動物園でも見ることのできるヤマアラシは可愛らしい顔と針を持った珍しい体のつくりのため人気もあります。

しかしその生態は意外と攻撃的で、あまりむやみに近づくと危険なこともあります。

今回はヤマアラシの生態や、ヤマアラシの持つ針について、そしてその針にまつわる話をしていきます。

ヤマアラシの生態

ヤマアラシは体長90㎝にもなり体重は大きいもので15㎏ほどに達します。

食性は草食よりの雑食で、主に草や木の葉、穀類を食べますが、顎が強いとも言われており木の根まで食べます。

また一応雑食なので昆虫も食べるとされています。

夜行性で、昼間は地面に穴を掘って寝ています。

基本的に単独で行動していますが、集団となって敵から身を守ることもあります。

 

そしてヤマアラシの一番の特徴と言えば体中から生えている針です。

実際は背中と体の側面に生えており、頭部はむき出しなので弱点とされています。

しかし針の生えている後面においてはほぼ無敵で、外敵から守ることができます。

 

この針によって肉食獣の攻撃から守ることができるのですが、本人としては防御というよりも攻撃手段に使っていることも多いようです。

自分から積極的に攻撃をしかける性質を持っており、尾を振ったり足を踏み鳴らすといった威嚇行為も確認されています。

 

さらに針のある背中を向けて突進して攻撃もします。日本で「ヤマアラシ」と呼ばれている理由には、この威嚇行為が関係しています。

威嚇で尾を振った際に出る音が山に吹く嵐のようであるということが由来しているようです。

ヤマアラシの針の構造

この針は数十センチもの長さをもっており非常に硬いことが特徴です。

その硬さは段ボールなどの厚紙はたやすく貫き、手袋などをしていても貫通してしまいます。

 

そのため動物がヤマアラシに襲い掛かって針に刺さってしまうと皮膚を貫いてしまいます。

また、この針は敵に刺さるとヤマアラシからは簡単に抜け落ちるという仕組みになっているため、針を刺すことによって自分も動けなくなるということはないのです。

針の使い方と刺さった場合の効果

普段ヤマアラシはこの針を寝かして生活していますが、危険を察知すると逆立てます。

威嚇の際にも針を逆立てて攻撃もしてきますが、この針による物理的な攻撃よりも刺し傷ができることによる感染症のほうが危険視されています。

ヤマアラシがそもそも狂犬病などの感染症の菌を持ち合わせていることが多いので、針に刺されると感染のリスクが急激に高まります。

使い方としては上記のように自ら後ろ向きに突進してくることがあり、刺さると針が抜け落ちることによって自分はその場から脱出することができるというやり口です。

複数の敵に囲まれて前方から頭を攻撃されるとひとたまりもありませんが、味方がいる場合には頭部を合わせて針の部分しか晒さないようにする戦法も取ります。

ヤマアラシを丸呑みしてしまった蛇の末路が悲惨

防御面においてめっぽう強いヤマアラシですが大型の蛇に丸呑みされてしまうということも起きてしまい、これにはさすがに敵いませんでしたが、呑み込んだ蛇もただでは済みませんでした。

これは南アフリカで4メートルもある巨大なニシキヘビがお腹をパンパンにした状態で死んでいたのが発見されたことが始まりでした。

 

大きく膨れ上がった腹部は何かを呑み込んだものと想定され、中を見てみるとヤマアラシが見つかったそうです。

ヤマアラシはもちろん死んでいましたが、ニシキヘビの体内に針を刺しまくって道連れにしていたのです。

ヤマアラシの針は巨大蛇も敵わないほどであった

このニシキヘビはメディアにも取り上げられ世界的にヤマアラシの針の脅威を伝えることとなりました。

そのほか様々な動物たちが被害を受けているので、ヤマアラシには手を出さないほうが賢明なのかもしれません。

 

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