フンコロガシと言えば名前の通り糞を転がす虫くらいのイメージしか無いですよね。
外国では『スカラベ(一群の黄金虫)』と言われていて、エジプトでは太陽の化身として崇められていたらしいです。
ブローチや宝石にフンコロガシの模様が刻まれた物を、お守りとして持っている方もいるんだとか。
あのフンコロガシが崇められるとは一体…。日本人には良く分かりませんね。
今回はフンコロガシの生態などについて紹介していきます!
フンコロガシは日本にもいるの?生息地・生態・食性について
フンコロガシの生息地は主にアフリカの砂漠や草原です。
日本ではフンコロガシは生息していませんが、奈良県のシカ公園で良く見られる『マメダルマコガネ』という虫が唯一フンコロガシをするそうです。
マメダルマコガネは体長が3mm程しか無いので、フンコロガシよりはかなり小さめですね。
フンコロガシの体長は0.2~17㎝で、体重は100g程あります。
動物の糞を餌にしていて、その場で直ぐに食べるのでは無く巣穴まで糞を転がして行って食べます。
ちなみに自分の糞も食べると言われたりもしますが、フンコロガシは自分の糞は食べません。
オーストラリアやアメリカでは、家畜などの糞を掃除してもらう為にフンコロガシを輸入しているんですよ。
きっとフンコロガシからすれば餌がいっぱいで転がし放題だから天国のような場所でしょうね!
糞を転がすのは食べる時だけでなく、発情期に入ったオスがメスを誘う目的で転がす時もあります。
無事に求愛が成功したらメスを糞の上に乗せて巣穴に持ち込み、さらに地面に穴を掘って交尾を始めます。
交尾を終えるとオスはその場から立ち去り、メスはオスが運んできて置いてくれた糞の中に卵を産みつけるんです。
孵化するまでメスは卵を守り、孵化するのを見届けたあと死んでいきます。
なので、フンコロガシの子供は親に会う事はありません。
糞の中で卵が孵化したあと、子供は早速糞を食べて栄養をつけ成虫になると糞から出て行ってフンコロガシとして生きていきます。
子供から大人になるまでの期間は一年で、その間はずっと糞の中で過ごします。
しかし見ていて思ったのですが、逆さまになりながら糞を転がせるなんて中々器用な昆虫ですよね。
フンコロガシの寿命は一年程生きるとされています。
フンコロガシが人間に与える益と害とは
人間に与える良い事と言えば上記でも触れましたが、家畜などの糞を綺麗に掃除してくれる事では無いでしょうか?
フンコロガシは小さい体をしている割に一日に食べる量が凄く多いので、100匹から200匹放って入れば糞を綺麗に平らげてくれると思います。
フンコロガシは毒も持ってませんし、人間に攻撃してくる事も無いので人間に与える害は特に無いと言えるでしょう!
少し余談ですが、フンコロガシは相当な力持ちらしく自分の体重の1141倍の糞の固まりを転がす事が出来るんだそうです。
大体どれくらいの力かと言うと、バス一台を軽々持ち上げれるくらいだそうです。
これがもし本当の話だったらちょっと怖いですよね…昆虫の域を超えてます!
フンコロガシについてのまとめ
今回はフンコロガシについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
普段目にする事が無い昆虫の事を知るのは面白いですね。
どうやらフンコロガシの生態はまだまだ謎な部分が多いんだそうです。
残念ながらフンコロガシは日本に生息していないので、画像や動画で観察する事しか出来ませんが奈良にはフンコロガシに近い昆虫が生息しているので行く機会があれば探してみて下さいね!
書いていて思ったのですが、こんなに『糞』という文字を一気に使ったのは初めてかも知れません。
ライター MISAKI