『黄金虫(こがねむし)』という、コガネムシは金持ちだと称えた歌があるのですが、みなさんご存じでしょうか。
この歌とその見た目のおかげで、コガネムシにはお金持ちのイメージが定着しているかと思います。
そんなコガネムシにあやかりたい、というわけではないのですが、ここではコガネムシの生態や飼育方法について紹介したいと思います。
コガネムシの生態
コガネムシは、甲虫目コガネムシ科の昆虫です。成虫の体色は、光沢のにぶい青銅金です。なかには、赤紫や黒紫色の個体もあります。
体長は17ミリから23ミリ程度です。なお、コガネムシ科の昆虫の総称として「コガネムシ」と呼ぶ場合があります。
またはコガネムシ科の一部を指して「コガネムシ」と呼ぶ場合もあります。
コガネムシの生息地域は、北海道・本州・四国・九州です。主な生息場所は、林や野原、そして街中です。
主な活動時期は6月から8月となっており、初夏から晩夏にかけて見ることができるでしょう。
食性は食葉性で、おもにサクラなどの広葉樹の葉を食害します。幼虫は、土中で植物の根を食べて成長します。ちなみに、カナブンとよく似ています。
カナブンとコガネムシの違い
大ざっぱには、コガネムシは丸みをおびていて、カナブンは角張っています。
そんなことを言われても、分からないと思います。少なくとも筆者は見分けがつきませんでした。確実な見分けかたとしては、背中を見ることだと言われています。
コガネムシとカナブンには、背中にボタンのような三角形があって、それが正三角形に近いと、コガネムシです。一方、カナブンのそれは、とがった二等辺三角形になっています。
【カナブン】
【コガネムシ】
また、見分けることに熟練すると、色によってカナブンかコガネムシか分かるそうですが、こちらは上述のやりかたよりも、さらに難易度が高いようなので、三角形を見てもやっぱり分からない筆者としては、強くはオススメできません。
まあよく考えてみれば、そこまで必死になってカナブンかコガネムシかを選別しなければならない機会は、そうそうないとは思います。……。
コガネムシの飼育方法
さて、そんなコガネムシの飼育ですが、実はそれほど難しくはありません。まずは昆虫用の飼育ケースに、土を敷きつめます。
そこにエサとなる葉を入れれば完成、卵を産ませたいときは土を厚めに盛ってください。
コガネムシは、サクラ、クヌギなどの広葉樹の葉を食べますが、もし、食べない場合は、ほかの木の葉をあたえてください。
コガネムシは、コガネムシ科の昆虫の総称です。好む葉はさまざまなので、トライ・アンド・エラーの精神でいろいろ与えてみましょう。
ずいぶん乱暴なやりかたですが、そもそも昆虫はカテゴリー分け自体が乱暴なんですよね。
コガネムシ科の昆虫……いわゆるコガネムシは、日本に棲息する身近なものだけでも十数種類もいます。同じ名称ですが、好みはそれぞれなので、どうぞ大らかな気分で飼育してあげてください。
コガネムシのエサ
というわけで、コガネムシのエサは、主にサクラ、バラなどの広葉樹の葉となります。
さて、そんなコガネムシは、小さい体ながらも食欲旺盛です。
葉っぱをどんどん食い散らかしてしまいます。飼育しているぶんには、可愛く見えるかもしれませんが、しかし、園芸を楽しむ人たちには害虫として嫌われています。
コガネムシの成虫は、植物の葉を食べます。幼虫も根を食べます。
つまり、産まれた瞬間から死の間際まで植物を食べ続けるわけで……植物を育てている人からしてみれば、まあ害虫以外のなにものでもないですね。迷惑な昆虫です。
ちなみに葉の食べかたですが、これは昆虫によってまったく違うみたいです。
コガネムシは、葉脈をさけて柔らかい部分だけを食べます。コガネムシが食べ終えた葉は、まさに食い散らかしたといった状態で、これは昆虫のなかでも汚い食べかただそうです。
そのこともまた園芸を楽しんでいる方たちの神経を逆なでするようです。
とはいっても、飼育するぶんには、あばたもえくぼ、どんな食べかただってきっと可愛く見えるはず。街で見かけたときは、あなたも連れ帰って飼ってみませんか?
(ライター ジュン)
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