海の生物の中には普段見慣れない恐ろしい形相をしたものや、変わった形状をしているものも多くす。深海のあれこれについて探っていきます。

深海の定義

深海は200m以上の海域のことを言います。

水深200mまでは太陽光の光で植物性プランクトンが光合成していますが、それより深くなると太陽光が届かないため生態系には大きな違いが出てきます。

深海を厳密に分類すると200~1000mまでは弱光層、それより深い場所は無光層、さらに細かい分類をする研究者もいます。

深海の最も深い場所は水深何メートル?

地球の海の平均水深は3,729mで海面面積の80%が深海部分に当たります。

水深4000~6000mには地球の表面積のほぼ半分を占めると言われている広大な深海底が広がっているのです。

最も深い場所は西太平洋のマリアナ海溝で、11,000mにも達します。

生き物にとってはどんな環境?

深海は高圧と低水温、暗黒、低酸素と生物が生息するには過酷な環境です。

人間にとっては10m以下ですべてのものが青く見え、200mを超えると色を感じない灰色の世界になります。

そして400mを超えるところで人の視覚では知覚できない世界になります。

 

深海では植物性プランクトンが生息できない代わりに古細菌類の割合が増加します。

水温は1000m以下の地点で急激に下がり、300~1000m付近には塩分濃度が急激に変化する塩分躍層と言う層が存在します。

 

200mまでの海水は基本的に循環していますが、それ以下の深海と表層部分の海水が混合することはありません。

もちろん、水圧は水深が深くなればなるほど高くなります。

深海にはどんな生き物がいる?

深海にいる生き物は体内の水圧と周囲の水圧を同じにしています。

そのため、急激に引き上げられたりすると、体内のガスが膨張し、爆発してしまうという現象が度々起こります。

 

また、わずかな光を捕らえようとするために眼球が発達し、芽の大きな生物も増えます。

私たちに馴染みの深い食用のものでは、サクラエビ、ヒゲナガエビ、タカアシガニ、ズワイガニ、タラ、キンメダイ、アコウダイ等々。

挙げればキリがありません。

 

かつては化石でしか存在していなかったシーラカンスなどの原始的な形態の生物も、深海の調査が進み、生息していることもわかっています。

人間は生身で深海に潜れる?

人間がスキューバダイビングなどで生身の体で安全に潜れるのは30mくらいまでと言われています。

それ以上になると窒素中毒を起こしたり、90mに達する頃には意識を失うと言われています。

深海の謎をさぐる潜水艦

水圧の問題のために、なかなか進まない深海分野の研究ですが、色々な技術を駆使した潜水艦も開発されています。

日本の所有する有人潜水探査船は「しんかい6500」。名前の通り水深6500mの所まで沈んでいくことができます。

 

3名の搭乗が可能で、うち2人はパイロットで調査員として搭乗できるのは1名。秒速0.7mで潜水し、一度の潜航可能時間は9時間ほど。

6500m地点に行くまでの時間は2時間かかります。

 

有人以外の探査機では「かいこう」や「ゆめいるか」があります。

「かいこう」は本船とケーブルでつながった無人深海探査機で、日本では最も深い場所まで行ける探査機。

 

「ゆめいるか」は主に海底の資源調査を行う自立型の無線探査機です

アメリカのアルビン号は有人の深海探査機で、深海4500mまで潜水することが出来ます

 

1964年に開発され、未だ現役という、耐久性に優れた探査機。パイロット一名ーバー2名の合計3名が乗車でき、これまで数々の発見をしてきた探査機です。

深海のまとめ

深海は一般的に200mより深い場所をいう。

深海は高圧、低水温、暗黒、低酸素と言った生き物にとっては過酷な環境。

 

深海の生物は独自に進化したものが多く、見慣れない形状のものも多い。

エビやカニなども実は深海の生き物。

日本には6500mまで潜水できる有人の深海探査船がある。

(ライター ナオ)