みなさんは「ゴイサギ」という鳥を知っていますか?
あまり聞き慣れない名前ですが、じつはこの鳥の名前、とても立派な由来があったんです。
今回はこの「ゴイサギ」について、生態や名前の由来などをまとめてみました。
ゴイサギってどんな鳥?
ゴイサギはアフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、ユーラシア大陸などなど、とても広い範囲に分布している鳥です。
日本の北海道には夏鳥として、本州以南では留鳥として生息しており、冬季に南下する個体もいるそうです。
大きさは58cm~65cmほど、翼を広げると1m以上にもなります。
数字だけ見るととても大きな鳥のように思えますが、イメージとしてはカラスと同じくらいの大きさで、ゴイサギはサギの仲間の中では小型なほうなんですよ。
頭から背中にかけての青みがかった暗灰色の羽が特徴的で、目は赤くくちばしは黒。
後頭部にはまるで妖怪アンテナのような冠羽がついていますが、これは個体によってはないものもいるそうです。
幼鳥のころは褐色の羽毛に黄色の斑点がはいるので、それが星のように見えることから「ホシゴイ」とも呼ばれています。
そもそもゴイサギの「ゴイ」というのは、平家物語の作中で後醍醐天皇から「正五位」の位を与えられたことから来ています。
この位がどれほどすごいのかというと、現在までに正五位を与えられた有名人には野口英世が挙げられます。
そんな有名人と同じ位を与えられるって、ゴイサギすごい。
というか、なんでゴイサギがこんな位を貰うことができたのか…。
気になる人は平家物語を読んでみましょう。
ゴイサギの主食は魚で、他には水生昆虫、甲殻類、カエルなども餌としています。
夜行性のため夜になると水辺を歩きながら獲物を探します。
普段は首元が詰まったような姿をしていますが、魚を獲る時には首が長く伸びるんだとか。
一見、人間にとって害鳥になりそうには思えませんが、じつは夜の間に釣り堀や養殖場の魚などを食べてしまうこともあり、時には害鳥として扱われることも。
どんな鳴き声?
ゴイサギの鳴き声は「クワックワッ」といった感じで、カラスによく似ています。
夜行性で夜によく泣くことから、「夜のカラス=ヨガラス」と呼ばれることも。
餌を取りに行ったりなにか活動を始める時には、より激しく「ゴァーゴァー」と鳴きます。
河川、池、海岸、湿地などで見られますが、夜行性なのでバードウォッチングというわけにはいきませんね。
鳴き声が聞こえてくるのを楽しむ程度にとどめておきましょう。
もしもどうしても姿を見たい!という場合には、ねぐらを探してみるのもいいでしょう。
夕方に活動を始めたものや、昼間に活動する幼鳥を観察することができるかもしれません。
食べることができる!?
鑑賞用の鳥というイメージのあるゴイサギですが、じつは狩猟鳥にもなっているので、狩ってしまえば食べることも可能。
ただし、いつでも狩猟していいわけではなく、許可を取得した人だけが決められた期間にだけ狩猟することができるのです。
勝手に捕まえてはいけないので、注意しましょう。
さて、気になるゴイサギのお味ですが、肉は味が濃いのにクセがなくとても美味しいんだそうです。
しかしやはり野鳥なので臭みが気になるという人もいるようなので、そこらへんは好みの問題なのでしょうか。
細身で食べる所が少ないので、積極的に狩猟する人はあまりいないそうです。
ゴイサギについてのまとめ
正五位という位を与えられた偉い鳥ゴイサギ。
しかし現在では、養殖場や釣り堀を荒らす害鳥となってしまっています。
特にサギの仲間は執着心が強いので、追い払っても追い払ってもこりずにやってくるんだとか。
もし今の時代に後醍醐天皇がいたら、きっと位なんて与えてないに違いない…。
(ライター もんぷち)