みなさんは「バナナムシ」という虫を知っていますか?

名前から想像できるのは、バナナにそっくりな虫かバナナを主食としている虫か…。

 

名前を知らないだけで、姿を見たら「あ、あの虫か!」と分かる人もいるかもしれません。

今回はそんな謎の虫「バナナムシ」について、生態など詳しくまとめてみたいと思います。

バナナムシってどんな虫?

実はバナナムシというのは一部の地域での呼び名で、正式名称は「ツマグロオオヨコバイ」と言います。

色がバナナに似ていることから、バナナムシという呼び名が付けられたそうです。

頭部は黄色い下地に黒の斑点があり、翅は黄緑色で先端だけ黒色なので、「あれ、言うほどバナナに似てない…」と思われるかもしれません。

しかしバナナムシは死ぬと黄色みが強くなり、よりバナナっぽさが出てきます。

 

一説ではバナナのにおいがするからバナナムシだという説もあるようですが、実際に嗅いでみてもバナナのにおいはしないそうです。

日本では本州以南に生息しており、国内で見られるヨコバイの仲間の中では最もありふれた種です。

 

危険を感じると横向きに歩いたり、バッタのようにピョンピョンと飛んで逃げることもあります。

いきなり予想外の動きをするので、ビックリしてしまう人もいるかもしれません。

 

この様子から「バッタの仲間なのか?」と勘違いされがちですが、バッタではなくカメムシの仲間です。

とは言っても臭いにおいを出したりはしませんが。

 

セミもカメムシの仲間なので、そう考えるとなんとなく納得できるような?

灯火に飛来したりもしますが、基本的に動きは遅く、簡単に捕まえることができます。

 

バナナムシは様々な植物の葉や茎から汁を吸ってエサとしています。

紫陽花、柑橘類、クワなどを好むとされていますが、これら以外にも様々な植物で見られるので、基本的にはどんな植物でも良いのかもしれません。

 

3月下旬ごろから活動を始め、6月頃に産卵、8月頃から新成虫が発生し、そのピークは11月頃まで。

幼虫は成虫とほぼ同じ形をしていますが、色は体全体が薄い黄緑色をしています。

バナナムシは害虫?毒はあるの?

バナナムシはとても鮮やかな色をしているので、「ひょっとして毒を持っていて、カラフルな色は捕食者に対する警告色なんじゃ…」と少し心配にもなりますよね。

しかし、バナナムシに毒はないので安心してください。

 

単体で見ればカラフルですが、葉の上にいるといい感じに保護色になっているんですよ。

それでは、全く人間にとって無害なのかと言うと、そうでもありません。

バナナムシは植物の汁を餌としています。

 

通常であれば少々汁を吸ったからと言って植物がダメージを受けるようなレベルではないのですが、大量発生すると植物にダメージを与えてしまうことも。

それでもよほどの数にならない限りは、「害虫」というくくりには入らないでしょう。

 

一方で、バナナムシとよく似ている「ツマグロヨコバイ」は、稲の害虫として有名です。

稲の汁を吸って枯らしてしまったり、病原体を稲から稲へと移しまくる、農家さんにとっては大変迷惑なやつなのです。

このツマグロヨコバイと混同されてバナナムシが駆除されてしまうこともあるようですが、とばっちりを受けてちょっと可哀そうですよね…。

バナナムシについてのまとめ

国内に広く分布している虫ですので、意外と知っている人も多かったかもしれませんね。

調べていると、意外と「バナナムシのにおいを嗅いでみたけど、バナナのにおいはしなかった」という報告が多くありました。

結構「バナナ」の部分について疑問に思っている人がいたことがわかって、ちょっと面白かったです。

みんさんも試しにバナナムシのにおいを嗅いでみてはどうでしょうか。

(ライター もんぷち)