「タカラダニ(赤ダニ)」という名前を聞いたことがありますか?

春が過ぎて気温が暑くなる季節に発生します。

タカラダニは日本全土に生息していて、ここ20年ほどで一般的に知られるようになってきた直径1mmほどの小さい赤い虫です。名前だけ聞くと、何となくいいことありそうな気もしてくるのですが・・・!?

実は近年ではタカラダニの大量発生が苦情として寄せられているそうです。(見た目は気持ちの良いものじゃないですから)

今回はそんなタカラダニの生態や特徴、そして駆除・対策方法について詳しく紹介していきたいと思います。

タカラダニ(赤ダニ)って?

タカラダニはダニとしては比較的大型のダニで、体長は1~2.7mmほどの大きさで全身が赤や朱赤色、たくさんの毛で覆われています。

 

肉眼でもしっかりと認識できる大きさで、温かくなり始めた4月から6月頃にかけて大量に発生します。

人にかみついたり、悪さをしたりすることはないのですが、都会の真ん中でも大量発生するので、気持ち悪がられています。

小さい赤い蜘蛛の正体は?

タカラダニ(赤ダニ)の名前の由来

タカラダニのタカラは「宝」。

名前の由来についてはいくつかの説があるようです。

 

例えば、昔の子供たちの宝であるセミについているダニだから。

そのセミのお腹についているダニが、まるでセミが宝を大事に抱えているように見えるから。

水がお宝だった時代に、井戸の水にいるダニだったからなどなど。

その真意は定かではなく、まだまだたくさんの秘密が隠されています。

 

また、別名「赤ダニ」とも言われていて人体には無害なんですが、観葉植物などに大量発生することから

ガーデニングが趣味の方からは害虫として嫌われています。

犬につくタカラダニついて

タカラダニ(赤ダニ)の生態

タカラダニのは、節足動物門鋏角亜門クモ綱ダニ目ケダニ亜目タカラダニ科アナタカラダニ属に分類されるダニの一種なのです。

タカラダニの種類は世界で約40種類以上確認されていて、日本で良く見る種類は「カベアナタカラダニ」という種類ですが、タカラダニの生態は実のところは、まだよくわかっていません。

ただ、同じダニでも、山に生息するヤマダニとは全く違うということは確か。

 

なんせ都市のコンクリートやブロック塀に大量発生するのですから・・・・。

生息場所はほぼ日本全国、北海道から沖縄までのコンクリートやブロック塀の表面や土の上など様々な場所に姿を現します。

コンクリートや土の上って・・・・つまりどこにでもいるということ。

 

公園や階段、家の壁やベランダ、橋など色々なコンクリートの壁に発生します。

私達がコンクリートで見かけるタカラダニはすべてメスです。

コンクリートから部屋の中に侵入することもありますが、人間には直接的な害はありません。

 

タカラダニの幼虫は蝉や蜘蛛、アブラムシ、バッタなど多くの節足動物に寄生します。

寄生した昆虫の体液を吸ってお腹一杯になると、昆虫を離れて地上に落ちます。

 

地上に落ちたタカラダニの幼虫は、脱皮して若虫になり、素早く動き回る若虫と成虫はハダニやカイガラムシを餌として食べます。

 

タカラダニは食性は雑食性で、虫以外にも花の花粉なども食べることがわかっています。

タカラダニの大量発生の原因

しかし、彼らの餌である小さな昆虫が少ない都心部で、しかも何でコンクリートで覆われた都会のど真ん中に大量発生するのでしょう。

タカラダニはまだ詳しく生態がわかっていないので、実はタカラダニが何故発生するのか原因はよくわかっていません。

ですが、ひとつ考えられるのがタカラダニには天敵が少ないと言う点です。その為、なかなか数が減ることがありません。

また、タカラダニは産卵数が多いのも大量発生の原因となります。

近年タカラダニが大量発生する事例が増えているのは、地球温暖化でタカラダニが生きやすい環境になってきたからかもしれませんね。

なぜコンクリートに発生するのか?

