有名な小説や映画などのサブカルチャー分野でも蜘蛛をモチーフにした作品は多々あり、絶大な人気を誇るスパイダーマンも蜘蛛男です!!

私たちにとって身近な蜘蛛に関する俗説は多々あり、その中でも一番良く聞く、「夜蜘蛛を見たら殺した方がいい!」という俗説とは一体どういうことなのでしょうか。

蜘蛛にについて

日本には1200種類ほどの蜘蛛が生息しています。

これれの蜘蛛は皆顎から毒をだし、獲物を捕獲して捕食する蜘蛛たち。

幾度の脱皮を繰り返し、成虫になるのですが、その寿命はほとんどの種類が1年程だといわれています。

中には9~11年ほど生きる種類もあり、私たちが家の周りで見かける蜘蛛は長生きするタイプの蜘蛛だそうです。

蜘蛛はエサを捕まえるのに3つのタイプに分けられます。

一つは私たちが良く知る蜘蛛の巣を張ってエサを捕まえるタイプ。

もう一つは蜘蛛の巣を張らずに、歩き回って自らエサを捕まえるタイプ。

そして最後は地下の巣穴でエサを待ち構えて捕まえるタイプです。

今回の話題の中心となるのはその中の蜘蛛の巣を張ってエサを捕まえるタイプの蜘蛛になるわけですが、具体的にはジョロウグモやクサグモなどが挙げられます。

蜘蛛に関する俗説

日本中のあちこちで「朝蜘は縁起がいい!」という説はあるようです。

 

朝の蜘蛛を見ると待っている人が来る、とか来客があるとか。

また、もう一つは今のように網戸などのなかった時代に家の中に入ってくる蛾や蚊などの虫たちを蜘蛛がとってくれるということから、良い事があるという風にとらえられていたようです。

 

実際、蜘蛛は人間にとって害虫を捕まえてくれる嬉しい存在でした。

今でこそ気持ち悪がられることもあるようですが、日本のようにそもそも自然と一体となった家屋文化をもつ民族にとって、蜘蛛はヤモリ(家守)などと同様に馴染みのある生き物だったのです。

先に書いた、待ち人や来客が来るという俗説は、日本書紀の歌からきているのではないかといわれています。

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「我が背子が 来べき夕(よひ)なり さきがねの 蜘蛛の行ひ 今夕(こよひ)著しも」

蜘蛛の活動が活発なので今夜は待っている人がくるかもしれません、といった内容の歌です。

 

生き物たちの活動は天気や湿度、温度などと関係していることが多いですから、蜘蛛が朝から巣をつくるような日は天気が良い日。

これは統計的にも証明されているようで、蜘蛛が朝から巣をつくる日の天気は56%が晴れだそうです。

そんな日はお出かけ日和で来客や待ち人が来る可能性が高いということなのでしょう。

夜の蜘蛛は親に似てても殺せ

一方、夜の蜘蛛に関しては大きく二つの説に分かれているようです。

 

朝の蜘蛛同様、縁起の良いものとする地域と「夜の蜘蛛は縁起が悪いので例え親に似ていたとしても殺してしまえ」というなんとも奇抜な俗説のある地域とがあります。

最初の縁起の良いものとする地域では蜘蛛の存在そのものが人間にとっては縁起の良い生き物と捉えているようで、その出現に夜か朝かはあまり関係がないようです。

一方縁起の悪い存在としている所は、蜘蛛が糸を垂らして降りてくる様子がまるで泥棒を連想させたり、夜中の何らかの侵入者を蜘蛛が予言しているためと考えられていたといわれています。

 

有名な著書、太宰治の蜘蛛の糸にも描かれているように、蜘蛛というのは私たち日本人にとっては一種神秘的な存在でもあったわけで、彼らの行動を何かの暗示ととらえる傾向は昔から根強くあったと考えられます。

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蜘蛛をみつけたら

で、実際に家の中でクモを見つけたら、皆さんはどうしてますか?

我が家ではティッシュなどでそっととって、外に逃がしていますが、沖縄以外の日本全土で見られるカバキコマチグモやもともとはオーストラリアに棲息しているセアカゴケグモなどの猛毒を持った毒蜘蛛の報告もあるので、捕まえる時には少し用心が必要かもしれません。

 

また、一切の俗説を全く相手にしない方はどうぞ薬剤で。

(ライター ナオ)

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