時 期になるとどこからか大量発生する羽アリ。

思わぬところから家の中に侵入してくることもしばしば。

 

その光景は決して気持ちの良いものではありません。

羽アリが家の中に入ってくる理由とは何なのでしょう?また、その対策方法はあるのでしょうか?

家の中で見る羽アリの正体

日本に生息しているアリは273種類と言われています。

その中でも日常的によく見るのがアシナガアリ、クロオオアリ、クロヤマアリの3種類です。

アシナガアリはその名前の通り、足の長いアリです。体長は3~8㎜。べっこう色をしていて、森林地帯や山中の石の下のような湿った場所に生息しています。

 

クロオオアリは日本全土の平地に生息しています。体長は7~12㎜ほどで、光沢のない黒色をしています。

日本に生息するアリの中では最大の大きさ。公園や庭、里山などの日当たりが良く、乾燥した場所に巣をつくることが多く、アリの特徴としては、腹部に褐色の毛が生えていることです。

 

クロヤマアリは3種類の中では最も住宅地近くにいるアリです。灰褐色で体長は4~6㎜。

縦に1~2mほどの垂直な巣穴をつくることが多く、アリの胴体をつまんで持ち上げると、固まって動かなくなるという特徴があります。

 

家で見かける羽アリは、このクロヤマアリが多いと言われています。

他にもムネアカオオアリやミカドオオアリなど、住宅の立地条件によっては可能性のあるアリたちもいます。

 

羽アリの正体はこれらのアリたちが、古い巣から飛び立ち新しい巣へ移動する前の状態。

新しい巣を作る処女女王アリと空中で交尾する雄アリの2種類が、羽を持ち、飛び立つ準備をしています。

家の中で羽アリを見かけるのは、引っ越し前のこのタイミングのアリたちなのです。

シロアリにも注意

羽アリは引っ越し前のクロアリだけではありません。

あの、大変なシロアリにも翅があります。

両者の違いは発生時期と見た目の特徴です。

 

引っ越し前のクロアリは、胴体の頭部と胸部の間にはっきりとしたくびれがあります。

一方シロアリにはそのくびれがなく、頭部から腹部まで寸胴です。

 

他にもクロアリは触覚の形が「く」の字に曲がっているのに対し、シロアリはまっすぐ伸びているとか、羽の大きさも黒アリは前が大きく、後ろが小さいのに対し、シロアリは4枚の羽が同じ大きさであるなどの違いがあります。

また、シロアリは春だけ発生しますが、クロアリは種類によって春先から初冬まで長い期間、発生する可能性があります。

羽アリは何故家の中に?

羽アリは光に向かって飛ぶ習性があります。また、ちょっと隙間でも簡単に侵入することができます。

網戸の目の隙間でも、接触部分の隙間でも、思わぬ隙間から侵入してくるのです。

 

しかも、アリたちの引っ越しは決まって蒸し暑く、湿度の高い、窓を開けたくなるような日に行われます。

つまり、人が窓を開けて風を入れたいタイミングとアリたちが引っ越しをするタイミングが一致してしまうというのも一つの原因なのです。

羽アリの侵入を防止と駆除

防止対策としては、家の近くにアリの巣を作らせないように、事前に薬剤などをまいて予防しておくこと。

それでも入ってきてしまった場合には、侵入場所が簡単に塞げるのならばさっさと塞いでしまいましょう。

 

羽アリが家の中に大発生するのは決まって昼間や夕方。

v明かりを求めてやってくるわけですから、夜になり、電気も消してしまえば、また巣穴に戻っていきます。その時を見計らってテープや板、コーキング剤などで侵入口の穴を塞いでしまいましょう。

 

アリの移動は一時的なものですから、とりあえずは簡易的なものでも大丈夫です。

簡単にその処置が出来るのなら、問題はそれで解決です!

簡単に防ぐことが出来ない時は・・・・殺虫剤に頼るしかありません。

巣の大きさがどれくらいかわからないので、一日でおさまるとは限りませんが、見つける度に根気よく殺虫剤をかけ続けましょう。そのうち彼らの姿を見ることはなくなると思います。

(ライター ナオ)