一説にはタカラダニは、コンクリートについている花粉を食べているのではないかと考えられています。

また、都会のコンクリートにはうっすらと苔が生えていている部分も多く、そこが彼らにとってちょうど住み心地の良い場所になってというのです。

ちなみにタカラダニの天敵はクモと言われていますが、そもそもタカラダニはコケやコンクリートがある場所で生活しているので狙われる確率は低いとされています。

タカラダニの天敵って?

3月に幼虫が目撃され、成虫の苦情が殺到するのが4月の下旬~6月頃。7月頃になるとタカラダニの姿は見えなくなります。

苦情が殺到する時期は、ちょうど産卵の時期。タカラダニは単為生殖で増えるので、うじゃうじゃといるのは全部メス。

コンクリートの一角が大量のメスが集って産卵する、いわば産院と化しているというわけです。

タカラダニ(赤ダニ)は人間にとって有害!?

タカラダニは直接は人に悪さをしないので、気にならない方はそのまま放っておいても大丈夫。

でも・・・例えば洗濯ものに付着したり何かの拍子で皮膚に付いてしまった場合は、決して潰してはダメ!!

潰してしまうと、ダニの赤い体液が出てきてしまいます。

この赤い体液を素手で触ってしまうと人によっては痒みやかぶれを引き起こす成分が入っているようです。

また、衣服に色がついてしまいます。

特にアレルギー体質の方などは注意が必要です。

ただし、人間がタカラダニを潰して液体に触れない限り、タカラダニからは人間に噛んだり刺したり攻撃をしてこないので、大抵の場合においては無害であると言えます。

タカラダニ(赤ダニ)と間違えやすい虫

小さくて赤いアブラムシや蜘蛛の種類はよくタカラダニと間違えられます。

でも、よく観察してみるとその違いは明らか!

例えばアブラムシはタカラダニにはない長い触角を持っています。

 

小さいので虫眼鏡や顕微鏡で見なければわからないかもしれませんが、明らかに脚とは違う細く長く伸びたものが確認できれば、それはタカラダニではありません。

しかも、アブラムシはコンクリート上に密集することはないので、発生する場所からも推測することができます。

また、蜘蛛はシロスジショウジョウグモやアカイソウロウグモなど数種類の小さい赤い蜘蛛がいますが、どれも頭胸部と腹部の分かれ目がくびれています。

体にくびれを確認できたなら、それもタカラダニではありません!大きさもはるかに蜘蛛の方が大きい!

タカラダニ(赤ダニ)が発生しやすいのは!

タカラダニは一度の産卵で1個~20個の卵を産みますが、タカラダニにオスは存在しないので、すべての個体が単為生殖を行っているのでは無いかと考えられています。

タカラダニの平均寿命は2ヵ月~3ヵ月程度とされており、壁や床などの狭い隙間やコンクリートを好みます。

コンクリートの凸凹にはエサとなる有機物が付着しやすかったり、苔が付着していることも多いからです。

 

また、繁殖期+産卵ラッシュは4月~6月がピークだそうで、この時期になると屋外・屋内関係なく産卵を行い大量発生する時期でもあります。

一軒家でいえば、基礎と壁の隙間や玄関扉の隙間。もちろん庭やブロック塀なども危険です。

マンションでいえば、ベランダのコンクリート。

布団や洗濯ものを干して取り込む時に、衣類や布団についたタカラダニを知らないうちに一緒に家の中に持ち込んでしまうこともあるかもしれません。

そんな時には押し入れやタンスの中も注意が必要です!!

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タカラダニ(赤ダニ)を予防するには

一度発生すると毎度同じ場所に発生する習性を持つタカラダニ。

潰すと赤い液体が出て掃除が大変になるし、どうしたものかといった感じですね。

 

タカラダニを予防するには、まずは卵の段階で発見し、駆除してしまうこと!

タカラダニは一度に1~20程度の卵を産みます。

タカラダニが発生したことのある場所に、白くて1㎜以下の粒粒が固まっていたら、それはタカラダニの卵かもしれません。その時は速やかに根こそぎとってしまいましょう。

 

高圧洗浄機などで洗い流してしまうのも手です。

一度、卵を見つけた場所はタカラダニが産卵しやすい場所ということですから、そこは要注意!

