布しています。

体はとても細く、また小さく見えますが…じつは全長は約40㎝!

思いのほか長い…。

 

普段私たちが目にするのは大部分が砂に隠れている姿だということです。

(あの姿を見ていると、ちょっと引っ張り出してみたくなりますよね。)

 

ちなみに、体全体の約3分の2は尻尾です。

チンアナゴにとって砂の中は身を守る絶好の隠れ家となっており、危険を感じると一瞬で穴の中へと引っ込んでいきます。

 

それではなぜ、水族館で見かけるように上半身(?)だけ穴から出してユラユラと漂うような仕草をしているのでしょうか?

その答えは餌を探すため。

チンアナゴは海流に対して顔を向けて、流れてくる餌(プランクトン)をキョロキョロと探しているのです。

 

ぜひとも捕食シーンを見てみたいものですが…なかなか水族館ではお目にかかれません。

そこで!次はいよいよ一般家庭での飼育について見ていきましょう。

チンアナゴの飼育について

「きっとチンアナゴなんて一般家庭では飼育できないだろう…」と諦めている人に朗報です。

チンアナゴは家でも飼育することができるんです!

飼育の仕方やポイントについて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

生体の値段は?

チンアナゴの値段は、2000~3000円と意外にもリーズナブル。

ただし飼育用の海水魚としてはメジャー種というわけでもないので、取り扱っているお店は少ないようです。

水槽について

チンアナゴは40cmほどになるので、水槽も60~90㎝のものを用意しましょう。

他の海水魚と大きく異なるポイントは、「底砂の厚さ」。

 

普通の海水魚は数センチで大丈夫ですが、チンアナゴの場合は十分穴を掘って隠れられるように最低でも15cmは底砂を敷かなければなりません。

砂+水で水槽はかなり重くなりますから、設置場所はよく吟味してください。

水質について

水はもちろん海水です。

寒さに弱いため水温は常時23~25度を目安にしましょう。

熱帯性の魚ではありますが、極端な暑さにも強いわけではないので注意。

餌について

自然界ではプランクトンを餌にしていますが、飼育下では人工飼料、または冷凍のブライシュリンプやコペポーダなどを与えます。

じつはチンアナゴの飼育で難しいのは餌付けで、気に入らない餌は餓死しても食べようとはしません。

早い段階できちんと餌の好みを把握しておき、もし食べなかった場合は生餌など様々な餌を試してみましょう。

その他注意点

チンアナゴはとても警戒心の強い魚です。

人間の気配を感じるとすぐに穴に引っ込んでしまいます。

 

「あれ、でも水族館のチンアナゴは全然引っ込まないよ?」と思いませんか?

じつはチンアナゴ、警戒心が強いものの、一度安全だと分かると人間に対して警戒をしなくなります。

 

いかに環境に上手く慣れさせることができるかが、観賞魚として育てるカギですね。

同じように他の魚との混泳も、基本的にはあまりおすすめできません。

しかしこれも上手く環境に馴染ませることができれば、不可能ではありませんよ。

チンアナゴについてのまとめ

チンアナゴは比較的丈夫な魚なので、水質の維持と給餌さえ確実に出来れば、飼育は難しくありません。

ただ食べ残しが多く水質が悪化しやすいし、水槽を掃除してくれる生き物との同居も難しい…そして餌を食べないと1週間ほどで死ぬこともある…。

そういった手間が必要なので、全くの海水魚飼育初心者には少し難易度が高いかもしれませんね。

(ライター もんぷち)