かわいい動物として有名な「ビーバー」は、齧歯目ビーバー科、ビーバー属に属する生き物です。
あまり知られていないのですが、和名では「海狸」、うみだぬきという名前なんだそうです。

ビーバーといえば、その巣が独特とされています。
ビーバーの不思議な巣の作り方、役割などについてみていきましょう。

ビーバーの生態はや特徴!?

ビーバーは体長80センチから120センチで、体重は11キロから30キロ、
よく知られているように水中での生活を得意としています。
なぜかというと、毛皮が水をはじいて水かきも後ろ足にあり、
大きい尻尾はオールのような形で、これを水中で上下に動かして推進力を得ることができるからです。

ビーバーで特徴的なのが「大きな歯」です。これはすごく丈夫で、小さめ木なら10分
で倒してしまえるほどの威力があります。

 

ビーバーの生態は川や湖などの湿原に多く生息しており、
家族の群れを作って生活します。縄張りは臭い付けによっておこなわれます。

 

食べ物は草食性で、木の葉や皮、草などを食べています。これが1日2キロというから
大食漢ですね!また、葉がついた木をかじることも多いです。
このため、池の底にある奇妙な白い枝は、ビーバーの食べ残しなんです。

ビーバーは天才的な建築家!?

また、ビーバーは人間と同じ「自分のために周りの環境を作り替える」動物で、
これはほかの動物ではないことなんだそうです。

 

これはどういうことかというと、ビーバーは、川にダムを作ってその中に巣を作っています。

この巣はどうやって作られているのでしょうか。鳥の巣と同じように、ビーバーは、周囲にあった木材や泥、砂を使い、川の流れをせき止めるダムを作るのです。

 

この中にビーバーが巣を作ります。

その長さは100メートル以上もあり、最大の記録はなんと850メートルにもなっています。

ビーバーは川の流れを止める防波堤を作り、この中に水を溜めて大きな池を作り、真ん中に木をたくさん積み上げ、これがビーバー一家の家になるのです。

 

この家はとても頑丈で、人間がこの上を歩くこともできるほどです。

このダムの入り口を水で塞ぐことによって、コヨーテやイタチ、テンのような外敵が入ってくるのも防ぐこともできるのです。

 

また、このダムのメリットはまだあります。大雨が降って水かさが増して
も、ダムに行って排水すれば水位を元に戻すことができて巣を守ることができるのです。

まさに天才的な発想ですよね!

 

あの有名な「キートン動物紀」には、パリ〜モスクワの大平原は、何千万年
も泥をためて作ったビーバーのダムだったという話も載っているくらいです。

昔はビーバーの乱獲で絶滅寸前になっていた!

ビーバーは毛皮が柔らかいので、これを帽子の材料になっています。
有名なあの「シルクハット」は、実ハビーバーの毛で作られていたんだそうです。
シルクハットは元はビーバーハットやカスターと呼ばれていて、これが17世紀以降、紳士の必需品だったのでビーバーの乱獲が起こり、このために19世紀にはビーバーが
絶滅寸前にまでなってしまいました。

しかし、19世紀の初めに、ビーバーの毛皮ではなくシルクを使った「シルクハット」が考案されたために、ビーバーの乱獲はなくなっていきました。

 

このようなビーバーの乱獲が、ヨーロッパが北米に行く理由にもなっていたために、カナダではビーバーが国獣となっています。

また、見た目がかわいいビーバーなんですが、警戒心が高いので近づくと襲われることもあるので気をつけましょう。

ビーバーの巣作りは、驚嘆するものがありますね

人間と同じように、周りの環境を替えてしまう唯一の動物であるビーバーでした。
ビーバーのダムは環境破壊になるともされていますが、逆に池に鳥が集まって水草がよくできることで、生物にとっては好都合という面があり、土砂に埋まったダムも栄養がたくさんある土地となり、これが何十年後に草原となって草食動物の生活の場になるんだそうです。

ビーバーの生活のための知恵は、まさに驚くべきものがありますね。

(ライター:nabex)