毎年同じように産卵する可能性があります。

まずはその場所の環境を変えてしまうことが大切。

隙間だったら、隙間を埋めてしまう。苔が生えていたら、苔を取り除く。

その後、隙間ならば油剤などでしっかりと隙間を防ぎ、苔の生えやすい場所は苔が生える条件をなくしてしまいましょう。

油剤は残効性のあるものを使えば、長持ちするので安心です。

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家の中にタカラダニが侵入するのを防ぐには、タカラダニが発生する時期の前に、タカラダニが発生しそうなコンクリートなどに殺虫剤を吹き付けるとよいのだそうです。

また、タカラダニは花粉を食べることがわかっていますので、コンクリートについている花粉を取り除くのもひとつの手ではないでしょうか。

タカラダニ(赤ダニ)の天敵

タカラダニを予防する方法として思いつくのが天敵の存在。

天敵のいる場所なら、タカラダニを寄せ付けずに済むのでは、と思いませんか?

でも、タカラダニの天敵は蜘蛛!

蜘蛛は有機物や苔だけでは生きていくことができませんから、タカラダニがいるような場所で見かけることはめったにありません。

そう——-天敵がいたら、最初からここまで社会問題にまでならないですよね。

 

蜘蛛が苦手じゃない方は、実験的に蜘蛛を連れてきてベランダや庭に放しておくのも手かもしれません。何か変化が起こるかも!?

タカラダニ(赤ダニ)の駆除方法

タカラダニは見た目に強そうな赤色をしていますが、その割には結構軟弱、意外とタカラダニの駆除は簡単です。

まず水が嫌い!!庭などの屋外に発生してしまった場合は、ホースを持ってきて先端をつまみ、勢いよくタカラダニを流してしまいましょう。

高圧洗浄機などもオススメです。

 

また、一番効くのはピレスロイド系殺虫剤だそうです!

市販の殺虫剤などでも簡単に駆除することが出来るので、家にある他の昆虫の殺虫剤を使用するのも有効です。

 

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小さいお子様をお持ちの方やアレルギー体質の方や皮膚が弱くて殺虫剤のようなものを使いたくない方は、家で使っている家庭用の洗剤などを水で薄めてシュシュッとかけるだけでも十分ダメージを与えることが出来ます。水をかけられたタカラダニは小さく丸まってそのままお亡くなりになります。

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そうなんです、タカラダニは結構簡単に駆除できちゃうんです。

同じような方法で、カーペットなどを掃除する「コロコロ」も便利。

小さい埃をとるように簡単にタカラダニを粘着させて処分できちゃいます。

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でも、この時注意したいのは、力の加減。つぶすと赤い体液が出てきてしまうので、カーテンや布団など布製のものがある場所や汚したくないものの上ではこの駆除方法は避けた方が良さそうです。

タカラダニの赤い液体は床などにしみになって取れにくい事があるらしいので、出来る限り傷つけないで駆除する方法をお勧めします。

 

それでも手に負えない時は駆除業者を頼みましょう。

しっかりお金をかければ、きれいさっぱりと駆除してよ!

実際に公共の施設などの大きな建物の数か所で発見されるような場合には、業者さんを頼るしか方法はなさそうです。

タカラダニのまとめ

以上、「タカラダニ(赤ダニ)」の発生原因と予防・駆除方法を中心についてまとめてみましたが、参考になりましたでしょうか?

毎年煩わしかったタカラダニとオサラバするにはまずは予防が肝要です。

 

天敵が少なく、産卵数が多い為大量発生の事案が増えていますが、予防をしっかりやっておけば今年の春夏は見たくない「タカラダニ」を見なくても済むかも知れません。

 

タカラダニを発生させないための予防策は、タカラダニの寄生するコンクリート部分やコケを日ごろから水で洗い流してきましょう。

また、殺虫剤などを予め吹いておくなど、予防を徹底していればまず発生する事は無いそうです。

人によっては大きな不快感を感じるタカラダニですので、苦手な人は発生させないように毎日の掃除を欠かさずするよう心掛けましょう。

 

今シーズンはぜひあなたもタカラダニマスターになって、快適な生活を手に入れてください!!

(ライター まるお)

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