ベタという名前の魚を知っていますか?
名前の印象とは裏腹な、カラフルでゴージャスな魚です。
闘魚とも言われる、ベタという魚についてのお話です。
ベタの生態と寿命
ベタはスズキ目キノボリウオ亜目オスフロネムス科ゴクラクギョ亜科ベタ属に分類される
淡水魚です。ベタ属に含まれる50種類ほどの魚を言うこともありますし、その中の1種、ベタ・スプレンデンスを指してベタということもあります。
原産はタイのメコン川流域で、大きな河川や水田、洪水によって一時的に出来た水溜まりなどにも生息しています。
動物性のプランクトンやボウフラなどの昆虫の幼虫類などを捕食します。
オスは縄張りを持ち、なわばりに近づく他のオスや個体を攻撃し、これは野生下だけでなく、飼育下においても行われるために、2匹のオスを戦わせる遊戯も行われています。
品種改良が重ねられた結果、より気性の荒い品種が誕生し、闘魚の名前もつきました。
繁殖はオスが水草などの浮遊物を集め、そこに泡をつけた浮巣を作ることから始まります。
オスが激しくメスを追い回し、メスがクタクタに疲れたころを見計らってオスがメスの体に巻き付いて産卵を促します。メスが産卵したところで受精が行われ、落ちた卵をオスが泡巣に集めてオスが中心になって卵や稚魚の世話をします。
メスのベタは産卵後は疲労し、瀕死の状態になることも多く、時にはオスがそんなメスを攻撃することもあります。
ベタの品種
ベタは73種ほどが存在しますが、大きく4つの種類に分けることが出来ます。
闘魚として品種改良がくわえられた種類はプラカットと言われます。
闘魚として改良された結果尾ビレや背ビレに美しい模様が入ったものが更に品種改良され、観賞魚として色の美しさが目立つようになったものはトラディショナ。
トラディショナル・ベタをもとにして更に血統管理を繰り返し、ヒレを大きく扇状に広げ、様々な色が展開されているのがショウベタと言われます。
品種改良が加えられていない野生種のベタはワイルドと言われています。
トラディショナル・ベタは日本を含め世界中でペットとして楽しまれ、ショウベタは系統を維持する為に高度な飼育技術を要する趣味として人気があります。
ベタの飼育
闘魚として戦うイメージの強いベタですが、魚とは思えないほどの人懐っこい性格で、熱帯魚愛好家の中でもファンが多いのが実情です。
水槽の底にちょこんと座っているような体勢をとったり、水草の上にチョコチョコ動いて座ってみたりと一般の魚の行動とは違った行動をとるのも魅力の一つ。
一見調子が悪いのかと心配になるほど動かずにいることも多く、飼い主としてはハラハラすることも。
ベタの特殊な飼い方の一つに瓶飼育というものがあります。
ベタは空気をラビエンス器官というところにため込んで、呼吸することが出来るので、時折鰓からの呼吸で酸素が足りなくなると、水上に出てきて、口をパクパクし、空気を吸い込んで、再び水中に潜っていきます。
全体的に鰓呼吸が4割、空気呼吸が6割と言われるほど、この行動による呼吸は大きな割合を占めているのです。
水質は通常の熱帯魚飼育と同様でかまいません。比較的水質の悪化には強いのですが、急変には弱いので注意が必要です。
適温は20~27℃。
ジャンプ力があり、特にワイルドベタやプラカットなどは高くジャンプするので飛んだはずみで外に出てしまわないように蓋をして飼育するのが良いでしょう。
ベタの寿命
ベタの寿命は2~5年程と言われています。
5年を過ぎ、寿命が近づくと動きが鈍くなり、痩せてきます。闘争威力も落ちてくるのが普通です。
ベタの生態と寿命に関するまとめ
ベタはスズキ目キノボリウオ亜目オスフロネムス科ゴクラクギョ亜科ベタ属に分類される。
原産はタイのメコン川流域。
観賞用や闘争用として品種改良され、日本でも人気。
寿命は2~5年程。
(ライター ナオ)