夏になると大量発生する「羽アリ」。
夜になると、明かりがついた窓の外にビッシリ…なんて光景を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
体が小さいので網戸をしていても、どこからともなく室内にまで入り込んでくるやつもいますよね。
部屋の照明のカバーを外すと、中に羽アリの死体が大量にあることも…。
うっかり網戸すら閉め忘れたら、部屋の中が阿鼻叫喚。
それではそもそも、羽アリが大量発生する原因とは一体何なのでしょうか?
今回はそんな疑問や、羽アリの生態などについてまとめていきたいと思います。
羽アリの発生原因
アリと言えば、普通は羽なんてなく、地面を這っているイメージですよね。
そんなイメージが強いからか、「羽アリ」という羽の生えた種類のアリがいると勘違いしている人も少なくありません。
しかし羽アリとは、元々はシロアリやクロアリなど我々が良く知るアリに羽が生えたものなのです。
それではなぜ、地面を這っていたアリたちが、羽アリとなって大量発生するのでしょうか。
じつは私たちがよく目にしている地を這うアリは、そのすべてが働きアリである「メスのアリ」なのです。
正確に言えば、「産卵機能を失った、働きアリとしてのメスアリ」ですね。
彼女たちに羽は生えておらず、一生を同じ巣で過ごします。
そして4月から11月頃の暖かい時期になると、「次世代の女王アリ」と「オスのアリ」が羽化。
彼らが「羽アリ」の正体なのです。
時期が来ると次世代の女王アリは、たくさんのオスアリたちを引き連れて、新しい巣を作るために旅立っていきます。
そして空中で交尾を繰り返した後、新しく作った巣の中で卵を産み、働きアリを増やして巣を繁栄させていくのです。
つまり、私たちが「羽アリ」と呼んでいるものは、その全てが女王アリまたはオスアリということですね。
羽アリが発生したらどうしたらいい?
羽アリは、毒を持っていたり噛みついたりするわけではありません。
基本的にそういった意味での害はないのですが…部屋の中にまで入ってこられると、鬱陶しいし気持ち悪いですよね。
まずは進入路に殺虫剤などを散布して侵入を防ぎ、既に侵入したものについては掃除機で吸ったり粘着テープで駆除してしまいましょう。
羽アリは夜間の灯りに引き寄せられてやってくる場合がほとんどですから、なるべく光を外に漏らさないようにするのも効果的です。
ただし…もしも羽アリが「シロアリ」だった場合には要注意。
掃除機や粘着テープなどの対処療法だけで済ませてはいけません。
なぜなら、家に巣くっているシロアリから、羽アリが発生している場合があるからです。
その場合、早急にシロアリ駆除をしなくては、家に大きなダメージを与えてしまうかもしれません。
発生した羽アリがシロアリなのかクロアリなのかを良く見極めて、適切な対処をしましょう。
シロアリかどうかを見分けるポイントは、3つ。
- 前後の羽の大きさがほぼ同じ
- 体にくびれがない
- 触角がくの字に曲がっていない
これらに当てはまる場合、それはシロアリである可能性がかなり高くなります。
また、シロアリの羽は取れやすいので、羽ばかりがたくさん散らばっているという場合にもシロアリの可能性は高いです。
とりあえず家の中に侵入したものは掃除機等で駆除し、そのうち何匹かは捕獲しておきましょう。
そして専門家に相談し、それがシロアリだと確定したら、駆除や対策を行ってもらってください。
羽アリについてのまとめ
羽アリは種類によって発生時期が異なります。
そしてそれぞれが決まった時期に一斉に飛び立つので、信じられないほど大量発生してしまうのです。
とにかく、羽アリの被害を防ぐためには徹底的に侵入経路を塞ぐこと。
そして、万が一家の中から発生している場合はシロアリの可能性が高いので、専門の業者に駆除を依頼しましょう。
(ライター もんぷち)